お宝探検隊、出動!
トウコは滝から離れた場所を、俺は滝周辺を調べている。
水探知や岩石探知を併用してじっくり探す。
滝が流れる断崖絶壁を登ってみたが、熱水晶が多いばかりで収穫はなし。
上にないなら下か?
意識を水中に向ける。
「ん……あったぞ、トウコ!
滝壺になにかありそうだ!」
「おーっ!?」
「たぶん、宝箱だ!」
滝壺を覗き込むが、底の様子は分からない。
肉眼では深すぎて底は見えない。
集中して水探知で探る……。
ごうごうと流れる滝によって、滝壺には水泡が入り混じっている。
流れも強く、早く、複雑だ。
水を感じるのは難しい。
水底の岩と水の流れから違和感の正体を探り出す。
水を押し返す形は……宝箱だ!
「マジっスか店長!
お宝ゲットっスね!」
「とはいえ……こんなのどうやって取るんだよ!?」
滝の水量は豊富で、次々と流れ落ちてきて途切れることがない。
【操水】でもち上げるにはちょっと量が……!
俺は困り顔でトウコを見る。
「……さあ?」
トウコはへらりと笑って肩をすくめた。
俺は試しに【操水】で、水を押しのけようと試みる。
「【操水】!
ぐぬぬっ……!?」
「ファイトっス、店長!
パワーでなんでも解決っス!」
無茶を言いよる!
そういうのはスーパーパワー持ちがやることだ。
俺の能力はそんなにダイナミックじゃない。
だが、やってみよう。
スキルに力を込めてみる。
魔力の消費量が増え、体への負担が高まる。
だが……重い!
圧倒的水量!
滝から叩きつけられる湯の量が多すぎる!
「ぬおおっ……って、ムリだ!」
ダメだ。
俺は術を解いて、激しく息を吐く。
自然には抗えない!
「あーっ!
惜しいっス!」
「いや、ぜんぜんムリだったわ!」
滝を割るくらいはできた。
しかし、滝壺の底までは届いていない。
俺が操った水は、あっという間に凄まじい水流に飲み込まれてしまった。
深さもあるから、大量の水を押しのけなければならない。
川の水を曲げて川底を歩いたこともある俺だが、これはムリだ。
量が多すぎるし、勢いがありすぎる!
川の場合は深さがさほどではなかった。
自分の周りの水を操れば、左右に割くこともできる。
しかし上から下に流れ落ちる滝では、水を割っても意味がない。
ましてや滝壺には深さがあり、そこには水が溜っているし……。
自分の体の周辺だけ押しのけるなら……いや、水温が熱すぎて危険だ。
「くそ、パワーが足りないか……!」
力押しでは全く歯が立たない。
目の前に宝が眠っている。
だがそれを阻むのは、このダンジョンが生み出した圧倒的な自然の力。
しかし見つけたからには手に入れたい!
これまでの傾向から、大した品じゃないことは予想できる。
でも気になるんだよな!
さて、どうやってこの宝箱、手に入れてやろうか……!
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