努力には報酬を! 最後まで検証を!
「おお、遂にか!
これで悪性ダンジョン領域で使えるし、付与もできるな!」と自律分身。
「うむ!」と俺。
【水圧】も戦闘で使ったが、まだ熟練度が足りないようだ。
ペットボトルからの水圧水鉄砲はなかなか使いやすい。
【操水】や【水刃】と併用すれば十分な威力が出る。
【水刃】は水忍法の攻撃の起点なので重宝する。
ありがたいぜ!
「さて、お宝を回収して帰ろうか」と俺。
火鳥の番が落とした宝箱を回収しなくてはね!
同時に二匹現れるのは厄介だが、報酬もダブルで旨い。
「あと、火鳥さんの卵あります!
木の上なので、お願いしまーす!」
「お、そうだな。
登るついでにアカシアの素材も少し集めておこう」と俺。
火鳥の巣はアカシアの大木の上にある。
帰還モノリスのすぐ近くだ。
トウコがよだれを垂らしながら言う。
「今日のご飯は焼き鳥がいいっス!」
「いいですねー!
帰ってごはんにしましょう!」
「うむ!」
「じゃあ俺はこのあたりで消してもらって……。
いや、入れ替えの術を限界まで使い切ってみるか!」と自律分身。
「わあ、さすが分身さん!
それなら無駄がありませんねー!」
「店長らしいケチさっスね!」
「誉め言葉だな!」と自律分身。
さすが俺といったところだ!
自律自賛!
「じゃあ、俺に術をかけてくれ。
直後に俺からも【入れ替えの術】をかけてみたい」と俺
「よし――入れ替えの術!」と自律分身。
気づけば目の前の景色が変わっていた。
へえ、こんな感じなのか。
自分が術をかけられるのは斬新な経験だ。
向かい合った状態で術をかけられたので、今俺は自律分身に背を向けた状態になっている。
振り向いて集中し、自律分身をロックオン。
狙って集中する時間が必要なので、少しタイムラグがある。
当然、ちゃんと発動した。
「よし!
当たり前だが、そっちの術のクールダウンは俺に影響しないな」と俺。
「そうだろうな。
俺の魔力残量はかなり減ったはずだが、魔力酔いは起きていない」と自律分身。
リンがホッとしたように微笑む。
「それはよかったですー!
痛くなったり、気持ち悪くならずにすみますね!」
「てことは、魔力が切れたら塵になって消える感じだろうな」と俺。
「んじゃ、もう一発!
そろそろ消えると思うが……。
俺が消えてから術が発動したりしないよな?」と自律分身。
【入れ替えの術】を使った術者が消えた後に、位置交換するってことか?
うーん……。
「その場合は不発になると思うが……。
念のため俺にかけるのはやめてくれ!
分身を出すから、そっちと入れ替えてくれ」と俺。
「おう!
――入れ替えの術!」と自律分身。
術が発動し、分身と自律が入れ替わる。
そして自律分身が塵になって消えた。
分身は普通に残っており、問題はなさそうだ。
「あ、二号が消えたっス!」
「ちゃんと発動してから消えるんですねー!」
俺は周囲に敵影がないことを確認してから言う。
「ちょっと意識を受け取るぞ!」
自律分身の意識が流れ込んでくる。
先ほどの戦闘シーンは皆の説明通りだった。
三人での連携は鮮やかに決まっている。
自分の体感として戦闘を味わえた。
自分が参加できなかった戦闘の経験を受け取ることで、次に同じ状況があっても同じように連携ができる。
もちろん経験値の一部も俺に還元される。
いいことづくめだ!
【意識共有】はかなり重要である。
ひとまずスキル付与の実戦投入は成功に終わった。
思ったよりずっと、使い勝手がいい。
いろんな応用が利きそうだし、攻略が楽しくなるね!




