ドバドバ索敵! 見えない敵は押し流せ!
俺が指さした方向を向き、リンが目を細める。
「トカゲさんですか?」
「ああ、たぶんな。
岩石探知の感覚と、目で見た情報に違和感がある。
しかし、これは判別が難しいな……」
岩石を探知する力の焦点を合わせていく。
むむ。
ムズい!
「間違い探しみたいで、おもしろいですよねー?
あのあたり、じゃありませんか?」
面白い、か。
慣れないせいか、難しさが先に立つ。
この作業に楽しみを見出せるなら、索敵の適性があるんだろう。
やはり索敵役はリンに任せるのがいいか。
俺は補佐的に索敵するくらいで十分だろう。
このトカゲに対しては【操水】で水を這いあがらせてもいいが……。
位置が高いのと、場所が特定できていないので別の方法を使おう。
広範囲に水をばらまけばいいのだ!
「んじゃ、確認がてら水噴射をぶっ放すぞ。
トカゲが逃げたらしとめてくれ!」
「リョーカイっス!」
「はーい」
刀を収め、両手を腰に構える。
岩壁へと大雑把に目星をつけて水流を放つ。
手から水流がほとばしる。
この水に【水探知】をかける!
触れているので感度は良好!
水が岩壁に当たって弾ける。
そして岩とは違う感触を捉えた!
いたぞ!
「む、手ごたえあり!
動いている……出てくるぞ!」
俺は水を止める。
すると岩の隙間から躍り出てくる影!
尻尾の短い火トカゲだ!
「チャージショットーっ!」
「ファイアラーンス!」
弾丸が逃げるトカゲの背を貫く。
成長したチャージショットは、少し迫力を増したように感じる。
さらに傷口にリンの放った火槍が突き刺さる!
トカゲはすぐに絶命。
塵になって消えた。
魔石が床に落ち、涼しげな音を立てる。
床に散った水から敵の反応は感じない。
水噴射で出した水もまた、塵になって消えた。
「よし、倒したな。
リン、索敵を頼む」
「はい。大丈夫そうです!」
「楽勝っスね!」
少し大きめの個体だった。
自律分身が遭遇した個体が成長した姿かもしれない。
ちょっとした因縁のある相手だったが、アッサリ倒せてしまったな。
ま、先に見つけて集中砲火を浴びせればこんなもの。
楽に倒せたんだから良し!
魔石を回収して先に進む。
岩石探知のナイフをリンに渡し、索敵係を任せる。
盾を構えつつ索敵してくれる安心感。
頼りになるね。
進むにつれて、川の水音が大きくなっていく。
ごうごうと唸るような音。
音が洞窟の壁で反響しているせいで、怪物の唸り声めいて聞こえる。
リンが不安げに振り返って言う。
「何の音でしょうかー?」
この感じ、憶えがあるな。
「これは滝の音、じゃないか?」
「そーかもっス!」
「あ、この先で広くなっていますよー!」
少し進むと、広い空間に出た。
天井は高く、上のほうは暗視でも見通せないほど暗い。
そして川沿いの通路よりもさらに蒸し暑い。
「ゼンジさん、正解でしたね!」
「滝っスね!」
俺は滝を見上げる。
高い位置から多量の水が流れ落ちてきている。
いや、流れているのは湯だ。
「おお、壮観だな!
だが、これ熱湯だぞ!?」
大量の湯が滝壺で砕けて水しぶきを上げている。
それだけではなく、もうもうと湯気が立ち上がっている。
熱湯の大滝だ!
俺のダンジョンに新たな観光スポットが出現したぞ!
ご意見ご感想お気軽に! 「リアクション」も励みになります!




