弱点?
「それで、龍ちゃんは結局どうしたいの?」
「どうしたいって言われてもなあ、、」
黒崎の自宅に集合した2人。黒崎は霧島との関係について蒼空から尋問を受けていた。
「どっちかがちゃんと行動しないと何も進まないよ」
「そりゃわかってんだけどさあ」
「ビビりだ」
「うるせえよ」
簡単に行動できていればまず仮の関係を作る前にとっくに本当の関係ができているはずだ。
「とにかく、次の休みでデートしてきなよ」
「えー、、なんでそんな急に、、」
「ほら、もう連絡しといたから」
「おい!人のスマホ勝手に使うな!」
蒼空は黒崎のスマホをいつの間にか手に取り、霧島に「次の休み遊びに行こ♥」と勝手に連絡していた。
「いやてかなんでハートついてんだよ」
「イメージ?」
「嘘つくな真逆だろ」
問い詰める黒崎にそっぽをむいてとぼける蒼空である。
「あ、返信きたよ!」
「あ、おい!話すり替えんな!」
そういいつつも黒崎は返信が気になるのでスマホを覗いた。そしてその画面には「いいわよ♥これで満足かしら??」と書かれていた。
「ほらお前のせいで俺がキモイやつみたいになってるじゃねえか!」
「いや、、今気にするのそこじゃないでしょ」
「は?」
蒼空は黒崎に画面をよく見せて、文面に指をさした。
「ほら、承諾されたんだよ?デートを」
「え?あ、、!ほんとじゃん!」
「ほんとに気づいてなかったんだ、、」
デートをOKされたことをほんとに気づいていなかった黒崎に、珍しく呆れ気味の蒼空である。
「ほら、今から計画考えないと」
「やっぱ計画って必要か、、?フィーリングじゃだめか、、?」
「うん、別に必要ないならいいんじゃないかな??」
「わかりました考えます!」
フィーリングで行こうとしたが、蒼空に圧力をかけられたためしっかり考えることにした。
「とは言っても、、計画ってなにすんだ、、?」
「たとえば行く場所とか、やることとかを考えるんだよ」
「おれあいつがどこ行きたいかとかわかんねえぞ、、?」
「今からそれを考えるんだよ」
「うーん、、」
黒崎はなんとか考えを振り絞って計画を考えたが、イマイチピンと来たものはなかった。
「そんな難しく考えなくていいんだよ。2人で行ったら楽しそうだなとか、これ委員長好きそうだなって思ったものにすればいいさ」
「なるほどな、、」
そう蒼空にアドバイスをされた黒崎は、蒼空が帰ったあとも1人夜な夜な考えることとなった。
「よ、おはよ」
「びっくりした、、!急に後ろから来ないでよ!」
迎えた休日、黒崎と霧島は無事に合流した。
「俺さ、いいんちょ、、、玲奈がどこ行きたいか色々考えたんだけどさ」
「そ、そうなの?」
黒崎の発言に霧島は少し期待した目をした。
「でもな、俺玲奈がどこ行きたいかって全くわかんないんだよ」
「随分と正直ね、、」
その束の間、霧島の表情は元に戻った。
「だからな、俺が行きたいと思う場所に行くことんにしたんだ」
「まあ私は確かに行きたい場所はなかったからいいのだけれど」
「だろ?」
「別にそれを見透かされててもあんま嬉しくないわよ、あとその顔ウザイからやめて」
霧島が行きたい場所がないということを見抜いた黒崎は、霧島に対してドヤ顔をしていた。
「それで、どこに行くわけ?」
「今日は遊園地に行こうと思ってな」
「意外と無難ね」
黒崎が提案したのは遊園地である。霧島の反応は至って普通の反応をしていた。
「実はな、俺遊園地って行ったことないんだよ」
「意外ね、行ってはしゃいでそうなものだけど」
「俺家族がいないみたいなもんだったから、小さい頃とかに行ったこととかないんだよな」
黒崎は少し悲しそうな表情で、霧島にそう語りかけた。
「反応しずらいからやめてもらえるかしら?」
「はい、すいません」
今日は楽しい気分で行きたいらしい霧島は、黒崎の悲しみムードを一刀両断した。
「おー!ついたぞ!すげえ!」
「反応が小学生ね」
どデカいジェットコースターなどを前に黒崎はテンションが上がっていた。
「玲奈は何度か来たことあるのか?」
「ええ、妹が行きたいってうるさいから」
「なるほど」
妹の莉奈がどうやら遊園地好きらしく、割と行くようだ。
「もしかしてじゃあもう飽きてたりするか、、?」
「別に、こういうのは何度来てもいいものよ」
心配の目を向ける黒崎に、霧島は何食わぬ顔で返答した。
「んー、、まずはこれじゃね?」
黒崎たちが来たのはこの遊園地で1番スケールが大きくスリルがあるとされるジェットコースターであった。
「いきなりハードね」
「いや楽勝でしょ」
「はあ」
自信満々の黒崎を軽くあしらいながらも、2人はジェットコースターに乗り込んだ。
「カップルのおふたりは隣同士にどうぞ〜」
「か、カップルじゃ、、!」
「いや、一応カップルじゃね?」
「た、確かにそうね、、」
(まあわざわざ外でまでやる必要はないんだが)
一応まだ仮のカップルというのは続いている。学校の人たちにバレなければいいだけなので出先でまで意識する必要は無いが、黒崎にとってはやってて得しかないので、ここでもしっかりとやることにした。
「よいしょっと、、怖えなら手でも繋いどくか?」
「いいわよ別に、、」
霧島に手を差し出した黒崎だったが、その提案はあっさり拒否された。
「ちょっと待て、、、高くねえか、、、?」
「嘘でしょ?まだ半分も行ってないわよ?」
ジェットコースターが上がり始めて数秒経った頃、黒崎の体は小刻みに震えていた。
「お前、、怖くねえのか、、?」
「別に、私は何度も乗ってるしもう慣れたわよ」
「なんだよそれ、、!ずるいぞ、、!」
「別にズルくはないでしょ、、」
「え〜まもなく降下いたします!」
「ちょっと待て!心の準備が!」
「急に手繋がないでよ!てか手汗すごいんだけど!」
頂上付近に達した時、怖さの限界が来てしまった黒崎は思わず霧島の手を握りしめた。
「まじごめん!後でなにかお詫びするからああああああああああ」
黒崎はそう言い残しジェットコースターは勢いよく降下していった。




