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「魔王の終活」   作者: クロネコ
44/60

44話 再編と仲間

ラストルは魔将ヴォーラスとの対話の後、酔いで倒れていたところを、助けられ病室で目を覚ました。

回復したラストルは翌日、パーティを組んだ3人の元へ向かった。

〜 首都ユーズ 戦士登録デスク ラウンジ 〜


「おぉ!!ラストル!!生きていたか!!」


大きな声で浅黒いスキンヘッドのジャックはラストルを呼び止めた。


近くには松葉杖をついたバンダナのダガーと、タバコを咥えたペティも一緒だった。


「このやろぅ!!死んだんじゃないかとマジで心配してたんだぞ!!勝手なことばかりしやがって!」


ジャックは力いっぱいハグした。骨が軋む。


「ご…ごめん!ジャックさん…今まさに死にそう…」


ラストルは苦しそうに言った。

ジャックはハグを解く。


「お前と別れてから1時間は門の前にいたんだ。ただな、戻ってこねぇから周辺の戦士達に捜索するように戦士登録デスクに頼んでみたんだ。


そしたらあっさり、上級の戦士達が協力してくれてな?

ま、そのかわり探索報酬や討伐で取得した品は没収されたがな。」


ジャックは笑いながら言った。


「そうか…すまない。俺なんかのために…」


ラストルは申し訳なさそうに言った。


「いいってことよ。お前にも何か言えない理由があったんだろ。


あの場では命を救われたからな。お互い様だ。」


ジャックはラストルの肩を叩いた。


「ダガーさんの足の毒は…」


ラストルはダガーの足に毒矢が刺さった事を気にかけた。

ジャックは少し残念そうな顔をした。


「アイツは毒の状態が意外に悪くてな…

神経が壊死しちまってもう歩く事ができねぇみたいだ…


生きてる部分があれば回復はできたんだが、死んでる部分は生き返らせられない。」


ラストルはそれを聞くとダガーの元へ走り出した。

そして、ラストルは深々と頭を下げた。


「すみません!ダガーさん!俺がもっと早く状況判断ができていたら、こんなことには…」


ラストルは足が不自由になったオリビアとダガーを重ねていた。

再び身近な人間に治らない傷を負わせてしまった事に対して負い目を感じてしまった。


「お前のせいじゃない。むしろ最善だったんだぜ?

もう少し遅れていたら足だけじゃなくて死んじまってたんだ。


それに心配すんな!

こう見えて鍛冶屋で働ける技術はあるんだ!

次からは戦士で一獲千金を狙わずに、コツコツ働くさ。


病気で動けねぇ弟がいるのに、俺が死んだら面倒見るやつもいねぇしな。」


ダガーは笑っていたが、少し寂しさを滲ませていた。

後ろからジャックも歩いてきた。


「俺もコイツをサポートするために、戦士業を降りる事にしたぜ。」


ラストルはビックリしてジャックの方を見た。


「ジャックさん何を!?」


「ダガーを見て思ったんだ。

魔界領域に行くには、俺は大事なもんを多く作りすぎた。

友達(そいつ)も、家族も。


心のどこかで、魔界領域を少し舐めてたよ。

俺なら上手くやれるってな。

だが、甘かった。

今回の戦いでそれがわかった。


あの領域に足を踏み入れていいのは、お前みたいな強い奴だけだ。


責任を感じるなラストル。

お前は気付かされる事が多くて感謝してんだ。」


ジャックは決心がついたような顔をしている。

ラストルはやはり申し訳なさそうな顔をしていた。


黙って聞いていたペティはタバコの煙を上に向けて吹かした。


「んじゃ、このチームは解散って事ね。


魔界領域はなかなかヤバイとこだったけど、いい経験ができたわ。

ありがとね。」


ペティは笑いもせずに感謝した。


「なぁペティよ。ラストルと組んでみればどうだ?


見た目の粗っぽさに比べたら、魔術は完璧な仕上がりだし、サポートとしては申し分ない!

年も近いし、いいペアになるんじゃないか?」


ジャックは提案した。

ラストルは突然の提案に驚いた。


「冗談でしょ?

私が足手まといになるに決まってるじゃない。


彼はもっと強力な魔道士をパーティにするべきよ。」


ペティはタバコに火をつける。

ジャックはラストルの耳に顔を近づけて言った。


「見ての通り、コイツは自己肯定感(じここうていかん)が極端に低いんだ。

才能があるのに心でブレーキをかけちまってる。


お前が何とかしてやれラストル。」


ラストルは驚いた顔のまま、指で自分を指して確認した。

ジャックは黙ってうなずく。


「あ…あのペティさん。

ワーウルフとの戦い、ペティさんの防壁があったから俺は敵の数を把握できたし、戦えた。


あなたは良い魔術師だ。パーティ組む相手が居ないなら、是非俺と組んで欲しい。」


ラストルは真面目な顔で言った。

ペティは再び煙を上に吹いた。


「アンタがそう言うなら…別にいいけど…


本当に私がいたら全滅するかもしれないわよ?」


ペティは静かに言った。


「大丈夫だ!全滅しないように俺がカバーする!

俺が見てる間はもう、誰も傷つけさせない。」


ラストルの言葉は本気だった。

ペティは呆れたような顔で笑った。


ジャックとダガーは2人の見えないところで親指をたてていた。


ラストルは全員と分かれた後、あの丘へ向かった。

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