霧島家+α
(き、気まずい、、)
ソファーに座ってパーティの準備を待つ黒崎だが、何故かその隣に霧島父も座っていた。どうやら手伝おうとしたが役に立たなかったため帰されたようだ。
「い、良いお家っすね、、」
会話が無さすぎて困った黒崎は何か話そうと思ったが、コミュニケーション能力が特段優れている訳ではない黒崎は中身の無さすぎる会話しかできなかった。
「、、、、」
そしてその中身のない会話に霧島父はやはり無言だった。
(お、怒ってないんだよな、、?)
そう思わざるを得なかったが、霧島曰く怒ってないらしいので、めげずに会話を振ることにした。
「な、なんのお仕事なされてるんですか?」
正直聞いていいのかも分からなかったが、それくらいしか話題が思いつかなかった。
「、、、、コレ」
「ん?」
黒崎の言葉に霧島父は1枚の写真を見せた。その写真には綺麗な風景が映っており、とても素晴らしいものだった。
「いい写真ですね!ご自分で撮られたんですか?」
そう言うと霧島父はコクリと頷いた。
「うちのおとーさんは写真家なんだよ!」
その2人の間に突如として妹の莉奈がやってきた。どうやらこのような感じの写真を撮るような仕事をしているらしい。
「そうなんですね!他にも綺麗な写真がいっぱいありますね!」
「おとーさん凄いんだよ!一流のプロカメラマンなんだから!」
「へぇ〜そうなんだ!」
そんな話をしている中霧島父は2人に褒められすぎて凄く恥ずかしそうであった。
「あ!これもあるよ!」
「ん?」
そうして見せてきたのは、霧島の小さい頃の写真である。
「ほら!小学校の頃のおねえちゃん!綺麗に撮れてるでしょ!」
「へぇ〜この頃の委員長も可愛いな」
「も??」
「あっやべ、、!」
(口が滑った、、!)
思わず思ったことがそのまま口に出てしまった。
「ふーん?そういう感じなんだ?」
莉奈は黒崎の近くで小声でそう言った。
「いや、、ち、ちがっ、、」
「随分と仲が良さそうね」
「あ、おねえちゃんだ'
どうやら準備が終わったらしい霧島は黒崎たちの方に戻ってきた。
「おねえちゃんの小さい頃の写真鑑賞会してたんだよ」
「な、何勝手に見せてるのよ!!早くしまって!!」
小さい頃の自分を見られて霧島は顔を真っ赤にしていた。
「さっき写真みて可愛いって言って」
「あー!!よし!!俺らも準備手伝おう!皿並べたりとかならできるだろ!」
黒崎は莉奈の発言をかき消すかのように大きめの声で言った。
「もう準備終わってるわよ」
「あ、あれ、、?」
しかしテーブルには既に料理が並べられており、始める準備万端であった。
「それじゃあ始めるから椅子に座ってちょうだ〜い」
そうして霧島家&黒崎のクリスマスパーティが始まった。
「黒崎くんお肉好きかしら?沢山食べていいのよ?」
「あ、、!そうですねいただきます、、!」
「玲奈はケーキのためにお腹残しておくのかしら?」
「お母さん、、!恥ずかしいからあんまそういうこと言わないで、、!」
霧島はケーキ好きのため、どうやら毎年ケーキのためにお腹を残しておいているらしい。それが図星だった霧島は顔を赤くしていた。
「学校では玲奈はいい子にしてるかしら?」
「まあはい、学校の素行自体はいい子ですね」
「な、なによまるでそれ以外は悪いみたいじゃない」
「委員長の俺への振る舞いを見て果たしていい子と言えるのか」
「あなたが悪い子だからこっちも悪い子ウイルスが移るのよ」
「小学生かよ」
チキンを頬張りなから文句を言う霧島に呆れる黒崎である。
「本当に2人は仲がいいのね〜」
「今の見てどこら辺が仲良いと思ったのよ、、」
「あら、仲良くなかったら普通クリスマスパーティになんて誘わないんじゃないかしら?」
「う、うるさいわよ!」
霧島母の攻撃にうろたえる霧島である。たがここで黒崎には1つの疑問が浮かんできた。
(そういやなんで俺誘われたんだ?)
正直理由なんてものは大体わかっている。いつもクリスマスはみんなが家族と暮らしている中、黒崎は毎年1人である。それを見兼ねた霧島が黒崎を誘った、と考えるのが妥当である。正直1人なのも気にしたこともないし、困ったこともない。
(まあでも、こんな楽しかったら来年からは寂しくなっちまうかもなあ)
正直今黒崎はとても楽しんでいる。過去一で楽しんでいるのだ。この楽しさを知ってしまったら来年からは1人ではいられないかもしれない。
「ありがとな、誘ってくれて」
「な、何よ急に」
「なんでもない」
黒崎は困惑する霧島に笑顔で言葉を返した。
メインディッシュを食べ終え、ケーキが運ばれてきた。
「ちょっと待てホールケーキ2個もあんのか??」
「そうよ、何かおかしいかしら」
「お前どんだけ食うつもりなんだよ」
「こっちのケーキは全部私が食べるやつよ」
「お前1人でホールケーキ1個食うのか???」
「な、なによ、悪い?」
「いや、、うん、、すまん、、」
あんまり言うとデリカシーのない男になってしまうのでやめておくことにした。
「んー、、、」
黒崎は霧島の方をじっと見つめた。
「な、何こっちみてるのよ」
「いや、、その体のどこにこのケーキが入り切るんだ、、?」
結局我慢できずに言ってしまった。霧島のボディラインは華奢というか、悪く言えばガリガリだ。その体のどこにそんな胃袋があるのか不思議だったのだ。
「1日で全部食べるわけないでしょ!半分ずつよ!」
「半分は食うんだ、、」
ここまで来れば半分もあまり変わらない気がするが、それを言ったら怒られるので言わないことにした。
「黒崎くんはどのくらい食べるかしら〜?」
「ショートケーキ位で大丈夫ですよ」
「ほんとに〜?少ないない〜?」
「だ、大丈夫っす、、さっきめっちゃ食ったんで、、」
実は先程みんな食べきれずに残った料理を頑張って処理したので結構おなかいっぱいなのである。
「美味しい、、!」
(あ、可愛い)
やはり霧島が食べているところを見るのはどうやら好きなようだ。可愛らしい生物が幸せそうな顔をしながら食べている姿に黒崎はニヤニヤが隠し切れなかった。
「あ、ほんとだ、めっちゃ美味しいな」
「そうでしょ?美味しいのよこのケーキ」
「なんでお前が得意げなんだよ」
「そのケーキお母さんが作ったのよ?」
「え!?そうなの!?」
「やだ〜恥ずかしいじゃな〜い」
黒崎に無意識に褒められた霧島母は少しばかり恥ずかしそうにしていた。
「私のお母さんはケーキ屋で働いてるのよ、だから毎年クリスマスと誕生日のケーキはお母さんに作ってもらってるわ」
「うえーすげえ、、」
初めて霧島母に会った時からふわふわしてるお母さんというイメージしか無かったため、ケーキ屋で働いているという事実にとても驚いていた。
「美味しかったわ、いつもありがとうお母さん」
「いえいえ〜可愛い娘の為ならいくらでも作るわ〜」
「ちょっと待ってもう食い終わったの??」
黒崎がまだ1口しか食べていない中、ドカンとホールケーキの半分もあったケーキはあっという間に無くなっていた。
「なによ、このくらい別に普通よ」
「いやぁ、、、、まあ、、そうか、、?」
あんまり腑に落ちないがこれ以上話してもいい方向には行かなそうなのでそういうものだと割り切ってケーキに集中することにした黒崎であった。




