リヒトさんへの返信と、クラフト準備!
管理コンソールのメッセージ機能を開く。
リヒトさんからメッセージが来ている。
二十階層に到達したという話。
ネタバレを避けるために保留していたが、返事を返さなくちゃな。
リヒトさん達は二十階層のボスカマキリでかなり苦戦していた。
二十一階層でも、火トカゲに手を焼いている。
「やはり課題は隠密か……」
リヒトさんのダンジョンはスケルトンが主だ。
こそこそ隠れるモンスターはいない。
そのせいか、戦い方も力押しに寄っているらしい。
俺のダンジョンは飛んだり隠れたり、特殊能力で襲ってくる敵が多い。
相性の問題だろうな。
――索敵系のスキルを持つメンバーを編成して再挑戦するつもりです。
とメッセージに書かれている。
催促されたわけじゃないが、攻略情報を書いて返信しよう。
いくつか、モンスターを発見する方法を書く。
俺たちは魔力知覚や忍法で索敵しているから、リヒトさんがそのまま使えるわけじゃないだろうけどね。
スキルを使わない一般的な索敵についても少し書いておくかな。
リヒトさんはダンジョン攻略の先輩だし、言うまでもないかもしれないけど。
それでも、違った視点が役に立つこともあるだろう。
俺にとっての当たり前が、相手にとっての当たり前とは限らない。
逆もしかり。
リヒトさんに教えてもらったことは、攻略で役に立っている。
「さて、送信っと」
これでよし。
装備の改良でもしようかな。
前回はリン用の装備を作ったので、今日は自分用の装備を作ろう。
暑さ対策の装備は……もういいか?
トウコ用には……熱水晶を使ったグレネードが作れないか試してみるか。
不注意なトウコに爆発物を与えるのは心配だけど……。
銃だって火薬の力だ。
トウコのスキルは火薬でなくスキルで飛ばしている気もするが、扱いは似ている。
手榴弾だって扱えるだろう。
心配しすぎかな。
「【操水】で水鎧が作れるようになったけど、魔力コストが高いんだよな。
それを補えるような新装備を……ふーむ」
体を包む大量の水を生成して、それを硬質化する。
さらにそれを長時間維持する。
まあ、これは無理だ。
すぐに魔力が尽きてしまう。
少量の水を操るだけなら魔力消費は軽い。
硬質化にしても、【水刃】に似せた刃を作るくらいなら難しくない。
だが鎧は面で作る必要がある。
ある程度の分量と複雑さを持つ。
腕を組み、頭をひねって考える。
まずは【水生成】から考えよう。
大量の水をその場で作るのはナンセンスだ。
事前に用意した水を使えばいい。
とはいえ、いくつもペットボトルを持ち歩くのは格好がつかないし、かさばる。
気軽に使える点で便利なんだけどね。
水を入れるタンクか……。
そういうもの、あるかな?
「スポーツイベントのビールの売り子みたいに、サーバーを背負うか?」
いや、かさばるし重いだろ。
重りを背負って駆けまわるのはちと辛い。
俺の強みである機敏さを殺してどうするって話だ。
あんな大きなサーバーはいらない。
小型で、体に密着して、かさばらないもの。
お、あるじゃないか!
使ったことはないが、見たことはある!
「ランナーが使う水補給袋だ!」
ポーチやバックパック、ベストなどに水袋を入れる。
口元のチューブから直接水分補給ができる、という代物。
手が空くし、いちいち水筒を取り出す手間がないから便利だよね。
サイクリングやロッククライミングなど、手を使いにくいスポーツでは特に需要が高い。
軍用にも使われているらしい。
呼び名は色々ある。
ウォーターパック。
ハイドレーションパック。
ハイドレーションシステム。
ウォーターブラダー。
「んじゃ、さっそく調べてみるか」
記憶を頼りに作るのはいささか心もとない。
ダンジョンを出て、ネットで調べる。
せっかくだから現物を注文して確認しよう。
値段もたいしたことはない。
数千円から、高くても二万程度。
公儀隠密の給料があるから、ケチケチしなくてもいい。
気になった商品をポンポンとカートに入れていく。
高級な品は数点にとどめておく。
参考になることもあるはずだ。
【忍具作成】の素材にするのは安物でいい。
庶民の味方、忍具作成君!
他にも各種チューブや弁、連結具、金具などを注文しておこう。
ポチっと。
これで明日には届く。
いやあ、便利な世の中だね!
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