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真実と旅をしよう。  作者: 暁狐うきょう
2章 タイムリミット

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暗号

 ――Kと名乗る人物が送ってきた動画で、Kはある提案をしてきた――


「そういえば、まだ居場所を伝えていなかったね。あ!でも、普通に居場所を伝えるのは面白くない。う〜ん……じゃあゲームをしよう!ゲームの内容は、今から24時間以内に私の居場所を見つけ出し、彼氏くんが一人でここに来れたら彼女を無事に解放しよう!動画はあと二回送るよ!さぁ!ゲームスタート!」


 Kの口調は、まるで楽しんでいるの様な口振りだ。

 そこで動画が終わり、少しの沈黙の後、御影は静かに苛立つ。


「……ゲーム感覚で楽しんでるな……」


「こいつ……やべぇな〜……」

 

「許せない……!必ず見つけ出す!」

 

 前田は拳を強く握りしめ、御影の方を真剣に見つめ言う。


「馬酔木さん……お願いです!Kの居場所を見つけてください!」


「……分かりました。とりあえず、Kの居場所を見つけ次第警察に通報する……」


 そう言った御影だが、あまり気分が良くない様子。

 その様子が旭は気になり横目で御影を見つめていた。


「それじゃあ、始めましょうか……。前田さん、この動画を私のPCに送ってもいいですか?」


「はい、分かりました……!」


 早速、誘拐された高峯の捜索に取り掛かる。

 御影は前田のスマホを受け取り、デスクのPCに動画を転送した。転送した動画開き、手がかりを探る。前田と旭もデスクに移動し、動画を再度確認する。

 送られてきた動画の背景、暗くハッキリとは分からないが廃墟に見えた。


「……ここは廃墟か……。何の建物だ……?どこの廃墟か分かればすぐ分かりそうだな……」


「……う〜ん……なんか廃墟分かるサイトみたいなのないの?」


「馬鹿か……そんなものある訳ないだろ……」


 御影は呆れたようにそう言った。

 するとスマホで動画を見ていた前田が口を開く。


「……なんか見た事ある様な……?」


「本当ですか……!思い出せますか?」


「いや……気のせいかも知れません……」


「そうですか……。何か思い出したら、すぐに言ってください」


「分かりました……」


「……ん?」


 御影は動画を再生して、その動画に何か違和感がある様に思えた。


「……どうしたの?」


「いや……何でもない」


 御影はこの動画に確かに違和感があったが、それをどう言葉にしていいか分からず、旭には伝えなかった。

 

 ――その後、一時間ほど経ったがあまり収穫はなかった。分かったことといえば、Kはある廃墟で高峯を拉致監禁しているということだけだ――


「……これだけじゃあ、手がかりが少なすぎる……」


「……動画は残り二回か……。どのタイミングで送ってくるんだ……」


「……う〜ん……ねぇ、この廃墟さ……学校じゃない?」


 動画を見ていた旭がそう呟いた。それに驚いた御影は旭に問いかける。


「……学校?」


「暗くてよく見えないけど、動画の一部を加工して明るさを変えると……ほら、カーテンが閉まってるけど窓の形とか……学校に見えない?」


 旭が御影に加工した写真を見せる。それを見た御影は旭の意見に納得した。


「確かに……これは学校だな……!」


「……学校……」

 

 すると突然、また前田のスマホが鳴った。スマホを見ると新しい動画が添付されていた。その動画を御影のPCに転送し三人は動画を確認する。


「やぁ、Kだよ!俺がどこに居るか分かったかな?分かんないか!馬鹿だもんね!そんな頭の悪い彼氏くんにヒントをあげる!ここ書かれている暗号がヒントだよ!さぁ、早く見つけてあげないと彼女さん死んじゃうよ〜!それじゃあ、またね〜!」


 Kは前田を挑発する様な言い方で特定を急かした。Kから送られてきた動画の背景にはこう書かれていた。

「一-五 七-一  一-四 十-三 八-三 九-三 三-一 五-一 一-二 七-三 二-三 一-二 十-三 一-三 二-四 九-五」

 これがKからのヒントだ。


「なんだ……このヒント……。この暗号を解けば、Kの居場所が分かるのか……?」


 御影は増々頭を悩ませた。すると旭が何かに気がついた。

 

「……ねぇねぇ!やっぱりここ学校だよ!ヒントが書かれてるやつ、黒板じゃん!」


 旭の言葉に御影は驚き、動画を凝視する。

 

「え……?……本当だ……!……暗号を気にしすぎて、そこに気がつかなかった……」


 いつもは鋭い洞察力を持つ御影だが、今日はいつもと違う。視野が狭いように思えた。そのことが気になっていた旭は御影に問いかける。


「……ねぇ、みかちゃん……」


「……あ?なんだ……?」


「いつものみかちゃんなら、これくらいすぐに気づきそうなのになんか……今日はちょっと違うね。本当に大丈夫?」


「……気のせいだろ……。俺はいつも通りだ」


 旭はやはり、いつもとは違う御影の雰囲気から、まだ今朝の夢を引きずっているんだと察した。


「俺の事はどうでもいい。……まずKがいる場所が、学校だと確定した。とりあえず、廃墟となっている学校を調べる。それは旭にお願いする。俺は暗号を解く事に集中する」


「分かった……」


 前田は()()と言う言葉を聞いてから、落ち着かない様子で俯き黙っていた。

 そして、御影は暗号を。旭は場所の特定に取り掛かる。


「う〜ん……この辺で廃墟になった学校ってあったかな?」


「……もしかしたら東京じゃないかもな……」


「うわ……マジか……だったらタチ悪いな〜……」


 旭はKのいる場所が、どの学校なのか特定するのに苦戦していた。

 御影はホワイトボードを引っ張り出してきて、暗号を

書き写す。暗号、場所の特定、動画の謎の違和感。考えることが多く、あっという間に一時間が過ぎた。


「不味いな……早く解かなければ……時間が惜しい……」


 御影は焦りからか、少々手こずっている様だった。

 

「だぁー!……これだけじゃ、どこの学校かなんてわっかんねぇよ!」


 旭も中々場所の特定が出来ない様だ。ソファで座りながら、体を伸ばした。すると御影に体を向ける。


「ねぇ〜みかちゃん!」


「……何だよ……?」


「役割交代しない?」


 そう言うと旭はホワイトボードの前に立ち、マーカーペンを握った。


「いいけど……お前解けるのかよ……」


「やってみなきゃ、分かんないだろ〜……う〜ん……」


 旭はペンを顎に当て、頭を悩ます。この数字の羅列は、何を表しているのか。それさえ分かれば、謎は解けそうだ。


「何かの表?かと思ったんだが、それが何なのかがまだ分からなくて」


「なるほど……確かに表の配列の数字かもね……」


「あぁ……これがKの居場所を示してるなら、早く解かなければ……」


「う〜ん……」


 旭はホワイトボードの数字を見ながら、考え込んだ。


「これさ……文章っぽくね?」


「はぁ?文章?」


「だって、座標とか表すならこんな書き方しなくない?同じ数字の所あるし」


「……それもそうだな……じゃあ、これはKからのメッセージ……」


「多分そうじゃないかな。よし!あいうえお表に当てはめてみよう!」


 旭の言葉を信じ、御影はホワイトボードの文字列にあいうえお表を当てはめてみる。

 そして全て当てはめ終えると、旭の言う通りになった。二人はホワイトボードの文字を読み上げる。


()()()()()()()()()()()()()()


 御影と旭は声を合わせて言う。その文章の異質さに、二人は黙って前田の方を見た。

 前田は暗い表情で小刻みに震えていた。それに気がついた御影はすかさず、前田の横に行きフォローを入れる。


「す、すみません……この暗号は単なるイタズラだと思いますし、あまりお気になさらずに」


「は、はい……そうですよね……イタズラ……ですよね」


 御影の慰めも虚しく、前田は暗い表情のままだ。

  

 ――高峯紗良が殺されるまで残り22時間――


――次回へ続く――

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