腐トン
「腐腐腐...そう言えば、俊はどんなモノが好きでございますか?」
「そうだ。それ私も聞かないとって思ってたんだ。」
ももの目がぎらんと輝く。獲物を目の前にしたような目で、俺を見つめる。正直ちょっと怖い。
「俊の好きなやつ教えてほしいな」
ももと、真似が同時に視線をぶつける。その目に少しびっくりし、目をそらしながら俺は言った。
「俺は—―」
「ちなみに私は兄弟モノとか、学園モノとか...」
「あ、俺も学園系好き。」
ももは俺が言いやすくしようと最初に自身の好きなものから紹介する。
「学園いいよね。私も最近そっちよく見る。」
「俺1か月ぐらい前好きだった本買ったよ。」
そう、俺は今からひと月ほど前に、ずっと好きだった漫画を電子じゃなくて紙で買った。
「へー、そうなんだ。どんな作品?」
「うんとね、なんか、身長差のやつで」
「身長差か!私も好き!どっちが好き?身長高い奴がせめ?それと低い方がねこ?私はね、今まで高い方が良いなーって思ってたんだけど、最近は低い方がいいなって思い始めてて。もう本当にいい。特に普段気弱そうなうけっぽい人が恋人の前で強くなって見るからにせめっぽかった人を押し倒してその時にでるせめぽかった子の赤くなる顔が私本当に好きで、もうそれだけでご飯200杯は行けるっていうか...」
身長差、という言葉が出た瞬間に、まるで子供が念願のテーマパークに入園できたようなそんな風に語り始める。もっとも、子供のようにそんなに純粋ではないものだけれど。
「あー、うん、ごめん。」
自分が他人を置いてけぼりにしてしゃべっていたことを気づいたのか、ももは少し口を閉じた。だがその口は緩んでいて、しゃべりたくて仕方がなさそうだった。
「いや、別に大丈夫。聞いてて面白いし。」
そう思ったことを率直に伝えると、
「ほんと?ありがと、じゃあ、学園なんだけど、なんか兄弟制度とかそういうのもあるじゃん?私そういうのも好きなんだよね。ほら、私兄弟モノもすきだって言ったじゃん?そしたらそれはモノ×モノの最高の組み合わせが誕生するわけで。そしたら完璧に決まってるじゃん。まあでもそれはそれで新しい系統として出ている気がするし、それに数自体は他と比べてまだ出ていないから、私としては、そればっかりに固執するんじゃなくて、他のこともしっかり見ていこうと思うだけど...」
「す、ストップでござる。腐腐、ワイもしゃべりたい。」
まだまだ喋ろうとするももを遮るように真似が待ったをかけた。
「俊は、バースはご存じでございましょうか。」
そう真似は俺に問いかけた。
「ちなみにワイはケ」
その瞬間がチャイムが鳴り響いた。
「やば」
急いで俺と真似が教室の座席に戻る。
そして、隼人たちも急いでやって来るのが見えた。隼人と翔。どちらも廊下で談笑していたらしい。慌てて席について、息をつく。そして、次の授業の準備をしていないことに気づいた翔は慌てて荷物を取りに行った。
「翔、あいつ教科書とか何も机にないやん。」
「まじかよ、あいつやば」
そんな風に翔を俺と隼人は笑った。
笑える時間があまりにも、愛しい。




