やっぱり
今日は跳び箱。頭跳ねおきとびみたいなのを練習する。体育の教師は割と若くて、30代前半ってぐらいで優しくて人気がある先生だ。ただ、目がぐっと開いていて見つめられるとちょっと怖い。笑顔で見つめてくる圧が俺らからすると、すごく熱い。性格はThe・体育教師って感じで、明るく、熱気盛んで、よくわかんない時にたまに怒る。
準備運動をして、笛の合図とともに、早速跳び箱に向かって走っていく。パーンと、ロイター板のなる音が響く。
「三鷹、いい感じ!」
先生から笑顔とグッドの手文字をもらう。やっぱり、笑顔がまぶしくてちょっと笑ってしまう。
ふと、後ろを見ると、悠然と飛んでいる君がいて、自然と視線が吸い寄せられた。
授業が終わり、片づけをしていると、なにやら真似とももが二人とも同じものをみて盛り上がっている。
「真似ら、なにしてんの?」
気になって聞いてみると、返答は想像よりも全くと言っていいほど違うかった。
「あ、あの先生、さ、さすがにうけでごわす。ふ、腐通に考えて、あの顔はうけですよ。」
「ふふ、そうかも。でも基本はたちじゃない?」
「あれよりつよいやつにはやられるってことでごわすよね?ふふ、そそるわ、あ、ふーん?」
…まじか。
自分の目が見開いたことが感覚で分かった。二人とも口を隠してなんだか遠目で同じものーもとい先生を観察している。もうオーラがまがまがしい。っていうか腐ってる。俺はそこまでは想像したことはない。うん、さすがにね。でももしあの先生が本当にそうだったとしたら…
だめだ。想像できてしまいそうだからやめておこう。どういうわけか、冷や汗が背筋を伝ったような気がしたので、片づけの方に戻る。
一通りの片づけを終え、教室に戻る。着替えは、まあ、うん。以前と同じ…ではない。
「俊跳べた?」
今度は隼人がこっち向いている。本当に、何度目かわからないほどに鼓動がまた、高くなる。でも、どうしてか、瞳の中に映っていると、安心する。顔を見れるからか、そんなに着替えが俺の頭の中で爆発しない。
さっきの着替えだって、悩むのは後ででいい。いつも聞いているその言葉に毎度毎度落ち込んでばっかりじゃいられない。俺は、俺は好きなように生きたい。この中学校にはたまたまそういう否定的なやつが多いってだけで、他は違うってそう信じたら何の問題もない。らしく生きたらいいんだ。恋は、自由なはずだ。どうせ、生きることって、落ち込んで、またふっきれての繰り返しなんだから。
そう思って、改めて隼人の顔を見る。顔だけを見ようとしても、この目には違う部位がどうしても映り込んでしまう。そんな時は、顔を下げて地面を見つめることにした。これが一番の対策なはず。…たぶん。
「まあまあいけたよ」
「そうなん、よかったやん」
俺は、やっぱり君が。




