フラグ回収は破砕手榴弾で! その2
素材に光が集まり、新アイテムが姿を現す。
でき上ったのは、現代の手榴弾によく似た代物だ。
「完成したぞ!
安全装置付き熱グレネードだ!
一応、破砕手榴弾になるように外側を薄い金属で覆っているぞ!」
「おおっ!
さすが店長、仕事が早いっス!」
「うむ。
この被覆金属は衝撃から水晶を守る役目を果たす。
さらに、簡単に砕けるよう凹凸をつけているんだ」
「フラググレネードっスね!」
「で、ここが工夫のポイントだ!
水晶と被覆金属の間には十分な隙間を設けている」
「スキマっスか?」
「ああ、このスキマが重要なんだ。
熱水晶と金属の間に空気が入るようにしている。
つまり、熱水晶に最も近いのは空気ということに……」
トウコが俺の手から手榴弾を奪う。
「ちょうどゴブリンが来たっス!
説明を聞くより、使ってみるのが早いっス!」
「おいっ!
ちゃんと話を聞けっ!」
トウコがレバーを握り、安全ピンを抜く。
映画やゲームの知識でやっているんだろうが……。
教えなくてもできるんだよなあ、こういうことは!
「てーいっ!」
トウコが手榴弾をゴブリンの一団へ投擲する。
今度もいいコース!
「おい、さっき言っただろ!
今回のは破砕グレネードなんだよ!」
「うぇっ!?」
トウコが目を泳がし、転がったグレネードを眺める。
普通の熱手榴弾のしょぼめの爆発に慣れてしまって、近くに投げすぎている。
破片から身をかわす距離が足りない!
「近すぎるんだよ!
伏せろーっ!」
「どわーっ!」
俺はトウコをかばうように押し倒す。
その瞬間、手榴弾が破裂する。
「ウギーっ!」
「アギャー!」
ゴブリン達が爆発に巻き込まれる。
その体に勢いよく飛び散った破片が突き刺さる。
うまくいった!
ちゃんと破片が飛び散っている。
しかし、その破片の殺傷範囲に俺たちもいるのだ!
「うおおーっ!?」
「ひえーっ!」
熱と破片が吹きすさぶ。
水の盾の硬い表面が破片を防ぐ。
あ、あぶねえ……!
俺はホコリを払って立ち上がる。
「安全装置を付けたのに、危ない使い方をするんじゃねえ!」
「ごめんっス!
思ったより、ぜんぜん凄かったっスね!
いやー、さすが店長!
よっ! 日本一の忍者っス!」
「ホメてごまかすな!
しかし威力は十分だったな!」
ゴブリンの引き換えアイテムより強力だった気がする。
勘違いではない。
破片の威力はさておき、爆発力も強かった。
熱水晶の質が違うのかもしれないな。
これは、使い方さえ誤らなければ強力な武器になるだろう。
良い子は爆弾で遊んではいけないよ!




