↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大震災の元凶、地龍を倒して日本を救ったのに異界に追放されたので我流六気操術で無双します。  作者: 坂井ひいろ
第6章 城塞都市ヨーコ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
86/104

06-10 風呂上りは牛乳の一気飲みなのです

無事に水(スイ)の街、城塞都市ヨーコの街の海上ダンジョンを攻略した解、永久、マユ、人狼ガルムと鬼女ベニ、ドラキュラ伯爵の六人は近くにあるアータミに温泉旅行に来ていた。


「ふぅぅぅー。やっぱり日本の温泉は最高ですな」


何かと活躍の少ないイケおじ紳士、ドラキュラ伯爵は湯舟に浸かって一言。


「師匠、肩の傷。本当に完治してますね。マユさんの癒しの力は規格外ですね」


人狼ガルムは感心している。


「そうだな。マユがいるから、このパーティーはムチャできるようなもんだからなぁー」


硫黄の匂いと湯煙立ち昇る岩場の露天風呂で解は両腕を伸ばす。


一方、木の衝立を隔てた向こうから、永久、マユ、鬼女ベニの子供がはしゃぐ様な会話が響いてくる。


「っ……。ベニさん、メチャメチャ肌、綺麗じゃないですか!どんな手入れしてるんですか?」


「永久ちゃん、何処さわっているの!」


「えへへ、つるつるでフカフカだからついなのです」


「ほわー、ベニちゃんの肌、ツルツルです」


「ちょっと、マユちゃんまで。もう、エイ!」


ジャバ、ジャバ!


「やった、ですね」


ビチャ、ビチャ!


「うふふ、じゃあ私も」


チャプ、チャプ!


「あっちは何やら盛り上がってますなー」


イケおじ紳士、ドラキュラ伯爵の顔は熱でとろけ気味。


「お師匠、こっ、この衝立(ついたて)。湯舟の半分で切れてますよ。こっ、この露天風呂……。混浴……」


途端に挙動不審になる人狼ガルム。


「「「……」」」


沈黙する三人の男衆。響き渡る隣からの女子メンバーのはしゃぎ声。空をゆっくりと流れる雲。


「そろそろ、上がるか」


のぼせてもいないのに顔を真っ赤にする解。


のんびり、ゆったりした時間が過ぎていく。


お風呂上りの浴衣に着替えて、腰に手を当て牛乳瓶を傾け一気飲みする永久。


「プッハー、やっぱり、風呂上りは牛乳の一気飲みなのです。伯爵も飲みます?」


永久は牛乳瓶の紙の栓に爪を立てる。


「ほう、日本の温泉、あるある、かな?江戸にもドイツのバーデン・バーデンでも見ない風習だな」


ドラキュラ伯爵はイケおじ顔で興味津々。


「グフフ。伯爵は江戸の陰陽師にこっちに追放されたから、昭和文化を知らないんですよね」


「俺ら、知ってるよ。なあ、ベニ。アニメの再々放送で見たもんな」


「そうそう。ババ臭いって、みんな言ってたよ」


鬼女ベニの言葉に反応する永久。


「ババ……、ぬぐぐぐ。おりゃー」


手に持つ牛乳瓶の紙栓を指で強く押し込む。


ちゃぷっ!


跳ね出た牛乳がベニの浴衣の胸元を濡らす。


「っ……。やったな古だぬき!」


「ぬぐぐぐ、お狐様や」


睨み合う永久と鬼女ベニ。


二人を残して他人の素振りで立ち去ろうとする四人。


「ちょっと、師匠。おいてかないでくださいよー」


駆け出す永久と鬼女ベニ。


休憩室で平和なひと時を過ごす解と永久、マユ、人狼ガルムと鬼女ベニ。


「師匠、なんか一人だけメチャモテてますけど」


女性の観光客はもとより、温泉宿の女主人、中居さんまでイケおじドラキュラ伯爵を取り囲んでイチャイチャ。


飛び交うハートマークと、男性陣の嫉妬の視線。


「あれっ?じっくり見たらドラキュラ伯爵さんて……」


鬼女ベニまで顔を赤らめる始末。


「っ……。伯爵、なんか特別なフェロモンとかチート能力使ってないですかね?」


人狼ガルムは気が気じゃない。


「ああ、あれな。高身長、伯爵爵位、ダンディなマスク。滲み出る包容力ってやつな」


解はソファーに寝ころび読書していた本から目を外して人狼ガルムに伝える。


「くっ……。お師匠……」


人狼ガルムは半泣き顔。


解は読みかけの本をパタンと閉じる。


「来たか」


廊下をドタドタと走る音。


強欲商人ゴウと桜龍会(おうりゅうかい)女親分サキが駆けつける。


「旦那、やっぱりありましたよ。あっしはてっきり、都市伝説の類かと思ってましたが……、セイレーンの塔(タワー)」


強欲商人ゴウは乗り気じゃない。


「しかし、解さん。相手は相当の難物らしいですよ。八十年近く、人族とは接触してないようです」


女親分サキは顔を歪める。


「人魚族の黒魔術師セイレーン。大魔王プロトニを倒した勇者のパーティーメンバー……。会いに行くか」


解は立ち上がる。


解の膝から閉じた本がポトリ。


題名は『勇者英雄伝説の光と影』著者、セイレーン。


「師匠、それ帝都トキオ剣術魔法学園の本じゃないですか。貸出禁止のラベルついてますよ」


永久の顔は引きつる。


「ああ、これな。永久、アラン・グラント学長には内緒だぞ」


ジジー。


解は無限収納ファスナーのつまみを引き、時空の狭間へその本を投げ入れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。