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「魔王の終活」   作者: クロネコ
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25話 魔将と戦場 (魔)

魔王ルシフェウスの号令と共に人間と魔族の境界線コンフリクトラインにて戦闘が開始された。

同時に各地に根城を置く魔将達も戦闘を開始する。

〜 コンフリクトライン ヴォーラス領付近〜


「巨人だ!!巨人が攻めてきたぞ!!」


戦士が叫ぶ。

巨人の群れが叫ぶ戦士を踏み潰しながら、前進する。


「くそ!

こんなところで大昔の化け物が出てくるとは…!


火球(ファイア)!!」


戦士の一人が剣から火を(まと)った球体を射出(しゃしゅつ)する。


そのまま巨人の方へ向かっていくが、巨大な体躯(たいく)に傷がつく事はなく、侵攻は止まらない。


「くっ…(まった)く効いてねぇ。

魔導師じゃねぇから魔法なんか、からっきしなのはわかってるけどよぉ。」


戦士は肩を落とす。


「…そんじゃあ、魔法以外ならまともに戦えるってわけだな?」


地面を潰しながら、突然目の前に巨人ほどではないが、人間よりも大きな何者かが落ちてきた。


(あご)はしゃくれ、筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)

手には大きな金属質の(つち)を持ち、藍色(あいいろ)の鎧を(まと)った大男。


「な、なんだ!?

魔族か?この巨人達を操ってるのか?」


戦士の一人は空から落ちてきた大男の様子を伺いながら、剣を構える。


「ワハハハッ!察しがいいなお前!


俺の名は戦鎚(せんつい)の魔将ヴォーラス!

いかにも!この巨人どもは俺の指示で動いて…


あれ、これは言っちゃダメだったんだっけか?」


魔将ヴォーラスはバツが悪そうに頭を()く。


「ふざけた野郎だ…


魔将だと?

せいぜい中級魔族の癖に堂々と俺たちの前に現れた事を後悔させてやるぜ。」


戦士達は剣を抜き、次々とヴォーラスに走り出す。


「ワハハッ!

威勢(いせい)のいいやつらめ!せいぜい楽しませてくれよ!


ウラアァァァッ!!」


ヴォーラスは戦鎚を勢いよく地面に叩きつける。

叩きつけた地面にを中心に鋭利(えいり)(とが)った岩盤が突き出る。


戦士達は岩盤に鎧ごと貫かれ、(はじ)け飛ぶ。


「こんのぉッ!!」


戦士の一人がヴォーラスに剣で切りつけるが、剣が折れてしまった。


「何!?オレの剣が!?」


ヴォーラスはニヤリとした顔で戦士の方を見る。


生半可(なまはんか)(きた)え方の剣では、このヴォーラスの身体に傷をつける事などできぬ!!


吹き飛べぃッ!!」


ヴォーラスの戦鎚の攻撃を受けた戦士は(はる)か彼方へと飛ばされる。


「さぁ、我こそはという奴からかかって来い!

言っておくが、俺は巨人より強いぞ?」


ヴォーラスは高らかに叫ぶ。



〜 コンフリクトライン フォーカスロール領付近 〜


襲羽銃(ウィングガン)


鳥の顔を持つフォーカスロールの羽が戦士達の頭に突き刺さる。


「こ…この鳥野郎!強いぞ!


ウゲッ!」


フォーカスロールの羽が容赦(ようしゃ)なく戦士を襲う。


「当たり前だ。

我は風塵(ふうじん)の魔将。

フォーカスロール。

他の魔物とは一線を(かく)す。


我が魔王の(めい)により貴様らを撃滅(げきめつ)する!」


フォーカスロールは地面を踏みしめ、風のように飛び回る。

鋼鉄のように硬い翼で、戦士達を(けず)り裂く。


「早いッ!!

全員盾で守りを…」


「無駄だ!!」


フォーカスロールはそう叫ぶと上空に舞い上がり、翼を大きく広げた。


「我が羽は鉄をも穿(うが)つ!


襲羽機関銃(ウィングガトリング)!」


フォーカスロールから雨のように、放たれた無数の羽が戦士の鎧を貫通する。


「ダメだッ強すぎる!!

防御が全く意味を成してない!!


退却だ!」


戦士達は恐れをなして逃げ(まど)う。

フォーカスロールの攻撃は続く。



〜 コンフリクトライン アーミー領付近 〜



「しぃぃねぇぇぇッ!!!!」


雷の轟音と共に、銀の槍が一直線に飛んでいく。

槍は戦士達を次々と貫き、意思を持つように空へ舞い上がり、魔将アーミーの元へと帰っていく。


「なんでぇ、歯ごたえねぇな!お前ら!


強くねぇなら死んでろや!!」


魔将アーミーは吐き捨てるように槍が飛んで削れた地面を見ながら言った。


「とてもない強さだな…」


「ッ!?」


アーミーは声のする方に向かって槍を振るった。

激しい金属音と共にアーミーの槍は何者かの剣に防がれた。


「へぇ、俺の槍に反応できる人間がいたとはな!


それにその剣…

普通の剣じゃねぇな?」


アーミーは自分の槍の攻撃を防ぎきった男を見た。


「いかにも、この剣は聖者の祈りを込めて(きた)え抜かれた一切(いっさい)の邪悪を滅する聖剣。


(じゃ)である貴殿(きでん)にとっては相性が悪かろう。


しかし、その破壊力とその技力。

敵ながら賞賛に値する!


我が名はアイザック・グリッツァー

戦士の中でも最強と格付けされるSクラスの称号を取得するものである。


強き邪悪なるものよ、貴殿の名前が知りたい。」


戦士アイザックは距離を取りながら、丁寧に自己紹介をした。


「なるほど、違和感はそれが原因ってわけか。

しかし人間にしてはまともな奴がいたもんだな!


いいだろう、名乗ってやるよ!

俺は雷槍の魔将アーミーだ!


聖剣使いたぁおもしれぇ!

俺の呪いの雷槍とどちらが強えぇか力比べと洒落込(しゃれこ)もうぜ!」


アーミーは嬉しそうに笑いながら、再び槍を構え直す。


「将を名乗るものであったか。

それならば生半可な闘い方はできぬな。


では、いざ尋常(じんじょう)に…」


「勝負ッ!!」


アーミーの槍とアイザックの剣が激しくぶつかり合う。

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