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5-2

 クイの初デートは、キュン死寸前だった。

 いきなりオレリアスが、名前で呼び合おうと提案してきて、もうそこからダメだった。クイはずっと、パニック状態にある。

「……オ、オオオ、オレリアス……。」

 喋る事もままならない。

「ん? なんだい? クイ。」

「はぅ。」

 親しげな口調で呼ばれるだけで、思わず昇天しそうになる。

 こんなに何度も臨死体験を味わうことになるなんて。

 ふらふらのクイに、オレリアスは、困ったように頭をかいた。

「早く慣れてくれないかな。こちらまで照れてしまうじゃないか。」

「ごごご、ごめんなさい。」

 でも、落ち着けないのは、オレリアスのせいだ。

 オレリアスはなぜか、ずっと、クイの手を握っていて、そのせいで、クイは魂が半分抜け出てしまっていた。空中をぷかぷか浮いているような感覚のまま、足が地面についている実感もない。

「まずは、中心街に行ってみようか、クイ。」

「はぅ。」

 二人は、中心街を通って、果樹園を散策したあと、農作業中の領民に冷やかされながら、ウテリア川のほとりを歩いた。ウテリア川の流れは緩やかで浅く、そこで遊ぶ子供たちを眺めてから、二人は、街道沿いまで南下し、その通りにある小さな甘味処を目指すことにした。

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