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荒神録:Take Your Tyrant  作者: HasumiChouji
第一章:釜山篇
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3/10

関口陽/違法「正義の味方」アータヴァカ (1)

 あたしが生まれる前とは言え、いわゆる異能力者の存在を一般人も知る事になってから……そして、その中でも「魔法使い」「呪術師」「霊能者」の人数に至っては「当事者達自身が、自分達で予想していたより、自分達の同類が2〜3桁多かった」事を知ってから、30年ぐらいしか経ってねえ。

 だから、魔法だの呪術だの霊能力だのについて、使える当事者自身が未だに良く判ってない。

 ある流派では「常識」だった事が、別の流派では全く知られてなかった、なんて、まだまだ、良く有る事だ。

 ガチで齢が10違えば「子供の頃は才能が有るように見えたのに、結局、修行してもモノにならなかった」なんて悲劇を避けられたかどうかが、全く違ってくる。

 発展期と言えば(いやあ)聞こえはいいが、今日の常識が5年後には間違いだった、と判る可能性も、かなりデカいって事だ。

 特に、一般人(例えば、ここに居るよ〜な異能力犯罪専門の警察官とか)がマジック・アイテム的なモノを使う場合のノウハウとやらは……絶望的に足りてねえ。

「そんなの有りかッ? 何で、こうなるッ?」

 霊力を込めた狙撃銃の弾が、擬似ゾンビの胸に大穴を空けたはいいが、その傷は、あっさり塞がった。

 多分、骨までは再生してねえが、もう、人間じゃないモノに成りかけてるんで、あたしらにとっては、ともかくとして、御本人にとっては問題有るまい。

「例のクスリを使ったせいで、危険(ヤバ)い悪霊や魔物を呼び寄せても、どんなタイプの奴らがやって来るかは、人によって違うんですよ」

「はぁ? マジかよ? 聞いてねえぞ、そんな話ッ‼」

「だって、あのクスリは、使った奴の霊力とか霊感を暴走させるモノなんで、使ったヤツの霊力のタイプが違えば、違う種類の魔物(モノ)を呼び出しちゃうんですよ……って、あ〜ッ‼」

 空中に……観えた……。

 あたしらの流派では、いわゆる「霊視」に関しては、普通の「見る」と「観る」を区別してる。「見る」は理系用語でいうパッシブ・センシングで、「観る」は同じく理系用語で言うアクティブ・センシングだ。理系用語を聞くと蕁麻疹が出る体質のあたしが言う事じゃねえが。

 早い(はええ)話が、「観る」方が得られる情報は多いが、相手に気付かれる危険性も爆上がりする。

 そして、あたしが「観た」モノは……霊力を込めた銃弾の跡……。

 もちろん、これは「気配」なんかを、あたしの脳が無意識の内に変換してるだけで、実際とは色々と違うモノなんだろうが……。

 けど……1つだけ言える事が有る。

「弾に込めた霊力が弱過ぎたんだろ」

 お隣に居る警察官さんは、狙撃手と無線通信してるらしいが……。

「いや、逆っす……」

「へっ?」

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