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森の創造館の主は、今日も騎士を癒している  作者: 桜桃
癒しの場所を守り続けます

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第13話 僕とエレナ様

 なんだか、緊張する。

 オルレアン家の令嬢に、僕が作った創造館を見られている。


 もしお気に召さなかったら、どうなるんだろう。

 こんな所に、自分の騎士を行かせるなんてできないと思われたら。


 リヒトさんが、もう来てくれなくなったら……?


『こんな質素な場所に、私の騎士を連れてくることはできないわ。悪いけれど、もうここには来させません』


 ――なんて言われたらどうしよう!!


 そ、そうなったら改装だ。


 もっと豪華に?

 いや、落ち着きがなくなる?


 どうにかしてリヒトさんにまた来てもらえるように――


 ……あれ?


 なんで僕、リヒトさん基準で考えているんだろう。

 確かに、今のところ常連はリヒトさんだけ。


 でも、僕の目的は違う。


 この世界で疲れている人を癒すこと。

 誰か一人のためじゃない。


 ……そうだよね。

 そこまで怖がらなくても。


 そっとリヒトさんを見ると、藍色の瞳と目が合った。

 冷たく見えるのに、不思議と温かい。


 一瞬目が合っただけで、吸い込まれそうになる。

 見つめていると、リヒトさんが近づいてきた。


「どうした?」


「い、いえ……意味もなく見つめてしまって、すみません」


 慌てて目を逸らす。

 けれど、視線が外れない。


 ど、どうしよう。怒らせた……?

 青ざめていると、突然腰に腕が回り、顎をそっと持ち上げられた。


「っ、ど、どどど、どうしたんですか!?」


「何か不安そうだったからな。私に言えない悩みでもあるのか?」


 心配そうな顔。

 その優しさに、胸がきゅっとなる。


「い、いえ、僕が勝手に――」


「リヒトー!! こっち来てー!!」


 上から甲高い声。

 見上げると、二階の柵から身を乗り出しているエレナ様。


「あ、危ないですよご令嬢!!」


「えっ――」


 ――ツルッ。


 ……お約束ぅぅぅ!?

 二階から落ちる!?


 咄嗟に駆け出す。

 受け止められるか分からない。


 でも、少しでも衝撃を――


 ――ポスッ。


 ……あれ?


 衝撃が、こない。


 目を開けると、リヒトさんがエレナ様を横抱きにしていた。


 完璧な受け止め。


「エレナ様。はしゃぐお気持ちは理解しておりますが、もう少し慎ましくお願いいたします」


「……ご、ごめんなさい」


 素直に謝るエレナ様を床に下ろし、リヒトさんがこちらを見る。


「あの、すみません! 柵をもっと高くするべきでした。設計ミスです――」


 頭を下げようとすると、肩を掴まれた。


「こちらの不注意だ。クリエントに責任はない」


 そして、少しだけ柔らかく微笑む。


「それに、真っ先に動いたのはクリエントだ。身を挺して守ろうとしただろう。感謝する」


 ……ずるい。

 そんな顔で言われたら。


 頬が熱くなる。


「い、いえ。怪我がなくて良かったです」


 そこへ、サグラモールさんが割って入る。


「はいはい、堅い話はそこまで! ここは癒し処だろ? 癒されなきゃ意味ねぇ!」


 リヒトさんの肩に腕を回す。


「肩に触れるな、サグラモール」


「減るもんじゃねぇだろ」


 あっ、少しだけ口調が崩れているリヒトさん。

 僕と話す時とはまた違う、気ごころを許しているような話し方だ。


 そして、笑うサグラモールさん。

 以前は、こんな感じではなかった気がする。


 多分、サグラモールさんがモナ様を連れていたのが関係していそう。

 仕事中だったから、ここまで崩さなかったのだろう。


「ふふっ」


「何を笑っているのかしら」


 ……隣。


 エレナ様。


 終わった。


「す、すみません!! 無礼でした!!」


「別に、無礼ではないわ」


 腕を組み、二人を見る。


「リヒトがああやって話すのは珍しいのよ。騎士同士でも、サグラモールくらいね」


 その瞳は、年齢以上に鋭い。


 でも、そっか。それだけ、サグラモールさんに心を許しているということか。

 僕はまだ、そこまで心を許されていないのかな。


「でも、口調一つで心を開いている、開いていないは決まらないと思うわ」


 ……なんでそれを。

 目を数回瞬かせてしまう。


 けれど、ここで何も言わないのは失礼だ。


「ありがとうございます?」


 あっ、もしかして顔に出ていたのかな。

 頬をぺたぺた触っていると――


『クリエント!! 紅茶が冷めているぞ!』


「あ、クニー。ありがとう」


 二階から顔を出すクニー。


 ――その瞬間。


 隣のエレナ様の気配が変わった。


 きらっ。


 ……目が、輝いている?

 なんか、新しいおもちゃを目の前に差し出されたかのように、輝いている。


 ――え?

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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