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急なお誘い

「もうすぐ冬休みだよ玲奈っち!」

「そうね」

「その前に期末テストあるけどな」

「やめて!現実見せないで!」

テスト1週間前。このテストさえ乗り切れば冬休みというご褒美が待っている。

「クリスマスもあるし!楽しみだなあ〜」

星宮はそう言いながらキョロキョロと挙動不審であった。

「そ、蒼空っちはクリスマスどうするの?」

((おっと、、?))

その言葉に、霧島と黒崎の2人は心の中でハモった。

「え、普通に家族とクリスマスパーティかな」

「あ、、そ、そうだよね、、」

蒼空はきょとんとしながら星宮にそう返した。

(姫華を傷つけるなんて許さない、、!)

黒崎は霧島の方を見て、そのようなことを言っているオーラを感じた。

「みんなやっぱクリスマスパーティとかすんだな」

「黒崎くんはしないの?」

「まあ、親いねえしな。わざわざ1人でもやらんし」

「確かに、、そうだったわね、、」

あんまり聞いてはいけなそうなことを聞いてしまった霧島は、少し反省していた。

「まあ別にクリスマスだからっていつもと変わんねえしな」

「そ、そうね、、」

そう言いながらも寂しげな目をしているのは、気のせいではないと思った霧島である。

「その、、じゃあクリスマスの日は暇なのよね、、?」

「ん?まあ暇だと思うが」

「そ、それじゃあうちの家のクリスマスパーティに混ざるっていうのはどうかしら、、?」

「え?あ?え??」

霧島からの突然の誘いに黒崎は困惑していた。

「い、いや俺はいいんだけど、、それはさすがに迷惑じゃねえか、、?」

「うちの家の事は気にしなくていいわよ、多分お母さんも歓迎してくれると思うわ」

「いやほんとにいいのか、、?別にそんな気使わなくてもいいんだぞ、、?」

「な、なによ、、別に嫌なら来なくていいのよ?」

「いやほんとにいいなら行かせてもらうが、、」

「わかったわ、お母さんにも相談してみるわね」

「おう、さんきゅー」

そうして黒崎は何故か霧島家のクリスマスパーティに参加することになった。

「は!なんか今重要な会話をしてた気がする!」

「な、なんもしてないわよ、、」

星宮に何かを勘付かれたが、誤解されるのも嫌なので知らんぷりした霧島であった。


黒崎の家庭はすごく響き良く言えば「放任主義」、普通に言えば「育児放棄」である。小さな頃から誕生日でもクリスマスでも両親は家にいなかったのだ。なので黒崎にはそういう行事のパーティというものがイマイチよくわかっていない。

「なあ、クリスマスパーティってどんなことするんだ?」

「え、どうしたの急に」

黒崎は、蒼空に放課後帰り際にそんなことを聞いた。

「いやほら、なんか気になるというか」

「人によるとは思うけど、ご飯食べたりケーキ食べたり、あとは友達とかとだったらプレゼント交換とか?」

「へぇープレゼント交換とかもあんだな」

どんどん黒崎は蒼空からクリスマスの知識を蓄えていった。

「ところで、誰とクリスマスパーティするの?」

「い、いや?別に誰かとするからとかじゃなくて単純に気になったから、、」

「ふーーん?」

「な、なんだよ、、」

「いや別に?」

「なんかあるなら言えよむずむずするわ」

「え?言っていいの?」

「ごめんやっぱいいわ」

「委員長とクリスマスパーティするの?」

「いいって言っただろ!」

蒼空は黒崎の制止を無視して直球に質問をした。

「さ、誘われちまったしな、、どうせ予定もないだろうし、、」

「良かったじゃん」

「ま、まあ1人よりかは断然いいな」

「そうだね」

おそらく蒼空も蒼空なりに気を使っているのだろう。いつもよりもいじりが少なく言葉の棘がない。黒崎自身も家庭の事情のことは全く気にしていないので大丈夫なのだが、他人はやはりそういうことは黒崎に気を使ってしまうのだろう。

「委員長がいてくれて本当助かるよねー」

「な、なにが、?」

「だってほら、1人でいることが多かった龍ちゃんと一緒にいてくれるからさ」

「まあ、、そうだな、、」

中学まで恐れられていて蒼空以外友達がいなかった黒崎を蒼空は心配していた。だが、霧島という存在のお陰でそれも心配無用となった。

「じゃあ僕はここで、委員長と仲良くするんだよー」

「はいはい、わかってるっつーの」

蒼空にはツンケンしているが、クリスマスパーティが楽しみで、ニヤニヤが止まらない黒崎であった。


「玲奈っちまた1位じゃん!おめでとう!」

「ありがとう姫華」

期末テストも終わり、順位も発表された。

「姫華も何とか補習なくて良かったわね」

「うん!玲奈っち様々だよ!」

星宮とついでに黒崎も、危なかったが何とか補習は回避することができた。

「それにしてもなんでクリスマスまで学校あるの!?休みでいいじゃん!」

今日は今年最後の登校日、そしてクリスマスである。クリスマスまで学校があることにブーイングが殺到している。

「ま、まあ午前で終わりだししょうがないわよ」

「んー?玲奈っちなんか妙に楽しそうじゃない?もしかして今日なんかあるの??」

「な、なんもないわよ、、!ただ夜に美味しいもの食べれるから楽しみなだけ、、!」

「ほんとに〜?私は断られちゃったのに、、抜け駆けしてない、、?」

「だ、だ、大丈夫よ!それに山田さんも姫華も家庭のパーティがあるんだから、断られるのも仕方ないわよ」

「それもそうだよね!私も家族といっぱい楽しもっと!」

星宮は開き直り、ルンルンで教室の外へと出ていった。

「委員長、今日のことなんだけど」

「びっくりした、、!急に後ろに来ないでよ、、!」

その直後、黒崎が霧島の後ろからやってきた。

「そうね、、ケーキを受け取りに行かないといけないからそれまでどこかで待って貰いたいのだけれど、、」

「ん、別にそんぐらい着いてくけど」

「え、あ、そ、そう、、?それなら着いてきてもらおうかしら、、?」

「おっけーじゃあまた放課後な」

「う、うん、、」

そうして黒崎も教室の外へと出ていった。

今日1日霧島はドキドキしてばっかりである。なぜなら「気になっている」人と一緒にクリスマスパーティをするのだ。家族がいるとはいえ緊張してしまう。

「い、いつも通りにすればいいのよね、、!」

言ってもただのクリスマスパーティだ、例年通りにしていればいい。そう心に決めた霧島であった。





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