クリスマス
放課後、クリスマスパーティの準備をするために黒崎と霧島の2人はショッピングモールに来ていた。
「買うもんはケーキだけか?」
「ケーキとあとチキンも買わないといけないわね」
「お前そんな大荷物1人で運ぼうとしてたのかよ、、」
つくづく着いてきて良かったと思った黒崎である。
「先にチキンを買おう、人混みの中ケーキ持ち歩く訳にはいかないしな」
「そうね、そうしましょう」
そうして2人はチキンを探しに食材コーナーへと来た。
「そういや何人いるんだ?でかいやつ1つで足りるか?」
「私と黒崎くんと莉奈と両親だから5人ね。うちの家族そんなに食べないから1つでいいんじゃないかしら」
「んじゃこれ買ってくか」
そうして黒崎がそのチキンを取った瞬間、思わぬ出来事が起こった。
「あ!玲奈っちだ!」
「!?!?」
そこに突如として星宮とその友達がやってきた。
(やべ、、!ここは他人のフリしとこ、、)
「き、奇遇ね、、」
「委員長だー!久しぶりー!」
「ひ、久しぶりね、、」
星宮たちのキラキラギャルたちの圧に縮こまる霧島である。一応中学で同じクラスだったため面識はあるのだ。
「そうだ!折角だから委員長もちょっと遊ぼうよ!」
「え、、いやえっと、、」
「玲奈っちプリクラ撮ろうよ!クリスマスプリ!」
「いやちょっと今は、、」
星宮ギャルズの押しに若干負けかける霧島である。
(ど、どうしよう、、)
星宮たちの目がキラキラしすぎてとても断りずらいのだ。しかし黒崎と約束しているため星宮の方にはいけないのだ。
「ご、ごめ、、」
「あ、委員長じゃん!奇遇だな!」
「く、黒崎くん、、、?」
突如黒崎は霧島とばったり会った「フリ」をした。霧島は困惑したもののとりあえず合わせることにした。
「龍っちもいる!こんな偶然あるんだね!」
純粋無垢な星宮は疑いもなくその状況を楽しんでいた。
「委員長この人と友達なの!?大丈夫!?脅されてる!?」
黒崎は黒髪にしたものの見た目はまだ普通に不良なので霧島は心配されていた。
「大丈夫だよ!龍っちはいい人だよ!」
「そうなんだ!ならよかった!」
星宮の説明により何とか黒崎の信用を取ることに成功した。
「じゃあ龍っちくん?も一緒にプリクラ撮ろうよ!」
「え」
黒崎は、自分が来れば向こう側が身を引いてくれるかと思ったが、逆に誘われてしまった為困惑している。
「かなりイケメンだし!プリにちょうどいいかなって!ついでにちょっと遊ぼうよ!」
黒崎はキラキラギャルに腕を握られ、遊びに誘われた。
「いや俺は、、」
「く、黒崎くんは私と予定があるの!」
黒崎が何とか断ろうとしたその瞬間、霧島は黒崎の腕をキラキラギャルから奪い返した。
「え!?!?玲奈っちもしかして、、!!」
「そ、そうよ!悪かったわね抜け駆けしちゃって!」
霧島は星宮に今日のことをバレるのを覚悟した。
「クリスマスにまで勉強会するの!?やっぱ玲奈っちはストイックだなあ」
(あ、そういやこいつバカだった)
(姫華がアホで助かったわ、、)
「じゃ、じゃあ私たちはこれで、、」
「うん!冬休み中も遊ぼうね!」
嘘をつかれているのにも関わらず悪口を言われる星宮が若干可哀想だが、とりあえずこのチャンスを逃すまいと2人はその場から離れることにした。
「な、何とか助かったわね、、」
まだクリスマスパーティは始まってすらないのに、既にクタクタな霧島である。
「ありがとう黒崎くん。声をかけてくれなかったら連れていかれるとこだったわ」
「う、うん、、よかった、、」
「、、?どうしたの黒崎くん」
何故かよそよそしい黒崎に霧島は不思議な顔をする。
「そ、そろそろ腕離しても、、いいんじゃねえかなと、、」
「!?!?」
先程黒崎をキラキラギャルから奪い返した時から、霧島はずっと黒崎の腕を自分の腕でガッチリとに掴んでいたのである。
「ご、ごめんなさい、、!気づかなくて、、!」
「と、とっととケーキ買ってお前ん家行くぞ」
「あ、、そういえばチキン買ってきてないわね、、」
「忘れてた、、」
結局チキンを買いに戻り、ケーキも無事に買って霧島の家に向かう2人であった。
「お、お邪魔します、、」
「そんなガチガチにならなくてもいいわよ、ただのパーティなのだから」
「いやでも緊張するもんは緊張すんだよ」
ただのパーティとはいえ、友達の少ない黒崎にとって友達の両親と会うのは普通に緊張してしまう。
「あら〜いらっしゃい黒崎くん」
霧島の家に入ると、まず霧島母に出迎えられた。
「あ!来た!お姉ちゃんの彼氏だ!」
「か、彼氏ではないわよ!!」
それに続くように莉奈も顔を覗かせてきた。
「とりあえずリビングに行って荷物置きましょう」
「ああ」
そうして黒崎がリビングに入ると、黒崎よりも数段身長の高いガタイのいい顔が怖めの男の人が座っていた。
(えこっわ、、てかでっか、、)
黒崎も身長はかなり高めなのだが、それが霞むくらいの大きさである。
「こ、こんにちは、、!いいんちょ、、玲奈さんのお父様ですか?」
「、、、、」
「あ、あれ、、」
黒崎は霧島父に問いかけたが、無言でこちらをじっと見つめたまま動かなかった。
(怒ってる、、!?俺なんかまずいことしたか、、?)
ただ話しかけただけなので、特にまだ何もしていないはず。そう思った黒崎は再度話しかけることにした。
「あ、あのー、、玲奈さんと同じクラスの黒崎っていいます、、!」
「、、、、」
やはりこちらを見たまま何も言わずに座っている。
「お父さん準備手伝って、、ってお父さん緊張しすぎ!黒崎くん怖がってるじゃない!」
「ス、スマナイ、、」
「え、、?あっ、、そういうこと、、?」
「ごめんなさいねえ〜この人ちょっと人見知り激しいのよ〜、決して怒ってるわけじゃないから安心してちょうだいね〜」
「そ、そうなんすね、、」
どうやら怒っているわけではないようだ。滅多に人にビビることがない黒崎でさえもビビるほどの貫禄だったが、それも誤解だったため少し肩の荷が降りた。
「それじゃあ私たちは準備始めるからどこか適当に座ってて」
「いや俺も手伝うぞ、何すればいい?」
黒崎は袖をまくって準備万端である。
「い、いいわよ、、お客さんなんだし、、」
「ん、委員長は不器用そうだから手伝った方がいいかなっと」
「う、うるさいわよ!!心配無用よ!!お母さんと2人でできるわよ!」
「はいよっと」
そうして黒崎は適当にそこら辺のソファーに座って待つことにした。




