衝撃の事実
「学校だりぃー、、冬休みまでまだ1ヶ月あんじゃん、、」
休み時間、そんなことを嘆きながら黒崎は机に突っ伏していた。
「そうね、でもあなたは学校来ても勉強しないんだからあまり変わらないんじゃない?」
「酷いな、俺だってたまには勉強してるぞ」
「いっつも授業中に寝てる人に言われても説得力がないわね」
霧島は、寝ている黒崎をジト目で見ながらそう言った。
「折角髪は黒に治ったのに怠け癖は治らないものなのね」
「勉強なんてしなくても何とかなるって」
「はぁ、清々しいわね、、」
霧島は、まるで何も考えてなさそうな黒崎を見て、呆れた顔をしていた。
「龍っち!そんなこと言ってたらいざお嫁さんができた時困っちゃうよ!」
その会話にいつもの事ながら星宮が参戦してきた。
「お、お嫁さんって、、今そんな話してもしょうがないだろ」
「ねえ玲奈っち!結婚した人が勉強出来なかったら嫌だよね!?」
「別に勉強が全てな訳じゃないわよ、、それにその理論だと姫華は当てはまりそうなのだけれど」
「ア、アレ、、?オカシイナ、、?」
「とぼけんな」
星宮の質問は霧島によって切り捨てられ、カウンターが帰ってきた星宮は口笛を吹いて知らんぷりをしていた。
「黒崎くんは将来やりたいこととかないの?」
「特になんも考えてねえなあ、、困ったら今のカフェで働き続けようかなあ」
「いいじゃない、そしたら毎日飲み物サービスして貰えるわね」
「いやだから来んなよ!今も将来的にも来んな!」
「いいじゃない、減るものじゃないし」
「こいつ、、」
霧島は困っている黒崎を微笑みながら見ていた。
「てかさ!2人は卒業後も一緒にいるんだね!」
星宮は結構大きめな声で2人に問いかけた。
「ち、ちが、、!一緒にはいないわよ!ただ客として来るだけよ!」
「いやだから来んなって言ってんだろ、、」
突如の星宮の問いかけに霧島は赤面する中、黒崎は冷静に言葉を返した。
「な、なによ、、!そんなに私と会いたくないわけ?」
「ちげえよ!バイト先に来んなって言ってんの!見られんの結構恥ずいんだよ!」
「へぇ、会うのはいいんだ」
「お前は一旦黙れ」
「いたっ」
横槍が激しい星宮に、黒崎は軽くチョップを入れた。
「姫華、あんたそろそろ静かにしないとこの前のこと黒崎くんに言うわよ」
「なんだ?」
「この前のこと、、?なんかあったっけ?」
「だからこの前ウキウキに話してたじゃない、山田くんとデートに行っt」
「あー!ごめんなさいごめんなさい!!ほら玲奈っち!次移動教室だよ!早く行こ!!」
「ん、、?え??」
「な、なんでもないよ!じゃあね!」
「んー??」
黒崎に突如入ってきたかなりデカめの情報に、困惑と驚きが混じりあっていた。
「それでさー」
「う、うん、、」
昼休み、黒崎と蒼空は校庭で2人で昼ごはんを食べていた。
(あのこと聞いてみた方がいいのか、、?)
この時、黒崎の頭には先程の情報がぐるぐると巡っていた。
「そういえばこの前星宮さんと映画見に行ってきたんだよね」
「え!?あ、、そうなんだ、、?」
いきなりその回答が出てきて、驚いて微妙な反応をする黒崎である。
「映画のチケットが余っててさ。勿体ないから星宮さんと行ってきたんだ」
「へ、へぇー、、」
(な、なんで星宮さんと、、?)
黒崎の疑問点はそこであった。別に映画を見に行くだけなら黒崎でいいし、わざわざ女子の星宮である必要がない。
「星宮さん前この映画の原作好きって言ってたからさ、見たいかなって思って」
「あ、あー、、!そういう事ね!」
答え合わせができた黒崎は立ち上がって納得した。
「ん?なに?龍ちゃんどうしたの急に」
「あ、すまん、、なんでもない、、」
1人だけで舞い上がっていたため、蒼空に変な目で見られてしまった。
「そ、その、、なんだ、、?どうなんだ、、?星宮とは、、」
「どうなんだとは、、?」
蒼空はわけがわからず、困った顔をした。
「いやその、、仲良いのかなと、、」
「別に普通だけど」
「そ、そうか、、」
蒼空は特に変わった様子はなく、平然としていた。それ以降特に踏み込んだ質問もできずに、昼休みが終わった。
「な、なあ!あの2人って実際どうなんだ、、!?」
「うるさいわね、、言うわけないでしょ、、」
放課後、黒崎と霧島はいつものように「2人」で帰っていた。
「今日蒼空が言ってたんだよ、、この前星宮と映画に行ってきたって、、」
「あらそう、それで?」
「いや気になるだろ!あの2人ってどんなんだ!?そういう感じなのか!?」
「私だって知らないわよ、、あとうるさい」
初めて聞く友人の色恋話にとても興奮気味の黒崎に対し、軽くあしらう霧島である。
「いやでも蒼空は分からんけど星宮の方はあんな反応するってことはやっぱ少しは気があるんじゃないのか?」
「はあ、、私もあまり詳しくは知らないのよ、、なに?もしかして姫華のこと好きなわけ?」
「いやさすがにちげえよ!?なんでそうなんだよ!」
「だっていつも姫華と仲良さそうじゃない、いっつもニヤニヤして、、」
「いやしてねえけど、、」
(いやちょっと待て?)
黒崎の頭の中に1つの可能性がよぎった。
「もしかして、、嫉妬してる、、?」
「は、はあ!?!?そんなわけないでしょ!!なんであんたに妬かないといけないのよ!」
「そ、そうっすよねー、、」
明らかに自意識過剰であることはわかっていたが、黒崎はつい聞いてしまった。
(冷静に考えればそんなわけないよな、、)
わかっていたが、少しだけ悲しくなった黒崎であった。




