四十九話 離縁
私が泣き止んだあとのこと。
私は、侯爵邸に嫁いでからの出来事をすべて話した。
夫には愛人がいて、その平民の愛人と長いこと関係を続けていたこと。
結婚初夜がなかったこと。そしてそれから一度も肉体関係がなかったこと。
それでも友人ができて、サラやアントニーという味方ができたこと。
夫に夜這いをされて、離縁を突きつけ逃げてきたこと。
そして、アレク様という方が見守っていてくれたこと。
全てを、洗いざらい全部打ち明けた。
当然私の話を聞いた両親は怒り心頭。すぐに離縁の手続きをしようと言ってくれて……。
幸い証拠もあったから、それらをまとめて書状を準備して送り付けてくれた。
それから少しして、無事に私とヴィクトル・クラウゼン侯爵の離縁は認められた。
白い結婚だったこと、そのうえ長きにわたり不倫をされていたことが大きな決め手だった。
その後、元夫とは一度も会っていない。
噂によると、私と別れてからは抜け殻のようになってしまって、事業でもミスを連発し、とうとう大口の取引先を怒らせたとかなんとか……。
それから先は何があったのかわからないけれど、どうやらクラウゼン侯爵が没落した、という話を父から聞いた。
今は、街のはずれの小さな家で一人寂しく暮らしているのだそうだ。
まぁ、そんなこと……もう私には関係のない話だけれど。
ちなみに、サラとアントニーはエルフィナード伯爵邸で働いてくれている。
イザベラ様とはつい先日お茶会をしたけれど、「大変だったわねぇ」と労ってくださった。
そんな感じで、今は楽しく暮らしている。
____そしてまた月日は流れ、私が一度目の人生で迎えられなかった日を迎えることができた記念の日。
私は、王家が主催する大きな夜会に招待されたのだった。




