眞木桜/レンジャー隊 門司第2小隊 副隊長(ブルー) 兼 パワー型(イエロー) (3)
突然現われた釜山の違法「正義の味方」は、何か呪文を唱え出し、なんか、あたしの強化装甲服の大型金属腕が光り出した……ような気がする。
そして、その光は相手の義手も包んでいき……。
「がぁっ‼」
「えっ?」
あたしの強化装甲服の大型金属腕にかかっていた負荷が、突然消えて、体のバランスが崩れ……。
え? 何?
相手は、自分の義手を強制除装……って言っていいのか、これ?
義手が地面に落ちて、肩口から血ってより腐汁にしか見えないモノがドバドバと……あと……「気」だか何だかも吹き出してるように見える。
そして、釜山の違法「正義の味方」が何か叫ぶ。
次の瞬間、あたし達の前に半透明な緑色の壁が出現し、相手の肩口から生えた「気」だか何だかの腕を防いだ……ように見えた。
「何、これ、前に有った、迂闊に傷付けたら、自分らの仲間が居る世界への『門』だか何だかを……」
「もっと悪いっす」
日本側の違法「正義の味方」が……えっと、何つ〜か「あ〜あ……」って感じで、そう言った。
「何?」
「もっと簡単に自分のお仲間を呼び出せるタイプみたいっす」
「えっ?」
「観えます? 呼び出したお仲間で『気』の腕を作り出したのが……」
「ど〜すんだよ、そんなの? 勝目有……」
「時間との勝負ってヤツっすね……」
轟……。
日本側の違法「正義の味方」は炎に……釜山の違法「正義の味方」は緑の光に包まれたように見えた。
そして……日本側の違法「正義の味方」の強化装甲服の体の各部に描かれたファイヤーパターン風のアレンジがされた梵字や呪文が光を放っているように見えた。
続いて、2人の違法「正義の味方」と擬似ゾンビが同時に何かを叫び……そして……。
多分、本当に光が放たれたんじゃなくて、「霊感」ってヤツで、そう見えてんのだけは判る。
でも……思わず目を瞑っちまう程、強烈な光を感じた……ような気が……。
マジか……ホントに、これ、霊感か何かか?
瞼を閉じてんのに……何かが見え……。
炎と緑の光がドス黒い何かを消し去り……あれ? 何か……変なモノも見え……。
「え? あ……まさか……すいません、目ぇ瞑って、あたしの方を見て‼」
え? 何、訳の判んね〜事言って……。
いや……見える……目を瞑ってる筈なのに、色んな光や闇が……。
「オン・マリシエイ・ソワカっ‼」
日本側の違法「正義の味方」とは、腐れ縁みて〜に何度も成行きで仕事をしてきたが……そんな中で、何度も何度も何度も聞いた覚えが有る呪文が……。
えっと、たしか……気配を隠す系の……。
目を明けると、日本側と釜山の違法「正義の味方」が話してて……韓国語なんで、何言ってるか判んね〜けど、口調からしてマズい事になってるらしい。
「おい、何が起きてるッ⁉ 説明しろッ‼」
「マズい事になりました」
「だから、何がだッ⁉」
「あの……姐さん、何度も何度も何度も、この手の事件を担当しましたよね?」
「だから、それが……何かマズいのか、それ?」
「そのせいで……『観える』ようになったみたいっす。少しづつ……えっと、それで、今、たまたま、何つ〜んですかね? 理系用語で言やあ『閾値を超えた』みて〜な事になったらしくて……」
「な……何がだよッ? 何が見えるよ〜になったんだよッ?」
「実体が無い悪霊とか魔物とか……」
「はぁっ?」
「で、知ってますよね……奴らは観える人間に、それも、観る能力を制御出来てない人間に引き寄せられるって……」




