狩人の帰還! 狩ってきたのは例のアレだ!
リンの新装備を調整して、その他いくつかのクラフトを済ませる。
一息ついたところで、転送門が揺らめいた。
そこからトウコが飛び出してきた。
「ただまーっス!」
相変わらず元気いっぱいな様子。
ケガもなさそうだ。
「おう、おかえり。
二人はどうしたんだ?」
「草原ダンジョンでご飯の準備してるっス!
あたしはヒマなんで、呼びに来たっス!」
いや、調理を手伝ってもいいんだぞ!
「そうか。
こっちも装備の作成が終わったところだ」
装備品展示ラックに鎮座する、二つの真新しい盾。
それを見たトウコの目が、きらりと輝いた。
「おっ!?
これが例のブツっスね!
これなら見た目も悪くないっスね!」
トウコから見ても問題はないようだ。
悪いところがあれば、トウコは遠慮なくケチをつけてくる。
公平なジャッジをしていると言える。
「うむ。
じゃあ、草原でお披露目会だな。
さ、移動するぞ!」
盾を忍具収納に入れる。
「りょっ!
リン姉がよろこぶ姿が目に浮かぶっス!」
草原ダンジョンでは、リンと自律分身が料理しているところだった。
「あ、ゼンジさん。
こちらは無事に戻りましたー」
「おう、おつかれ。
無事に火鳥を倒せたみたいだな」
俺が尋ねると、リンが笑顔でトウコを示す。
「はいっ!
トウコちゃんがすごーく活躍したんですよー。
それに弾切れを気にせずに援護してくれたおかげで、私も魔法に集中できましたー」
トウコが待ってましたとばかりに胸を張った。
満面のドヤ顔。
「へへー!
【弾薬創造】と【弾薬収納】のコンボ、撃ち放題で最強っス!
で、パワーアップした【チャージショット】でぶち抜いてやったっス!」
自律分身がうなずく。
「さらに威力が上がった感じだったな!
鳥は試し撃ちにはちょうどよかった。
俺はサポートしただけで、危なげなく勝てたぞ」と自律分身。
「ほう、記憶のフィードバックが楽しみだな」と俺。
「やはり火力っ!
火力はすべてを解決するっス!」
やっぱり銃は強い。
弾丸不足の弱点がなくなったのは頼もしいな。
「それで、戦利品は?」
「はい、こちらが火鳥さんの羽根です!
とっても綺麗ですよー」
リンが差し出したのは、燃えるような赤色の羽根だ。
これも素材として利用したいところだ。
火属性の火鳥のものだし、使いどころがありそうだ。
さらに、トウコが大げさな様子で大きな卵を差し出す。
「じゃじゃーん!
これがお目当ての品っス!」
「おお、卵が手に入ったんだな!」
リンが笑顔で言う。
「そうなんですー!
今日はこれを使って【火耐性】がつく料理を作ろうと思いまーす」
リンは【嫉妬】によって一時的なスキル効果を生む料理が作れる。
火鳥の卵からは【火耐性(一時)】の効果が得られるのだ。
これは前にも試した。
「たしか、効果は一時間だったよな」
「はい、そうですねー」
「となると、食ったらすぐ出発しなきゃならないな」と自律分身。
「ふむ。
それだと、ちょっとせわしないな」と俺。
リンが言う。
「では、収納に入れて、ダンジョンで食べますか?」
「そうだな。
あ、なにか作りかけていたんじゃないか?」
俺の言葉に、リンがパタパタと手を振る。
「いえいえ。
まだ卵には手を付けていないので大丈夫ですよー」
「それなら、持ち運べる料理がいいな」
「では厚焼き玉子とおにぎりにしますねー」
もう米は炊き上がっている。
ダンジョンでは炊飯器が使えないので、土鍋で炊く。
昔ながらの炊事方法だ。
外で炊いたコメを持ち込んでもいいが、こうして作ったほうがおいしい。
ふっくらとして美味いんだよね。
「じゃあ、先にサラダを食べていこう。
もう作っちまったからな」
自律分身がテーブルに、ボウルに入れたサラダを置く。
トウコがイヤそうに舌を出す。
「うぇー?
サラダだけじゃムリっスよ!」
リンが微笑む。
「じゃあ、カリカリに焼いたウサギさんのお肉を乗せましょう」
すぐ焼くから、待っててねー」
ウサギ肉を取り出し、焼こうとするリン。
おっと、すっかり話のペースが料理に持っていかれてしまった。
装備の話をせねば。
すぐ出発するなら、先に説明を済ませておきたい。
俺は手をあげ、割って入る。
「リン。
出発前に新装備の試着をしてもらいたいんだが、いいか?」
俺は装備の説明を始めた。
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