↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大震災の元凶、地龍を倒して日本を救ったのに異界に追放されたので我流六気操術で無双します。  作者: 坂井ひいろ
第7章 城塞都市コーフ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
96/104

07-07 ドラキュラ伯爵はきまり悪そう

火(カ)の街、城塞都市コーフダンジョン十階層『奈落』。


そこは巨大な水晶だけでなく、岩壁からダイヤモンドやエメラルド、ルビー、サファイヤが露出する宝石の宝庫だった。


「師匠、この事実がギルドの冒険者に知られたら大変なことになりますね。欲に駆られて毒死する冒険者が続出ですよ」


永久はあきれ顔。


「さすがにこれだけあると価値がないな。ただのガラス玉に見えてくるが、まあ、宝石市場は確実に崩壊だな。投機している貴族は全財産を失う」


解はちょっとばかり心配。


「貴族なんて俺らの税で遊んで暮らしているんだから、ムダ金使われずにかえって助かるんじゃないですか」


人狼ガルムは、そう言いながら壁にそっと近づいて大きめのダイヤを後ろ手でホリホリ。


鬼女ベニに送るならやっぱり真っ赤なルビーだよな。なんてことを考えている。


「これは眷属の娘達へのプレゼントに困らんな」


ドラキュラ伯爵はあからさま。すでにポケットはパンパン。この状態で蝙蝠になれるのだろうかと解はいぶかしむ。


「永久、繭いるか?。ダンジョンの拾得物は冒険者の物だぞ」


解は二人に尋ねる。


「ここまで大きいと指輪にしても、ネックレスにしてもとにかく邪魔ですね。チョコの方がいいです」


永久は、なんだかんだ子供?まあ、花より団子派だな。と言うのが解の感想。


「ふふふ。えっと、ですね。解君が選んだものなら……、欲しいです」


繭は顔を赤くする。


「……」


解はコソコソと壁に近づき、一番大きなダイヤをポケットにイン。


「はあっ」


その情けない姿を目撃した永久は大きくため息。まあ、現世ではボッチオタクのヘタレ男子だものなー、残念と言うのが永久の感想。


その時、水晶に映り込む解の背後から口を大きく開いた巨大ワーム。本体を直に目視できないS級 魔物(モンスター)ワーム・ホール。


「っ……」


解はすかさず、振り向き様に妖刀『鬼神解(きじんかい)』に手をかけて一閃。


ブワッ!


空回り。てか、そこにワームの姿はなかった。


「気を付けろ!水晶から水晶へジャンプする魔物がいるぞ」


解は叫んで巨大水晶から離れる。


周りを見回すと別の水晶に映る繭に向かって大きな口を広げるワームの姿。しかし、ワームがいるはずの場所には実体がない。


解は素早く走り込んで繭を抱えて移動させる。


ガブリ。


繭がいた場所の地面がえぐり消える。


巨大水晶に映り込みニョロニョロとミミズみたいに這いながら音も痕跡もなく移動する巨大ワーム。


齧り付いた時だけ、その空間が丸ごと消え去る。


水晶をじっくり眺めれば姿が写り込むので接近はわかるが攻撃ができない。


解たちはダンジョンの十階層の広場の中央に集まり、繭を中に入れて背後の死角を無くすために外向きの円陣を組む。


ダンジョンの周りの水晶には中央に集まる解たちの周りを取り囲むようにグルグル回る巨大ミミズのような魔物(モンスター)


「師匠、どうなっているんですかね。水晶には映るのに、移動した痕跡も音もないですよ」


永久は式神月花(げっか)が変化した三日月剣『月花丸』をかまえて尋ねる。


「このダンジョンの魔物は半精神体だ。空間を歪ませて捕食する口だけが実体。水晶を媒介に空間を渡っているなら、媒介ごと潰せばいい。やつの本体はここだ!」


解は居合の構えを取って腰の妖刀『鬼神解(きじんかい)』の柄を握る。


複数の水晶に映り込む巨大ミミズの姿が同じ高さになった瞬間を狙って一振り。


ズザザザーン!!!!!


ダンジョンホールの外周に立つ巨大水晶を闘気の刃で水平に両断する。崩れ落ちる水晶群。


ボト、ボト、ボト……。


解たちを取り囲むように水晶に映り込んでいた巨大ミミズ本体が、切り刻まれた姿で現われて地面に落ちる。


「ヤバかったな。こんなトリッキーな魔物(モンスター)もいるのか。気付くのが一瞬遅れてたら全滅だった」


刻まれた魔物が光の粒となって集約されたこぶし大のS級魔石を見詰めながら、解は額に垂れた汗を手の甲で拭う。


「さすが師匠です。今の技は城塞都市サーイのダンジョンスタンピードを一撃で壊滅させたやつですよね」


ニコニコ顔の永久。ドン引きする人狼ガルムと鬼女ベニ。


「解君、ダンジョンスターピートを一撃で壊滅なんてムチャぶりもしてたのか?あっ……」


代表して尋ねるドラキュラ伯爵のポケットが破れてポトポト落ちる巨大宝石。


ドラキュラ伯爵はきまり悪そうに屈んでそれを拾う。その肩に手を置く解。


「まっ、そんなこともあったかもしれませんが忘れました」


すっとぼける解。苦笑いする人狼ガルムと鬼女ベニ。久しぶりのS級魔石を抱きかかえる繭。


「師匠、これで終わりですか?」


永久は活躍の場が無くて物足りなそう。


「そうじゃないみたいだな」


解たちの集まるダンジョンの十階層の中央部の床に光が走り、魔術による五芒星(ごぼうせい)が浮かび上がる。


「ダンジョン主を倒したことで転移魔法陣が発動したようだな」


解はその光を見てつぶやく。


「師匠、いよいよですね」


永久は解を見上げる。


解、永久、繭、ドラキュラ伯爵、人狼ガルム、鬼女ベニは魔法陣に乗って別の空間へと運ばれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。