フラグ回収は破砕手榴弾で!
左手で水、右手に刀の戦いを続け、二十一階層を周る。
地図埋めは順調だ。
「あっ!
宝箱っスよ店長!」
「よし、俺が開けるから下がっててくれ」
分身を出して、いざオープン!
罠の類はなくすんなりと開いた。
さて、中身は……。
「これは……熱水晶だな!」
「石っスかー。
あ、これでグレが作れるっスね!」
「グレネードか……。
それは赤ゴブリンの魔石で引換えられるし、これは別の使い方をしたいが……」
近くの物体を熱する効果は色々便利そうだ。
トウコがくいっと片眉を上げる。
「そースか?
ゴブグレが微妙なだけで材料から作ればマシになるかもしれないっスよ?」
「ふむ……一理あるな」
「そーっスよ!
ゴブリンの粗悪品じゃなくて、店長が作ったグレならいけるかもっス!」
おだてよる。
作らせてグレネードを使いたいんだろうけど……。
「じゃあ、作ってみるか。
でも爆発物だから扱いは慎重にな!」
「へへ、わーってるっスよ!」
わかってなさそうな顔でトウコが言う。
まあ、心配のし過ぎか。
いくらトウコでも手榴弾の扱いくらいわかるだろう。
作ってみるか。
さいわい、材料はある。
必要な材料は熱水晶と魔石だけだからな。
素材の力を活かして……。
いや……違うな。
それではゴブリンの熱手榴弾と変わらない。
ゴブリンの熱手榴弾はただ爆発するだけ。
持ち主すら巻き込んでしまう。
それじゃあ駄目だ。
安全装置が必要になる。
材料は変えようがない。
それなら、付け加えるのはイメージだ。
人間が作る手榴弾には安全装置がある。
現在の手榴弾では安全ピンとレバーが用いられている。
レバーを握らなければ安全ピンが抜けない。
ピンを抜いてもレバーを離さなければ爆発はしない。
レバーを握ったままの状態なら、ピンを刺し直せば安全な状態に戻すこともできる。
ピンを抜いてから数秒後、起爆する状態になる。
時限式信管という仕組みだ。
もちろんこれは複雑な仕組みだ。
しかし、細かいことを考える必要はない。
忍者といえば爆発!
忍ぶことなく大爆発するのが常!
そういうわけで、いい感じの手榴弾を頼むぜ相棒!
【忍具作成】へと意図を伝える。
爆発物は難しい?
それなら爆発の術を取れって?
【上級忍術】の【爆発の術】か……。
ずっと無視してきたけど、取るポイントはないんだよな。
そういうのがなくても、忍者ならできるだろ。
煙幕やかんしゃく玉の類はこれまでも作ってきたし。
ああ、いつもは花火などの火薬を素材にしてるんだっけ。
それに時限信管は難しい?
「信管……火薬か」
「火薬ならあるっスよ!
ほい、あたしの弾丸っス!」
トウコが差し出してきた弾丸を受け取る。
火炎瓶などはトウコの弾丸を材料にして作っている。
「弾丸の雷管があれば……」
材料に弾丸も加えよう。
クギなどの金属もプラスして再度チャレンジだ。
どうかね、忍具作成君!?
え?
雷管と信管は違うって?
信管には雷管が組み込まれていて、もっと複雑なものだが……。
まあ、技術的なことはいいじゃないか。
似たような材料はある!
ほっといても爆発するファンタジーな素材もある!
【薬術】ちゃんだって、ポーションなどの不思議素材があれば不思議な薬を作れるんだ。
【忍具作成】君にできないわけがない!
みんなやってることだし、大丈夫だぞ!
さあ、レッツトライ!
――成功の手ごたえ!
安全装置付き熱グレネードができあがったぞ!
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