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大震災の元凶、地龍を倒して日本を救ったのに異界に追放されたので我流六気操術で無双します。  作者: 坂井ひいろ
第4章 帝都トキオ 学園編

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04-04 ロングネイルのピンクの縦巻き髪少女

解と永久、マユと学長の四人が魔力練習場へ行くと学園指定のブレザー姿の二人の生徒が待っていた。


「平民出身のカッペ三人組とチームを組むなんて最低だわ」


いきなりの先制パンチ。ロングネイルのピンクの縦巻き髪少女が、腰に手を当て胸を張る。


「で、でた。悪役令嬢!」


「このガキ、今、何って言った!」


顔を突き合わせて睨みあう二人。ちなみ永久は踵を上げて背伸びをしていたが完全に見下ろされていた。


「っ……」


予定調和のような展開に顔をしかめる解。解は永久の手を引き小声で耳打ちする。


「永久、学園では狐耳も尻尾もなしな。約束を破るなよ。マユとゴウしか永久の正体をしらないんだからな」


「師匠、分かってますよ。あんなの人間形態で十分ですよ。街の任侠ヤクザでも問題ありませんでした」


一方、ロングネイルのピンクの縦巻き髪の少女の前に割って入りいさめるブレザーパッツンゴリラ男。


「お嬢様、田舎者相手に本気を出したら可哀そうですよ。下僕として扱えばいいんですよ」


ゴリラ男は解と永久、マユと学長の四人に向き直る。


「おい、ガキと童女、っ……。ウホッ」


マユの姿を見てハートマークが舞い踊るゴリラ男。その目線を追って縦巻き髪の少女は標的を変えた。


「聖女アンナ・マレッサ様もお歳かしら。あんな年増女に回復師ヒーラーの能力なんてあるはずないじゃい。見間違えたんだわ。ねえ、そう思うでしょボブ」


「それはもうお嬢様一筋……」


同意を求められているのに、返事の方向がズレるゴリラ男。マユのことが気になって仕方がない。


事態を静観するアラン・グラント学長とゴリラ男の視線に戸惑うマユ。


「ボブ君とアヤ君はサーイの冒険者ギルドのランクを持っていたよね。解君と永久君も先日ギルド登録したと聞いている。マユ君は聖女アンナ・マレッサ様から直々にランクを授かっているし、互いに挨拶してくれないか」


アラン・グラント学長は静かに促す。


「ふん、分かったわよ。腰抜かしたらいいわ」


ピンクの縦巻き髪の少女はふんぞり返り、ゴリラ男はマユに良いとこみせれるとほくそ笑む。互いに顔を見合わせてニタニタ笑う。


コンの街、城塞都市サーイ領主、伯爵家長女、アヤ・サーイ。十五歳、B級魔導士よ」


「同じくコンの街、城塞都市サーイの男爵家次男、ボブ・アーレン。十七歳、C級拳闘士だ」


どや顔でポーズを決める二人。


だが、期待していた反応は何時までたっても帰ってこない。完全にスルーされている。


「キビ村村民、解。十八歳だ。ギルドランクはえっと、A級剣士だったな」


解は詰襟の学生服のポケットからギルド証を出して確認しながら答える。


「同じくキビ村村民、永久。十四歳。ギルドランクA級魔導士だよ」


永久は既に二人を見下す目。


「「くっ……」」


ピンクの縦巻き髪の少女とゴリラ男は想定外のギルドランクに唇を嚙む。


「キビ村村民のマユです。十八歳です。ギルドランクはS級回復師ヒーラーと言われました。あっ、でも戦闘力はゼロです。よろしくお願いします」


「「「S……」」」


アヤ伯爵令嬢とボブ男爵家次男、そしてアラン・グラント学長まで口をあんぐり。ちなみに学長は引退まじかの年でようやく栄誉職と言うチートを使ってS級である。


「マユちゃん、Sなんだー」


一人、マユの手を取って飛び跳ねてはしゃぐ永久。マユはそもそもS級の意味が分かっておらずポカーン。


「っ……」


なんとなく想定していたが、学園で敵が増えること間違いなし。苦い顔をする解。


「らっ、ランクなて意味ないわ。私たちは成長中なのよ。せ、潜在魔力が本当の実力なんだから。学長、そうでしょ」


縦巻き髪を振り乱して完全に動揺しまくるアヤ伯爵令嬢。その後ろでオロオロするゴリラ男爵家次男。


剣術魔法学園アラン・グラント学長は念のためその真偽を確認しすることにした。


ポケットから用意していたこぶし大の魔石を取り出す。


S級魔石。それは金貨一万枚の価値があり、城塞都市で店が持てると言われるほど高価な品物である。


「潜在魔力測定用に調整してある」


そう告げて、ゴリラ男の手にのせる。


アヤ伯爵令嬢は背中を押す。


「いいとこみせなかったら護衛役を首にするわよ」


「もちろんです」


応えるゴリラ男の目はマユに釘付け。今度こそとイキる。


鼻息が荒くなり益々ゴリラ顔になっていることに本人は気づいていない。


「ハアー」


魔石がぼんやりと白く光る。


プッ。


満足げに魔石を見つめるゴリラ男のブレザーのボタンが派手に飛んで行った。


「次は私の番ね。フフフ、私の将来性を見くびらないことね。はぁー」


ピンクの縦巻き髪を揺らして、魔石を奪い取り、ロングネイルの手に魔石を乗せるアヤ伯爵令嬢。


ちなみにロングの付け爪は十個全て魔石製。伯爵令嬢の財力にものを言わせた魔力アップのチートアイテムである。


キラリ!


魔石全体が白く光る。再びどや顔のアヤ伯爵令嬢。


「すっすっごい!A級並みですよ、これ」


すかさずよいしょする男爵家次男。ゴリラ男の中でアヤとマユの天秤が揺れる。


「じゃ、今度は俺だな」


解は魔石を掌に載せる。


「ふっ」


解は丹田に力を込める。


「「「「「……」」」」」


全く光らない。


一同、A級冒険者ならさすがにそれはないとのぞき込む。


解の力は五芒星ペンタグラムを用いた魔力ではなく、我流六気操術がりゅうろくきそうじゅつ


一般的な魔法剣士は常時、魔力を巡らすが解は例外。


気の軽重を使って効率的に爆発的な力を瞬時に生み出す。方向性がかなり違うのだ。


解は一切気にすることなく魔石を永久に渡す。


「永久の番だぞ」


フワッ!


永久の手の中で魔石が眩く輝き出す。


永久の陰陽道は五芒星ペンタグラムを基本とし、異界の魔法ペンタグラムと基本的には同じである。


「こんなもんですかね。ハイ、マユちゃん」


ブワッ!!


ピキ。


永久がマユの手を取って魔石を乗せた瞬間、直視できないほど輝き、一瞬でヒビが入って光は消えた。


「きゃっ、ごめんなさい」


壊してしまったと慌てるマユ。


「っ……。大丈夫だよ。魔石一つくらいで帝都トキオの剣術魔法学園はビクともしない……」


退職を前にしてこれほどの厄介ごとが舞い込むとは……。


アラン・グラント学長は知者ではあるが冒険者や帝都騎士団のような猛者ではない。だからこそ選んだ教職の道。


Sランクを軽々と越えていく潜在能力。それが無自覚の少女の力。それを導かなければいけない重圧が一気にのしかかる。


城塞都市サーイの問題児の二人をどうこうするなんてレベルじゃない。


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