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【オリジナル/本編】高身長ショートカット38才シングルマザーが、プロ野球入りを目指す高校3年生のぼくを好きになった  作者: @FITabc


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18/22

川伊君をわがチームに必要な人材として評価しています!

前章のデートの続きを書きたいが、ユージの進路について、大きな話が来ているので、先に書かせてもらう。デートの約10日後の9月10日のことである。


夏休みも終わり、新学期が始まって、2日後、学校に1本の電話が入っていた。


社会人野球チームの雄、エヌエヌエス東海硬式野球部監督の長田からだった。


ユージが野球部に必要なので、関係者と学校内で面談をしたいとのこと。


高校生がプロ志望届を提出する前の社会人野球関係者が当人と接触することは、禁止されているためである。

学校を通じた正式な接触が行われる。


それを、川伊家へ伝え、9月10日に面談が決まったのだ。


当日となり、

エヌエヌエス東海の長田監督と野球部マネージャー中西英雄が来校。

中野高校に、野球部の監督が訪問するのは、初めてである。


とある会議室にユージと両親、米村監督、進路指導、担任も揃い、会議が始まった。


それぞれの挨拶、名刺交換が終わり、

中西マネージャー

「当社は野球部員を社員として採用します。

4月入社を前提に動きますので、年内に内定の確定をしたいです。

率直にいうと、ドラフトの結果を待つと間に合わないからです。」


長田監督

「川伊君がプロ志望届を出すのか、率直に伺いたいと思っています。

プロを目指す気持ちが強いなら、私たちは無理に引き止めるつもりはありません。


が、正直に言います。

我々は、川伊君の将来性に大きな魅力を感じています。パワー、スピードだけではない人間としての内面を非常に高く評価しています。

相手を尊重する態度、練習熱心ということも我々の耳に入っている。

わがチームに必要な人材として高い評価をしています。」


ユージが

「評価をしてくださり、光栄です。

でも、現在、怪我の治療中でして、こんな自分でもお役に立てるのでしょうか?」


中西マネージャー

「怪我の話は聞いています。あらためて教えていただけますか?」


ユージ

「左肩の棘上筋きゃくじょうきん部分断裂です。」


中西マネージャー

「川伊さん、怪我をしてから、2週間はアイシングや痛み止めで安静。さらに4週間で可動域の回復トレーニングを経てますね。

今は、キャッチボール、肩周辺の筋力回復などのリハビリをしている最中だと思いますが。」


ユージ

「はい。え?でも、なぜご存じなんですか?」


中西マネージャー

「当社には専属のトレーナーがいます。

ケガを抱えた状態で入社した選手も、必ずグラウンドに復帰させます。

再発を心配しているかもしれないが、当社にくれば、しっかり治せます。

プロみたいに結果をだせなくて、焦って壊れることもありません。

うちは人を大事にする会社ですから。」


ユージ

「あ、中西さんがおっしゃていた選手って、中西さんご本人ですね?」


中西マネージャー

「あ。あー、監督、あっさり見破られましたね。」


一同笑う。


長田監督

「そういう洞察力、頭の良さも買っているんです。」


ユージ

「監督さん、それ、後付けではないですよね笑」


長田監督

「二本目やられたな。イヤー、参った。」


一同笑う。


長田監督

「今日、返事をする必要はないが、ゆっくりご家族と話をしてください。

先ほどは、期限があるようなことを言ったが、君が来てくれるならいつまでも待ちます。いいな、中西。」


中西マネージャー

「もちろん。」


長田監督

「中西は、人事部の剛腕人事担当なんですよ。」


話は、この後、世間話となり、ユージの小さい頃の話、中学から野球をはじめ、身体が小さかったことなどを話して、終わった。

次に会うのは9月20日だ。


帰り際に、ユージ

「監督さん!ちょっと練習を見て行ってください!」


長田監督

「見るだけなら構わんが、指導とか勧誘とかの話はできないけど、いいかな?」


ユージ

「練習を見ていってほしいんです。見るだけでいいです。」


見せるようなすごい選手はいたかな?と思ったが、公立高校で、知多医科大学付属高校の小谷から8安打を放ったチームを見るのも、おもしろそうだと快諾した。


それがすごいことになる。



時間を少し戻して、

再び8月の夏休みも終わる野間灯台での、奈央子とユージとの二人きりのデートシーンに遡る。


奈央子が夕陽に染まる空の海を見て思った。

ユージから野球まで取り上げることは、野球の神様だろうと、私が許さない、と。 


ユージの全てが愛おしい。その想いが弾けた。

奈央子は、思わずユージをぎゅっと抱きしめた。


ユージも奈央子を抱きしめた。


奈央子があっと小さな声をだした。


奈央子は、何かを言おうとした。


ユージは、奈央子がユージにやるように、口に人差し指をあて、先にこう言った。

「奈央ちゃん、今日はありがとう。

このままずっと、出来れば朝までこうしていたいけど、アキラもパパもママも、奈央ちゃんを信頼している。

それを裏切ると奈央ちゃんがどこかに行っていなくなる気がする。それだけは絶対に嫌だ。」


奈央子も同じことを言おうとしたのだ。

特に告白や何もなくても、二人の心は通じていた。



次回はアキラの投球をみた長田監督が度肝を抜かれます。

お楽しみに。



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