キチンとチタンとキッチンと!
いよいよ、正式版の装備を作るぞ!
フライパン・トンファー盾を改良していく!
俺が装備を作っている間、三人は草原ダンジョンへ。
リンとトウコ、そこに自律分身を加えた三人だ。
仲良く火鳥を目指して旅立っていった。
「まずはフライパン側から!
いくぞ、忍具作成君!」
作るべきイメージはできている。
あとは心の友にイメージを伝えるだけ。
全体の形状は従来のトンファー盾に近い。
品評会のときは鍋部分を楕円形に変えようと思ったが、そうする必要はない。
鍋部分の円形はそのまま使う。
そこから柄の先端まで線を結んで、その範囲にポリカーボネートを足す。
ひし形に近い形状になるな。
金属部分の素材は軽量で頑丈なチタンを採用。
さらにファンタジー素材である『上質な鉄鉱石』を混ぜる。
トンファーの握り手部分は、着脱式のアタッチメントとする。
バックラーのときに考えた折り畳み機構は採用しない。
トンファー風にするために柄の部分は曲げられないからね。
内側だけ折りたたむようにもできるが……。
そうすると複雑になるので見送る。
柄のアタッチメントは鍋の縁に四か所で固定。
固定箇所を多くすることでガタツキと強度の問題を克服する。
付与は強度強化!
さらに軽量化!
【中級忍具作成】の二段階なら、二つ付与できるのだ。
ファンタジー素材だしね!
現実素材も混じってるって?
ケチなこと言いなさんな!
できる! やれる!
ドゥーイット!
これで頼むぜ、忍具作成君!
忍具作成が俺の意図を汲み、より洗練された形を提案してくる。
さすが相棒!
それでいこう!
「よし、完成!
続けてフタ・トンファー盾にかかるぞ!」
こちらはフライパンより簡単だ。
これまでのトンファー盾の形を変えるだけ。
材質は透明なポリカーボネート製だ。
これで【モデル】スキルを阻害しない。
さらにファンタジー素材としてカマキリの前脚を使う。
カマキリの外骨格はキチン質だ。
これを細かくして混ぜ込む。
目に見えるような細かさじゃなく、溶かし込むイメージだ。
現実素材としてキチンナノファイバーというものがある。
透明性も損なわない最高の素材だ。
生物由来なので安全性もバッチリ。
カマキリ素材の調理器具はちょっとイヤだが、どうせフタとしては使わない。
握り部分には工夫がいる。
トンファーの形状で、そのままの長さだとフタとして使ったとき鍋に干渉して閉められなくなる。
可動式や回転式にしてもいいが、強度が不安だ。
捻じ込む方式にしよう。
フタを閉めたとき接触しない程度のオスねじをつける。
握り手にはメスねじ。
これをグリグリ回して脱着する。
この脱着は面倒なので、実質フタとしては使えない。
それでいいのだ。
調理器具という体を最低限装っているだけ。
もしもスキルが発動しなければ、また改良すればいい。
その場合はフライパントンファーと同じ四点固定アタッチメント方式にするつもりだ。
付与は強度強化と軽量化の二つ。
きちんとカマキリのキチン質を使っているから大丈夫!
忍具作成が成立し――完成した。
今日もグッジョブだぜ、忍具作成君!
俺は二つの新装備を手に取って構えてみる。
鏡に映してみても、不格好ではない。
フライパン鉢金のおかげで、初心を思い出せた。
ファッション性も結構、大事なんだよね!
「さて、ひとまず見た目は悪くない。
使い勝手は……まあ、問題ないな!」
左右で色違いになるのがオシャレポイントだ。
金属部分は艶消しの銀色とした。
せっかくのチタンだしな。
暗所で目立って困る局面があれば黒に変えよう。
パーティプレイをしていると、暗闇に隠れる状況は少ない。
ソロプレイなら全身真っ黒の映えない装備にするんだけどね。
まあ、俺は今もそんなカラーリングなわけだが。
さて、テストしよう。
分身に打ちかからせ、盾で攻撃を防いでみる。
「よし、強度は問題ないな」
素材を変え、厚みを増したことで頑丈になった。
鉄より軽いチタンなので、重量は少し増えた程度。
「構え方は……こうかな?
普通のトンファーと比べると、少し変わるな」
フライパンの鍋部分が大きいので、使用感が違う。
従来の盾トンファーより横に張り出す感じだ。
以前の構えで顔の前で両手を上げると、ボディーのガードが開いてしまう。
肘を寄せたり、上下にずらせば前より広い範囲を守れるだろう。
思ったよりもちゃんとしたものができた。
この装備が、しっかりとリンを守ってくれることだろう。
試してもらうのが楽しみだぜ!
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