誕生日
「可愛いぬいぐるみって、、場違いじゃね俺これ、、」
霧島へのプレゼントを探しに来た黒崎。どこにいるかというと、ショッピングモールのぬいぐるみが大量に置いてあるお店に来ていた。実は星宮に誕生日プレゼントのおすすめを聞いたのだが、『可愛いぬいぐるみあげとけば喜ぶよ!』と言われたのだ。
「んまあ確かに喜びそうだけど、、周りの視線が、、」
黒崎の見た目ではこういう可愛い系の場所は全くもって似合わない。いたたまれない黒崎はとっとと選んでしまうことにした。
「やっぱりこういうのより文房具の方がいいか、、?」
どちらかというと霧島は実用性に重きを置きそうなので、黒崎は少し迷っていた。
「ま、まあこんな感じのでいいか、、」
そうして黒崎はそそくさと買い物を済ませ、その場から立ち去ることにした。
「た、誕生日おめでとう委員長」
「あら、私の誕生日知ってたのね」
霧島の誕生日当日、黒崎は朝学校に来たと同時に霧島の誕生日を祝った。
「あ、あのこれプレゼ」
「玲奈っち誕生日おめでとーー!!!」
「勢いがすごいわね、、」
黒崎がなにか言おうとしたその時、星宮がとんでもない勢いで霧島に飛びついた。
「はいこれプレゼント!」
そう言って星宮はカバンの中から可愛らしい柄のマフラーを取り出した。
「このマフラー、、!私が前欲しいって言ってたやつ、、!」
「へへん!玲奈っちめっちゃ欲しそうだったから買っちゃった!」
「ありがとう姫華、大事にするわね」
「あの俺もプレゼントが、、」
「おーいお前ら席に着けーHR始めるぞー」
「あ、、、」
黒崎の声掛けも虚しく失敗に終わり、渋々席に戻ることにした。
「委員長今日誕生日なんだね」
「そ、そうだな、、」
昼休み、蒼空と黒崎はいつも通りお昼ご飯を食べながら話していた。
「い、委員長にこんな感じのプレゼント用意したんだけどどうだ、、?」
「プレゼント?」
そう言って黒崎はカバンの中からクマ柄の可愛らしいシャープペンシルを取り出した。
「いいじゃん、早く渡しに行きなよ」
「そ、それがタイミングが合わなくて、、」
「いや普通に同じ教室にいるじゃん、渡すだけなら一瞬でしょ」
「そ、それが出来たら苦労しねえよ!」
「ふーん、もしかして委員長のこと意識しちゃってる?」
「し、してねえよ!!」
(いやしてるでしょ、、)
蒼空は心の中でそう思ったが、口には出さないことにした。
「それに大体なあ、、」
「私の事呼んだかしら?」
「うわびっくりした!」
そう話していると背後から霧島がやってきた。
「いや、、別に呼んでは、、」
「龍ちゃんが今日委員長と一緒に帰りたいって」
「おい!そんなこと言ってな」
「別にいいわよ、委員会あるから少し遅くなるけれど」
「え?いいの?」
「なによ、、そのくらいいつものことじゃない」
「いつものことなんだ」
「1回蒼空は黙れ」
黒崎は口数が多い蒼空をとりあえず口封じした。
「そ、それじゃあ放課後教室で待っとくわ」
「わかったわ」
そうして、何故か霧島と一緒に帰る約束ができた黒崎であった。
「待たせたわね、、ほら、早く帰りましょ」
「お、おう」
合流した2人は教室の外に出ようとした。
「ちょ、、ちょっと待って!」
「なに?疲れたから早く帰りたいのだけれど」
「ご、ごめん、、これその、、、誕生日プレゼントなんだけど、、」
「プレゼント、、!?」
予想外のことに霧島は驚いた顔を見せた。そして黒崎はカバンの中からクマの柄のシャープペンシルを取り出した。
「そ、その、、気に入らなかったら別に捨ててもいいから、、」
「可愛い、、!ありがとう、、!宝物にするわ、、!」
「そ、そうか、、?気に入って貰えたなら何よりだけど、、」
プレゼントを貰って嬉しそうな霧島を見て、黒崎は少し安心した。
「今度黒崎くんの誕生日にお返しさせて貰うわね。黒崎くんの誕生日はいつかしら?」
「ん、9月10日だ」
「9月10日って結構最近じゃない!なんで言ってくれなかったのよ!」
「いや別に言ったところで別になんも無いと思って、、」
黒崎は家庭が家庭なので、自分の誕生日を祝うという習慣がなかったのだ。なので自分の誕生日の存在自体も忘れることがある。
「私だって黒崎くんの誕生日祝いたいわよ!そ、その、、友達なんだから、、!」
「そ、そうなのか、、?す、すまん、、」
「じゃ、じゃあこれお返しとして1個あげるわ」
そう言って霧島は「2個」セットになっているシャープペンシルの片方を取り出して、黒崎に渡した。
「いやこれ俺が渡したプレゼント、、」
「なに?いらないなら別に私が使うわよ?」
「も、貰っていいなら貰うけど、、」
「ふふ、これでお揃いね」
「お、お揃い、、!?」
2つのシャーペンの柄は赤と青になっており、黒崎は青、霧島は赤でまるでお揃いにしてるカップルみたいになっていた。
「い、言っとくけど俺は学校では使わんからな、、?」
「なんでよ、折角お揃いなのに、、」
霧島は悲しそうな顔をした。
「い、いや俺がこのシャーペン使ってたらイメージと違うだろ、、?」
「別に誰もシャーペンなんて見てないから大丈夫よ」
「使ってたら壊れるかもだし、、」
「シャーペンってそういうものよ」
「ああもう!なんかお揃いだとカップルみたいで恥ずいんだよ!」
「か、かっぷる!?!?」
霧島は顔を真っ赤にして、2つのシャーペンを眺めた。
「た、確かに、、それは盲点だったわ、、」
「だ、だから俺は学校では使わん!予備として持っとくことにする」
「そうね、2人で勉強する時とかに使いましょ」
「そ、そうだな、、?」
(それはそれでなんかあれだな、、)
2人で勉強する時に隠れて使うのも、それはそれで隠れて付き合ってるカップルみたいだと思ってしまった黒崎だが、これ以上言うと怒られそうなので、これは心の中にしまっておくことにした。
おまけ 星宮へのお礼のケーキ
星宮 「龍っち結局ぬいぐるみにしなかったの?」
黒崎 「冷静に考えて学校にぬいぐるみもってこねえよ」
星宮「それにしてもこのケーキめっちゃ美味しいね!」
霧島 「そうね、美味しいわ」
黒崎 「てかなんで委員長もいんの?」
霧島 「姫華が誕生日ケーキ奢ってくれるって言うから来たのよ」
星宮 「龍っちごちそうさまです!」
黒崎「なんで2人分も奢るんだよ!」
霧島 「じゃあ別にいいわよ、、自分で払うわ」
黒崎 「ああもうわかったよ!奢ればいんだろ!奢れば!」
星宮 「わあ!龍っちかっこいい!!」
黒崎 「お前だけは絶対に許さんからな」
誕生日編 完




