頼りな存在
「それじゃあ後期の委員会と役員を決めるぞー」
「「「はーい」」」
9月になり後期の委員会決めとなった。
「まずは学級委員長からだが誰かいるか?」
「はい」
「まあだろうな」
最初は委員長決めだがまっさきに隣に座っている霧島が手を挙げた。
「それじゃあ委員長は霧島で決定だ。次は副委員長やりたい人いるかー?」
黒崎は関係ないとばかりにスマホをいじる。しかし周りを見渡してみるとどうやら誰もいないようだ。
「いないのか?まあそれなら委員長の霧島が誰か指名してもいいぞ」
どうやら委員長の霧島が相方を選べるようだ。
(こいつ一緒にやる人いんのか?星宮とか?いやあいつは真面目にやらねえな絶対)
黒崎の星宮に対しての信頼度は皆無である。星宮が副委員長になったらクラスが崩壊するのではないかと思うくらいに皆無である。
「そうね、、誰にしようかしら、、?」
そう言って霧島は黒崎の方を向く。
「ちょっと待て何故こっちを見る?」
「あ、あんたを更生させるために選ぶのよ」
「ぜってえ友達いねえから俺選んだだろ!」
「お、黒崎やるか?それじゃあ黒崎が副委員長で決定だな」
「いやちょっと先生!」
そうして何故か黒崎は副委員長に選ばれることになった。
「それじゃあ委員長と副委員長出てきてあとは2人で指揮を取って決めてくれー」
そうして霧島と、そして黒崎も何故か前に出されることになった。
「全く、、俺を選びやがって、、」
「ご、ごめんなさい、、つい、、」」
「まあいい、とりあえずとっとと決めちまうぞ」
「そ、それじゃあ次は生活委員やる人いますか?」
そうして次々と委員会は決まっていった。
「次体育委員やりたい人いますか?」
「「「はい!」」」
「結構いるわね、とりあえず話し合ってもらってもいいかしら?」
やはり体育委員は人気である。体育祭の競技や、球技大会の種目などに関われるためやりたい人は多いようだ。
「いや俺がやりたい!」
「いや俺の方が、、、」
「な、なかなか決まらないわね、、どうしましょう、、」
10分ほど経過したがまだ決まらず、霧島は悩んでいた。
「俺の方がバスケ上手いし!」
「そんなこと野球は俺の方が、、、」
「やばいわね、、喧嘩になりそうだわ、、」
あまり良くない雰囲気に霧島はかなり焦っていた。
「ったく、、お前ら委員長困ってんだろ、そんなに決まんねえなら俺とジャンケンして勝ったやつが体育委員にするけど?」
なかなか決まらずイライラしていた黒崎は睨みつけながらそう言った。
「ご、ごめん、、」
「じゃ、じゃあ俺は別にいいかな、、!俺は別のやるわ、、!」
怯えたのか身を引いたのかよくわからないが1人が意見を変えたためこれで決定となった。そうして全ての委員会が決まり無事に委員会決めは終了となった。
「あ、ありがとう黒崎くん、、」
「ん?なにが?」
「いやほらその、、なんか助けてもらっちゃったから、、」
「ああ、だってめんどくせえから早く決めたかったし」
「あんな一言だけで意見を変えれるなんて、もしかしたら意外と先生とか向いてるかもしれないわよ?」
「学がねえからそりゃ無理だな」
「それもそうね」
「おい」
微笑みながらそう言う霧島に黒崎はすかさずツッコミを入れた。
「それにしてもなんで俺を選んだんだ?星宮とかの方が良かったんじゃないか?」
「それは、、その、、暇そうだから、、?」
「人を暇人扱いすんな」
「冗談よ、意外とあなたのこと頼りにしてるわよ?」
「そ、そうなのか?」
「いざとなったらその持ち前の顔で何とかできそうだものね」
「失礼だな」
褒められたかと思えば悪口を言われる黒崎である。
「そういえば書記は誰なんだ?」
「えっと、、書記は、、」
「よくぞ呼んでくれましたあ!!」
「うわびっくりした!」
黒崎が問いかけた瞬間に、机の下から背の小さめの女の子が飛び出してきた。
「書記は前期の時も書記だった三浦心菜さんよ」
「よろしくね黒崎くん!」
「うわー、、ぜってえめんどくせえタイプだ、、」
「ひどい!!」
めちゃめちゃ元気なタイプの三浦をジト目で見る黒崎である。
「そんな事ないわよ?前期だってほら、、、まあ色々やってくれたわよ?」
「ぜってえなんもやってねえだろそれ!」
「書記って委員会やらなくていいし、ちょうどいいよね!」
「本音でてるぞ」
「あれ?」
はなからやる気が無さそうな三浦に黒崎は早速呆れていた。
「まあいい、とりあえず後期の目標を立てていくか、、」
この学校では各クラスごとにクラス目標を立てて行かなければならないので、3人で考えて決めなければならない。
「まあ無難に勉強頑張るとかでいいか?」
「黒崎くん勉強しないじゃない」
「んじゃだめか」
黒崎の出した案は速攻で棄却された。
「じゃあ私も!」
「お、なんかあるか?」
三浦が元気よく手を挙げたので黒崎は話を聞いてみることにした。
「2人はいつから付き合ってるんですか!!」
「「は!?」」
三浦の予想外の質問に2人は一斉に立ち上がった。
「いや、、俺たち付き合ってないが?」
「そうよ!きっと変な誤解をしてるわ!」
2人は三浦に対して反論したが、三浦はきょとんとしていた。
「だっていつも一緒にいるからラブラブカップルなのかなって!!」
三浦はキラキラした目で2人を見ながらそう言った。
「はあ、、何を勘違いしてるのか知らんが、俺もこいつもそういうのじゃねえから」
「そ、そうよ、、!断じて好き、、、とかじゃないわ!」
2人は三浦に誤解を解こうとした。
「そ、そうだよね、、ごめんね、、嫌だったよね、、」
「あ、、ごめんなさいそんな怒るつもりとかはなくて、、!」
「みんなに隠れて付き合ってるんだから大きな声で言っちゃだめだよね、、」
「全然わかってねえなこいつ!」
結局誤解が解けたようで解けてないまま1日が終わってしまった2人であった。
「バイト終わったし帰るか、、」
黒崎は週5でバイトをしている。平日も時々遅くまでシフトに入ることもあるので、少々疲れることがある。
「今日はコンビニで何か適当に買ってくか、、」
1人暮らしであるため、当然自分でご飯も用意しなければならない。しかし最近は遅くまで入る日にはコンビニで済ませることも多い。
「なんか部屋の前に誰か立ってるな、誰だ?」
黒崎が家に帰ろうとすると、アパートの黒崎の部屋の前に誰か立っていた。そしてその人物の顔を見ると黒崎は驚愕した。
「な、、クソババア、、」
「早速会ってその口なのね」
黒崎の目の前に現れたのはなんと黒崎の実の母であった。
「関わんなって言っただろ、なんで来た」
「別に?実の息子を気にかけようとしているだけよ?」
「白々しいんだよ気持ちわりいな」
黒崎と黒崎母はほぼ絶縁状態である。黒崎が生まれてまもなく両親は離婚し、黒崎が成長しても黒崎母はほとんど家におらずほぼ育児放棄状態であった。
「最近どうやら楽しそうね」
「は?なんでだよ」
「最近女の子連れて遊んでるらしいわね」
「は、、?」
よくわからないが、どうやら黒崎母はおそらく霧島のことを知っているようだ。
「可哀想ねぇ、真面目そうなのにあんたみたいなやつに付きまとわれて」
「付きまとったりなんてしてねえよ!」
黒崎は実の母に対して手が出そうになったが何とか抑えた。
「あんたみたいなバカと絡んだらイメージダウンにもなるだろうに、ほんとに可哀想な子ね」
「てめえわざわざそれ言うためだけに来たのか、、?」
「私は可哀想な1人の女の子を助けるために来ただけよ?それじゃあ私は帰らないといけないから」
「ちょっと待ておい!」
そう言い残して黒崎母はいなくなっていった。
「ちっ、、、、あのクソ親が、、」
黒崎の母、そして父も同様にこんな感じである。父には学費を払ってもらっているだけまだ感謝しているが、生まれた直後に実質的に捨てられているため、当然憎んでいる。こんな両親を持っているため、高校からは一人暮らしをせざるを得なく、バイトを沢山入れて生活費を稼いでいるのだ。
「最悪な気分だなほんと、、、とっとと寝るか、、」
バイトで疲れた黒崎はそのまま布団に入り眠りにつくこととなった。




