水と刀の両立!
熱水晶の手榴弾、槍についての検証が済んだ。
近くの物体を熱するのが、その効果だ。
「さて、次は本命、新装備の検証だ!」
「あたしの背中は冷え冷えっス!」
着物の背中に仕込んだ氷水はまだ溶けきっていないようだ。
一時間くらいは持ちそうだな。
「水が温くなったら濃霧で冷やすから、言ってくれ。
俺の装備を検証するぞ!」
「店長の装備って、さっきのヘンテコ手袋っスか?」
「それもそうだが、こっちだよ!
圧力感知式の放水グローブだ!」
俺は手袋をはめた手をトウコに見せる。
「おおっ!
なんだかビームでも出そうな感じっス!」
「当然、出るのは水だけどな!」
ぴゅっと水を飛ばしてみせる。
自律分身が前方を指差す。
「おい、ちょうどいいところにゴブリンが来たぞ!」
ちょうどいい被検体が来た。
ゴブリンの一団に左手を向ける。
「んじゃ、さっそく!
――【操水】プラス【水刃】!」
管に水圧をかけ、水鉄砲の要領で水が射出される。
【水刃】で固めた水が飛ぶ。
これぞ、水の矢だ!
「アギッ!?」
水の矢がゴブリンの喉元に突き刺さる。
ゴブリンが倒れ、塵に変わる。
「おおっ!
一発っス!」
「おお、これは威力十分だな!」と自律分身。
そう言いながら自律は放水銃のノズルを絞る。
足元に水を撒きながら後退していく。
そこへ赤ゴブリンが走り込んでくる。
水の上にさしかかったところですかさず水を操って足を掴む。
ゴブリンがつんのめり、顔面から地面に叩き付けられる。
「ベギャッ!」
「ていっ!」
後頭部に刀を叩きこみ、塵へ変える。
ゴブリンの一匹が手榴弾を投げようと振りかぶる。
「うらっ!」
「ギッ!?」
トウコが放った弾丸がゴブリンの手元、握り込んだ手榴弾を打ち抜く。
手榴弾が赤熱し、爆発。
「ナイスだトウコ!」
赤ゴブリンが炎上し、倒れ込む。
そしてそのまま塵に変わる。
至近距離で爆発すれば十分な火力がある。
熱が集中したのだ。
俺は走り込み、次のゴブリンを斬り捨てる。
「ウギッ!」
ゴブリンが槍を投擲。
空を裂いて飛んでくるそれに向け、左手を向ける。
「水盾!」
左手から飛び出した水が盾を形成。
作り出した盾を槍が貫通する。
だがこれは意図したもの。
あえて水を柔らかく固めて、熱水晶が起爆しないように受け止めたのだ。
「ファストスラッシュ!」
「……ギッ!」
逆手に握った右の刀を一閃。
ゴブリンが倒れ伏し、塵に変わった。
それと同時に盾に突き立っていた槍も塵化して消える。
「おお、いい感じっスね!」
「これなら水と刀の使い分けはばっちりだな!」
使い勝手は良好だ!




