第八話:マキの秘密
### 第八話:マキの秘密
ルキ、リンゴ、そしてマキは、浜辺へと続く道を塞ぐ男たちに立ち向かうため、初めて横一列に並んだ。
マキは前方の道を見つめたあと、左側にある狭い路地を指さした。
マキ:「二人とも、こっちについてきて! ここから逃げられる別の道があるの!」
しかし、リンゴはその場から動こうとしなかった。
彼は刀の柄を握りしめ、一歩前に踏み出すと、近づいてくる三人の男たちに視線を向けた。
リンゴ:「お前たちは逃げろ! こいつらは俺に任せろ!」
マキは驚いたように彼を振り返った。まるで、自分の耳を疑っているかのようだった。
マキ:「えっ!? 一人で戦うつもりなの!? バカなの!? まさか、一人で全員に勝てるとでも思ってるの!?」
リンゴはマキを振り返ることなく、冷静に男たちの動きを見極めていた。
そのとき、ルキは以前リンゴが語っていた夢を思い出した。
「俺の夢は、世界一の剣士になること。そして、行方不明になった妹を見つけ出すことだ!」
ルキの笑みが大きくなり、その瞳には熱い情熱が宿った。
(冒険の途中で戦うことがなかったら、何が面白いんだ!? これこそ、俺が待ち望んでいた冒険だ!)
ルキはリンゴの隣まで歩み寄り、勢いよく拳を突き上げた。
ルキ:「リンゴ! お前一人で戦わせるわけにはいかない! 俺も一緒に戦うぞ!」
リンゴは彼に顔を向け、わずかに微笑んだ。
リンゴ:「お前なら逃げないと思っていたぞ、このバカ!」
そう言うと、リンゴは刀を抜き、その切っ先を男たちに向けた。
リンゴ:「いいか、ルキ! お前は世界一の探検家になると俺に約束したよな!?」
ルキ:「もちろんだ! 俺は歴史上、最高の探検家になってやる!」
リンゴ:「なら、俺たちの力をあいつらに見せてやろう! 全員まとめてぶっ倒すぞ!」
ルキ:「ハハハハ! それを待っていたんだ!」
二人は肩を並べ、花紙の島に到着してから初めて、共に戦いに挑もうとしていた。
リンゴは冷静に刀を構え、鋭い眼差しで敵の動きを見つめていた。
一方のルキは、まるで目の前の状況を新たな冒険としか考えていないかのように、楽しそうな笑みを浮かべていた。
マキは黙って二人を見つめ、困惑した表情を浮かべた。
(この二人はいったい何なの!? 一人は異常なくらい冷静だし、もう一人は恐怖なんて知らないみたいにバカなことばかりしてる!)
マキはため息をつき、背中に背負っていた弓を整えた。
マキ:「分かったわ。あとは二人に任せる! さっさと片づけてよね!」
そう言うと、マキは少し離れた場所へ移動し、警戒しながら男たちの様子をうかがった。
一方、三人の男たちは互いに視線を交わしたあと、そのうちの一人が前へと進み出た。
男1:「ああ!? 本気で俺たちの邪魔をするつもりか?」
男は嘲笑を浮かべ、ルキとリンゴを見やった。
男2:「どうやら、この二人のバカは自分たちがどうなるのか分かっていないらしいな。」
男3:「どうでもいい。俺たちに逆らったことを後悔させてやる。」
男1はさらに一歩前へ進み、武器をマキに向けた。
男1:「小娘、逃げるのはもう終わりだ! おとなしく俺たちについてこい。そうすれば、そこのよそ者二人には手を出さずにおいてやる。」
マキは拳を強く握りしめ、怒りを込めた眼差しで男をにらみつけた。
マキ:「誰があんたたちなんかについていくもんですか!」
男1:「なら、後悔しても知らねえぞ!」
男は武器を振り上げ、三人の男たちは一斉に彼らへと襲いかかった。
リンゴ:「ルキ、俺の邪魔をするなよ!」
ルキ:「ハハハハ! それはこっちのセリフだ!」
リンゴは男1に向かって飛び出し、目にも留まらぬ速さで刀を抜き放った。
リンゴ:「黒刃!」
刀の刃が太陽の光を受けてきらめいた。男はその一撃をかわすため、慌てて後方へ飛び退いた。
同時に、ルキは男2に向かって突進した。彼の手の周囲では、稲妻の火花がパチパチと踊り始めていた。
ルキ:「来い! 俺の力を見せてやる!」
男はルキの攻撃を止めようと武器を構えた。しかし、ルキは驚くほどの速さで動き、相手の攻撃をすり抜けた。
一方、男3は二人の隙を突き、マキのもとへ回り込もうとしていた。
だが、マキはすでに男の動きを予測していた。
彼女は矢筒から一本の矢を取り出し、弓につがえると、素早く放った。
マキ:「あんたを先へ行かせるわけにはいかないわ!」
矢は男の足元の地面に突き刺さり、男は思わず足を止めた。
男3:「ちっ!」
マキは男がひるんだ隙に素早く別の場所へ移動し、相手との安全な距離を保った。
その頃、リンゴは冷静に敵と渡り合っていた。刀で相手の攻撃を受け流しながら、敵の防御に生じる隙を探していた。
リンゴ:「お前、動きが遅すぎるぞ!」
男1:「調子に乗るなよ!」
男は再び攻撃を仕掛けた。しかし、リンゴは横へ一歩踏み出してその一撃をかわし、素早く反撃した。
その攻撃を受け、男は後退せざるを得なかった。
その一方で、ルキは敵の攻撃をひらりひらりとかわしながら、楽しそうに笑っていた。
ルキ:「ハハハハ! 面白いじゃないか!」
男2:「笑ってんじゃねえぞ、このバカ野郎!」
ルキ:「なんでだよ!? 戦いって本当に楽しいじゃないか!」
遠くからマキの怒鳴り声が響いた。
マキ:「笑ったりしゃべったりしてないで、さっさと決着をつけなさい!」
ルキ:「分かった!」
ルキはさらに速く敵へと突進した。一方、リンゴも刀を握る手に力を込め、次の一撃を放つべく身構えた。
初めてのことだった。
二人は肩を並べて戦い、どちらも相手を一人で危険にさらすことを許さなかった。
そして、後方から二人の戦いを見守っていたマキは、ふと考え始めた。
(この二人がこの島にやって来たのは、ただの偶然なの……? それとも……この二人との出会いが、すべてを変えることになるの……?)
つづく……




