夏休みライフ2
「それじゃあさっきのチームで2対2で対決ね!」
「いや普通チーム替えしねえか?」
ボーリング場にきた4人は今度は先程のバドミントンのチームで対決することになった。
「だってさっき負けて悔しいんだもん!」
「小学生かよ」
地団駄を踏む星宮に少々呆れ気味の黒崎である。
「はあ、今度は私の足を引っ張らないようにしてちょうだいね」
「なんだこいつは」
サーブを空振ってたやつが何様だと言わんばかりな視線を霧島に送る。
「それじゃあゲームスタート!」
そうしてボーリング対決が始まった。
「そんじゃあ俺からか」
「ストライクお願いね」
「はいはい」
黒崎はボーリングの玉を持ち、思いっきりボールを転がした。しかしそのボールはガーター1直線だった。
「ふふふ、どうやらボーリングは下手くそなようね」
「しょうがねえだろ!やったの小学生以来なんだよ!」
黒崎はボーリングなんてほとんどやったことないので、全然できない。
「何とか真ん中を狙って、、、、、ほら!5本倒れたぞ!」
「そ、そうね、、すごいわね、、」
5本倒しただけで大喜びの黒崎にツッコミたいところだが、あまりに無邪気に喜んでいるので何も言えない霧島である。
「ほら次委員長の番だぞ」
「まかせてちょうだい」
そうして霧島は両手で重そうにボールを抱えた。
(高校生ってボーリングの玉両手で持つのか?)
ということを黒崎は思った。
「蒼空っちがんばれー!!」
「お、重い、、」
そう思った矢先隣のレーンを見ると、重そうにボーリングの玉を両手で持っている蒼空がいたので、まあそういうものかと思った。
「じゃあ行くわよ」
「がんばれー」
「よいしょ、、、えい!」
(可愛い)
急に可愛い声を出す霧島に少々口が緩んだ黒崎である。しかしそのつかの間、その両手で投げたボールは見事真ん中を撃ち抜き、ストライクとなった。
「いや、は?ストライク?」
「やった!ストライクよ!」
「いや意味わからんけど」
何故あれでストライクが取れるのか理解ができず唖然とする黒崎である。
「俺も何とかストライクを、、、!ダメか、8本だ」
「ふふ、まあ私の投球を見てなさい」
「あ、はい」
いつも以上に得意げな霧島に少々呆れ気味な黒崎である。
「えい!」
(だからなんでそんな声可愛いんだよ)
いつものツンケンした霧島からは想像ができない声に更に口が緩みそうになるが、霧島の投げたボールは思いっきりガーターだったため、いじりモードに変更した。
「ははは!やっぱさっきのはまぐれだったんだな!」
「うるさいわよ、、ほら、次あんたの番、、!?!?!?」
「おっと!?!?!?」
投球を終え戻ろうとした霧島は、足を踏み外しちょうど交代しようとした黒崎に向かって一直線に倒れ込んできて、それを黒崎は間一髪キャッチした。
「おい大丈夫かよ、、」
「だ、だ、大丈夫よ、、、!!」
「なんだどうした?顔赤いぞ?ぶつけたか?」
「そ、そうじゃなくて!!なんでさっきもあったのに、、!」
「さっきも、、、?」
黒崎は今の自分の状況をまた分析し始めた。そうして冷静に考えてみると、普通に霧島を思いっきり抱きしめていることに気づいた。
「あ、、、ご、ごめん気づかなかった!嫌だったよな、、」
「い、いいわよ、、!べ、別に嫌じゃないし、、」
「え?今なんて、、」
「あーー!!玲奈っちと龍っちが抱き合ってるー!」
「そ、そんなわけないでしょ!!誤解よ!!」
「そ、そうだ!そんなことするわけねえだろ!」
星宮の言葉に大焦りした2人はパッと離れてそのままボーリングを続行するのであった。
「久しぶりに体ちゃんと動かしたな、肩いてえわ」
「そうね、、、」
遊び尽くした4人はラウンデワンを出て、それぞれ帰宅していた。霧島と黒崎は帰り道が途中まで一緒なため、2人で帰っていた。
「痛っ、、、!」
「どうした?」
「足が筋肉痛みたいね、、」
霧島は年1くらいでしかまともに運動しないので、当然脚は筋肉痛になった。
「大丈夫か?歩けそうか?」
「ゆ、ゆっくりなら何とか、、」
ただ、ゆっくりでもかなり脚を引きずっていた。
「ったく、、しょうがねえな」
「な、なに?」
それを見兼ねた黒崎は、霧島に対して背中を突き出した。
「ほら、背中に乗れ。家まで送ってやる」
「え!?で、でもそんな、、悪いというかなんというか、、」
「ん?別に俺は大丈夫だが?」
「そ、そうじゃなくて、、!」
「、、、?なんだ?よく分からんがとっとと乗ってくれ、早く帰りたいんだ」
「わ、わかったわよ、、!!」
そうして霧島は黒崎におぶられることとなった。
「、、、、、」
「お前軽いな、やっぱダイエットなんてしなくていんじゃねえか?」
「あんたって私の事女の子として見てないわよね」
「え?」
急な霧島の言葉に黒崎は少し困惑した。
「ほら、、!今だってこうやって躊躇せずにおんぶとかしちゃってるし、、私の事女の子として意識してないのかなって」
「そ、それは、、」
急な話に黒崎は更に困惑していた。
(なぜそんなことを聞くんだ、、?)
黒崎には霧島がどういう意図で発言しているのか分からなかった。
(俺に女の子として意識して欲しいのか、、?)
黒崎にはこの結論しか浮かび上がってこなかった。
「私って可愛げ無いし、、女の子として見られなくても当然よね」
「そ、そんなことはねえだろ!」
「そ、そうかしら、?」
急に大きめの声を出す黒崎に霧島は少し驚いた。
「お前は普通に可愛いし、うざい時あるけど優しいし」
「へ!?!?」
「それにボーリングしてる時も聞いたことない可愛い声出してたし、真面目で努力家だし」
「わ、わかったわ!!わかったから!!もうやめて!!」
「そうやって恥ずかしがるとこも女の子っぽいぞ」
「背中に頭突きするわよ!」
「はい、すいません」
少々殺気を感じたので黒崎は即座に引き下がった。
「そういや今週夏祭りだな」
「ええ、そうね。楽しみだわ」
「頼むから迷子とかにならないでくれよ?」
「あら、黒崎くんが守ってくれるからその心配はないわね」
「人任せなやつだ」
「ふふ」
そんなたわいもない会話をしながら、無事霧島の家まで送り届けることができた。
「ほら着いたぞ」
「、、、、、」
「おーい」
何故か霧島からの返答がない。どうしたかと黒崎は霧島を背中から下ろしてみた。
「いや、寝てるじゃねえか」
そこには疲れ果てて寝込んでいる霧島の姿があった。
「ほら、着いたって」
「つれてって、、、」
「おい!?」
寝ぼけた霧島はそのまま黒崎の体に絡まるように抱きついた。
「おい離れろ!家の中くらい自分で行けって!」
「やだあ、、、」
「おい!!」
「あらあら騒がしいかと思えば」
そうこうしていると家の中から霧島母が出てきた。
「いいわねえ仲良しで」
「これはその、、!とりあえずこいつ引き剥がしてくれませんか、、!」
「う〜んなかなか難しいのよね〜無理やり引き剥がしたら機嫌悪くなるのよ〜」
「そこをなんとか!!」
「あ!お姉ちゃんが彼氏に抱きついてる!写真撮っとこ!!」
今度は玄関の奥から霧島妹もやってきた。
「すいません助けてください」
「ごめんねうちのお姉ちゃんが!ほらお家入るよ」
「うーん、、、」
そうして霧島妹が近づくとそのまま霧島妹にくっついた。
「磁石かなんかなのかこいつは」
「それじゃあ彼氏さんばいばい!お姉ちゃんと仲良くしてね!」
「はい、、、てか彼氏じゃねえ!!」
結局誤解されたまま終わったような気がして、モヤモヤと疲れが一気に来た黒崎であった。




