表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新章開始】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
六章 章タイトルはおいおいで!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1661/1663

捕獲の難しさと情報の価値!

 公儀隠密(こうぎおんみつ)に連絡を入れた。

 結果として、捕まえた吸血鬼を引き取るために御庭(おにわ)が直接やってくることになった。


 まさか現場に直接来るとは。

 この男は自分の立場をもっと考えてほしい。


 危険だと説明したが、ナギ君がいるから大丈夫だと笑って応えるばかりだ。

 電話の向こうからナギさんの小言が聞こえてきたのは言うまでもない。


 御庭たちが到着するまでの間、一人で待たねばならない。

 短時間ならいいが、長時間このまま待つのは危険だ。

 何しろ素早い吸血鬼だ。

 短時間であれば視認できないほどの速度で動く能力を持っているようだし。


 【加速】と言っていたな。

 漫画などではかなり強めの能力だ。

 以前の戦いでは使ってこなかったので、成長して身に着けたのだろう。


 俺も欲しい能力だが……。

 まあ、殺して奪うわけにはいかない。


 ワイヤーできつく縛り上げ、周囲に水を配置しておく。

 暴れてもすぐに無力化できる態勢だ。


 待っている間、吸血鬼の尋問を試みた。

 だが吸血鬼は口をつぐんだままだった。


 気絶した振りをしていたので水をぶっかけたりした。

 しかし男の態度は(かたく)なだ。


 話せば命を保証すると約束したが……。

 ぜんぜん話さないな、コイツ。


 その気になれば、もっと厳しい尋問……拷問をすることもできる。

 水責めにしたり、手段はいろいろある。


 その気になればと言ったが、その気になるわけがない。

 実際にはそんなことはしないし、できないのだ。


 殺意を向ける敵を倒すのと、無抵抗の相手を攻撃するのは違う。

 公儀隠密に所属していても、心まで冷徹な忍者になったわけじゃない。

 そういうのは俺の担当じゃないのだ。


 やりたくないことはやらない。

 初めから俺の担当はダンジョン関連で、裏稼業ではないからな。

 そういうのは専門家に任せよう。


 あまり長引くと外から敵の増援が来る可能性があるが、外にはスナバさんが控えている。

 怪しい人物の出入りはチェックされている。

 例によってガス漏れを装って封鎖しているので、このビルに一般人が入ってくる心配はない。



 それほど待たされず、すぐに御庭とナギさんがやってきた。


「やあ、待たせたね。

 そちらが例の吸血鬼だね?」

「ああ。

 伝えた通り、素早い奴だから気をつけ――」


 という俺の言葉の途中で吸血鬼が動く。

 ワイヤーでしっかりと縛り上げ、逃れる余地など残していない。


 しかし、吸血鬼はどうやってかこれを突破した。

 肉を削ぎ、骨を露出させてワイヤーを逃れたのだ。


 そ、そこまでするかよ……!


 俺は水を操って男を拘束しようとする。


 そのとき男の姿がぶれる。

 一瞬にして、御庭の前へ!

 加速したのだ!


 だが攻撃の前に吸血鬼の動きが鈍くなる。

 拘束を解くのに時間がかかり、体が大きく傷ついたためだろう。


 まだ間に合う!

 俺は水を刃に変え、男を狙う。


「【水刃】――!」


 水の刃が吸血鬼の首を掻き切る――

 その直前で、御庭が手を上げて俺を制止する。


「待つんだクロウ君!

 せっかく捕らえてくれたんだ。

 殺しちゃあいけない――!」


 その言葉を言い終える前に、御庭が硬直する。

 吸血鬼が御庭の首元に爪を突きつける。


「もらったッ!

 馬鹿め!

 こいつの命が惜しければ下がれ!

 下がりやがれェェッ!」


 吸血鬼は下衆な表情で、勝ち誇ったように叫んでいる。

 俺はため息をついて言う。


「バカはお前だよ。

 まったく、大人しくしておけばよかったのにな」

「な、何を言ってんだァ!

 道を空けろォッ!

 この男の命がどうなってもいいのかッ!」


 ナギさんが冷たい表情で言う。

 その手は御庭に触れている。


「この人の命より、あなたは自分の心配をするべきです。

 もちろん、逃がしませんが」


 ナギさんは既に御庭に触れて停止させている。

 つまり、御庭の心配はいらない。


「何を言って――」


 そう言いかけて吸血鬼が凍り付く。

 いや、()()した。


 ナギさんの異能で身動きを全く封じられたのだ。


 御庭も先ほどから停止状態にある。

 これなら、どんな攻撃も通じない。

 初めから御庭の安全は確保されていたのだ。


 とはいえ、ヒヤヒヤしたぜ。

 捕まえておいて逃がすとか、最悪の展開だからな。


 御庭の停止が解かれ、動き出す。


「終わったようだね、ナギ君」


 ナギさんが御庭の顔に指を突きつける。


「何が終わったようだね、ですか!

 だから危険だと言いましたよね!」


 御庭が爽やかに笑う。


「でも、大丈夫だっただろう?

 ナギ君とクロウ君がいれば、何事もないと確信していたよ!」

「まったく、あなたは!」


 ナギさんがしょうがないな、という顔でため息を吐く。

 俺は小言が始まる前に口を開く。


「すまないな、御庭。

 俺がもっとしっかり拘束しておくべきだった」


 頭を下げようとする俺を御庭が制する。


「いや、クロウ君はよくやってくれた!

 吸血鬼を捕らえるなんて、なかなかできることじゃないんだ!

 これは快挙だよ!

 この吸血鬼の情報で、行き詰っていた調査が進展するよ!

 ナギ君もそう思うよね?」

「そうですね。

 お疲れ様です、クロウさん」


 ナギさんが小さく笑う。


 ハルコさんの幻で隠しながら停止した吸血鬼を車に乗せ、拠点へ護送した。

ご意見ご感想お気軽に! 「リアクション」も励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
【加速アクセラレーション】かな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ