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「魔王の終活」   作者: クロネコ
58/60

58話 帰路と報酬

ジャンクゴーレムを倒した一行は残り数日をかけて、帰路についていた。


〜 魔界領域 ユーズ王国付近 〜


何か心地の良い揺れを感じる。

暖かく、優しい何かを掴んでいるが、目を閉じているせいで分からない。


眠い目をゆっくりと開く。


「お!ペティの奴気がついたぞ!」


「ホントかいヴァン!?

良かったぁ〜目を覚さないんじゃないかと心配したよ!」


大袈裟(おおげさ)に騒ぐ2人の声が聞こえる。

ペティはラストルに背負われていた。


「えっ?えっ?私いつの間に!?

ラストル!降ろしていいわよ!?」


恥ずかしさのあまり、背負われたまま慌ててジタバタするペティ。


「ペティ暴れないで!

重度の魔力欠乏状態だ。下ろしても脱力状態でまともに歩けないよ。

経験したことあるからよくわかる。


もうすぐユーズ王国に到着するから、このまま我慢してくれ。」


ラストルは落ち着かせるように言った。


「お…重くない…?」


ペティは恐る恐る聞いた。


「大丈夫だ。心配いらないよ。」


ラストルは歩きながらながら答える。


「イチャイチャは魔界領域から無事に帰還してからにしな。」


ヴァンが呆れた様子で言った。

2人は顔を赤くしてヴァンを怒った。


「ほら、ユーズ王国の門だよ!」


ムンナの指差す方にユーズ王国の巨大な門があった。

一行は無事ユーズ王国へ到着した。


〜 円形王国都市ユーズ 首都ユーズ

依頼受付デスク 〜


「わぁ!皆さん無事帰還なさったのですね!

良かったぁ〜心配してたんですぅ〜」


受付嬢パープルの甲高い声がフロアに響く。


「皆さんの旅の記録はこの魔導時計(魔導時計)のログから確認致しました!


耐魔鉱石の回収、転送所(ポータル)の調査、魔物ジャンクゴーレムの討伐。非常に素晴らしい功績です!


こちらの依頼(クエスト)成功の情報はすぐに王様へ知らされます。

今後の魔界領域の調査にさぞ役に立つと思いますよ!


それではこちらが報酬の40万リングとなります!そして、以前の王命依頼(クエスト)失敗の履歴も削除となります!


それでは、またのお越しをお待ちしております!」


パープルはズッシリとした金貨袋を各々に渡して深々とお辞儀をした。


「あ、ヴァン様とムンナ様はそのままSクラス昇格の手続きができますが、どう致しますか?」


パープルはヴァンとムンナに聞いた。


「あー俺はいいや。

次の機会にするぜ。」


「私も。一人で魔界領域を攻略できるくらい強くならなければ意味がない。


今回はパーティみんなの力に頼り切っていただけだ。私も次の機会にするよ。」


二人は断った。

パープルは少し残念そうな顔をして言った。


「そうですか…分かりました。

皆さまの次なる挑戦を期待してますね!」


パープルは再度お辞儀をした。


報酬を受け取った4名はエントランスで話し合った。


「さて。しばらくは準備期間にしよう。

特にペティーはよく休む事。


手に入れた報酬で耐魔鉱石の防具を作成する。全員(そろ)い次第、次の依頼(クエスト)へ出発。


これでいいかな?」


ラストルは確認した。

3名は全員頷く。


「ありがとう!

みんなのおかげで、いろいろと貴重な体験ができたよ!


素晴らしいパーティだったよ。

また、次行く時までにもっと強くなってるから絶対誘ってね!」


ムンナは手を振りながら街の中へ消えて行った。


「私もまだふらつくから先に休むわ…


防具ならジャックとダガーの所で作ってもらうといいかもしれない。きっと安くなるわよ。


私も回復したら新しい杖と服作ってもらいに行く。

今回は上手くいって本当に良かったわ。


…少し楽しかったし。

じゃあね!」


ペティーは疲れた様子で別の方向へ消えていった。


「さて、家無しの俺はまた木の上で待機かな?」


ヴァンは機を見計らうようにスタスタと歩き出した。


「ありがとうなヴァン。

お前のおかげで全員無事で帰ってこれた。


感謝の言葉しかない。」


ラストルはヴァンに礼を言った。

ヴァンは白い歯を見せて笑った。


「いいって事よ。

どうだ?二人で少し話すか?」


ヴァンは親指で手招きした。

ラストルはヴァンと一緒に一本の木がある丘へ向かった。


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