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【新章開始】社畜辞めました! 忍者始めました! 努力が報われるダンジョンを攻略して充実スローライフを目指します!~ダンジョンのある新しい生活!~  作者: 3104
五章 本業は公儀隠密で!

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反省と期待と改善と!

 戦闘を終えた俺たちは警戒しながらダンジョンの奥へ進んでいる。

 今日は川をさかのぼるように進むつもりだ。


 せっかくの火耐性が消える前に進んでおきたい。

 リンの盾は炎に炙られたものの、表面が少し(すす)けた程度。

 体のほうは無傷で済んだ。



 リンが興味深そうに俺に尋ねてくる。


「ゼンジさん。

 さっきは、霧で索敵していたんですかー?」

「そうなんだが、奥のほうはハッキリ見えないな。

 少し離れただけでぼやけた感じになるんだ」


 リンがなにか嬉しそうにうなずく。


「それ、私の魔力知覚もおんなじですー!

 離れるほど感じ取れなくなっちゃうんですよねー」


「へー、キリでもわかるんスねー!

 索敵能力は便利っス!」


「分身を先に歩かせてもいいんだけど、分身には感覚がないんだよな。

 分身知覚みたいなスキルがあればいいんだけどさ」

「ないんスか?」


 スキルリストにはなかった。

 これまで見かけたことはない。


 しかし、ないのかと改めて聞かれると……。

 ふーむ。


 俺はステータスウィンドウを確認する。

 取得可能なスキルのリストは、と。


「ふむ……やっぱりないな。

 だけど、分身系統にも知覚能力はあるべきだよな!」

「あったらいいですよねー!」


 可能性はある!

 あったらいいねが、あってくれ!


 一応、そういう意識を持って期待しておく。

 頼むぞ分身!

 俺の基本とも言えるスキルだからな。


 自律分身には人間と同じ感覚がある。

 意識まで備わっている。

 ステータスすら持っているんだ。


 普通の分身にだって、そういう機能を持たせられるはず。

 スキルにはそれができる!

 頼むぞ、忍者の可能性……!



「感知や探知のスキルを取っていれば、いずれ分身系スキルにも生えてくるかもな。

 それを期待しつつ、今日は水忍法で索敵していくぞ!」

「もやもや索敵っスね!」

「私は、どうしたらいいでしょうか?」


 いつもならリンが索敵係だ。

 今日は俺がやると言ったので、どう動けばいいか迷っているのだ。


「リンとトウコも敵に気づいたら教えてくれ。

 俺の索敵だけじゃ怪しい。

 それだけを頼りに進むのは危ないからな。

 さっきはリンがフォローしてくれたおかげで、助かったよ」


「リン姉、ナイスっス!」

「えへへ、ありがとうございまーす!」


 リンがはにかむ。


「そのあと、トウコの素早い攻撃で、槍の投擲を阻止できたのもよかったぞ」


 トウコがどや顔で鼻を伸ばす。


「へへー、さすがあたしっス!

 落とさせてバーン、ってなるかと思ったのに爆発しなかったっス」

「落としたくらいじゃ爆発しないのかもな。

 赤ゴブリンの魔石が集まったら、引き換えた武器で検証しよう」


「ゼンジさんの水忍法のカッコよかったですー。

 しゅばばーって感じで!」


 俺の走操水刃(そうそうすいじん)の術は……まあまあってところだ。

 威力はいいが、やや遅い。

 銃と競い合えるほどのスピードはない。


「ぜいたくを言えば、ゴブリンが投げる前に阻止したかったけどな。

 盾の使い勝手はどうだった?」


「前より大きいので、しっかり守られてる感じがしますー!

 少し汚れてしまいましたが、後でちゃんと修復しますので!」

「ゴブリンの武器は、盾で受けても爆発するんだよな。

 避けても地面にぶつかって燃え上がるし……」


「あの爆発は、ほとんど熱みたいですねー。

 小さな石も飛んできますが、あまり勢いはないみたいです」


 リンは透明な盾を構えて、間近で爆発を見たのだろう。

 破砕手榴弾のように、破片をばらまく武器ではないのか?


「ほう?

 爆発じゃなくて、燃焼がメインってことか」

「なら、ナパームグレネードっスね!」


「火炎瓶やナパームよりは持続性が低い気がするな。

 たぶんもっと瞬間的で……。

 熱水晶が砕けると熱が放射されて、それで盾が燃えてるのか……?」

「そうですねー。

 私も、そんな感じだと思います」


「そうなら、俺は前回みたいに水の壁で受けたほうが良かったかもな。

 あるいは、ナタでも投擲したほうが効率的だったかも……」


 【水忍法】を使う意識が強すぎたんだな。

 霧の索敵もそうだ。

 そればかりに意識を割いていては、全体が見えなくなる。


 いつもなら低階層で練習するんだけど、今回はその工程を飛ばしてしまった。

 実戦で学ぶのもいいけど、まずは準備と練習だ。

 コツコツ積み重ねた検証と訓練が俺の強みだからな!


「まー、倒せたんだからいいじゃないっスか!」

「まあ、そうだけどな。

 次に向けて考えてるんだよ」


 リンも考え込むような顔になっている。


「私も……盾が燃えてびっくりしちゃって……。

 私が余計なことを言わなければ、ゼンジさんは避けれたと思います」


「いや、しっかり防いでくれたから次の行動に移れたんだ。

 あれでいいと思うぞ!」


「やっぱリン姉は火に強いっス!

 ぜんぜんダメージないんスよね!」

「うん、平気だったよー」


 相手も火耐性を持っていそうだが、こちらにもあるのだ。


 今日は俺にも一時耐性がある!


「俺のところにも少し炎の余波が来たけど、火傷はしないで済んだ。

 まあ、リンが大部分を防いでくれたおかげだな」


 リンがホッとしたように胸をなでおろす。


「ちゃんと防げてましたか?

 それなら、よかったですー。

 あ、そういえば霧で火を消してくれたんですよね!

 自分で消せるのを忘れちゃってました!」


 いつもはできることも、緊急時にはできなくなる。

 自分ですぐ【消火】を使えれば、もっとよかった。


 しかしそれはあくまで結果論。

 実際の戦闘では理想通りには動けない。


「慌てるのは仕方がないさ。

 次は落ち着いて、それでいて素早く動けるようにしよう!」


 さて、反省完了!

 この経験を活かして、どんどん攻略していくぞ!

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― 新着の感想 ―
あれ自律分身はステータスあったっけ? 分身に知覚を持たせるのは一長一短だと思うなぁ(;´∀`) メリットはまぁ並列思考が出来れば使い捨ての索敵役に出来ることだけど、、、デメリットが並列思考が出来な…
分身と知覚や感覚の共有って、上忍のスキルのような気がする。
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