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【オリジナル/本編】高身長ショートカット38才シングルマザーが、プロ野球入りを目指す高校3年生のぼくを好きになった  作者: @FITabc


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16/22

ユーちゃん、手、つなごっか?

ユージが病院に運ばれた7月16日から、2週間経過した。


炎症も治まり、悪化はしていなかった。


主治医の森田先生によると、

これから、可動域の回復トレーニング、

インナーマッスルの軽いトレーニングを開始すると。

インナーマッスルと肩胛骨が安定すると、再発のリスクが下がるため、大事なリハビリだ。


更に1ヶ月間、黙々と取り組まなければ、ならない。

地味なトレーニングには、慣れてはいるが、野球が出来なくなるかも知れないと思うと、不安が先に立ち、気持ちが晴れない。


それでも、アキラや3年の野球部員が、リハビリに付き合ってくれたり、家に来てくれる。


ユージの一番楽しみなことは、アキラと一緒に奈央子に会うことだ。

ただ、話すだけだけど。


奈央子は、リハビリの話、野球の話は一切しない。頑張れとも言わない。

テレビを見て笑ったり、お菓子を食べたり。

ユージはそれだけで良かった。奈央子の側にいられるから。


奈央子には、決め事があった。

それは二人きりで、奈央子の家で会わないこと。お互いに好意を持っていることを、周りが察しているので、尚更だ。

ユージは両思いであることに気づいていない。

奈央子はユージが自分を好きであることに気づいてはいるが、正直、確信は無い。自信も無い。



時はそれから更に1ヶ月が過ぎた。


可動域の回復とインナーマッスルのトレーニングもそろそろ終わる、8月20日頃、奈央子の家に、アキラ、カナ、リコも集まっている。


奈央子

「ユーちゃん、今度、内海にドライブに行かない?私、車を運転するわよ。」


「え?いいの?」


リコ

「行ってきなよ。」


アキラもカナも来ていた。


パァー、とユージの顔が明るくなった。

「行くよ。行きたい!」

「でも、みんな車に乗れないよ。」


奈央子

「二人きりよ。」


アキラもカナもリコもニコニコしてる。


実は、美香がリハビリを真面目にこなしながらも、元気のないユージを不憫に思い、奈央子に相談していたのだ。


ユージ

「うん。行くよ。」


嬉しそうなユージ。


みんなもホッと一息、嬉しそうだった。



その日は、夏休みの終わりも迫るころ。


奈央子がユージの家まで迎えに来た。


奈央子は、ノースリーブにワイドパンツ、

ユージは、Tシャツに膝上のスイムショーツを着ている。


美香が見送りに出てきた。

「あらー。お似合いね。」


「では、行ってまいります。アキラをよろしくお願いします。」


アキラは、川伊家でリコとカナと勉強だ。


発車。

「奈央ちゃん、今日はありがとう。」


「ねえ、私たち2人でいると、親子に見えるわね。」


「そんなことないよ。高校生と女子大生に見えると思う。」


「まあ、大人をからかっちゃ。悪い子ね。」

まっすぐ見たままの奈央子。


ユージ

「あれ?」指で突かれるのを待っていた。


奈央子は察したが、運転中である。

「運転中だから後でね」


「え?なんのこと?」

しらばっくれるユージ。


そして、2人で笑った。


車内には、聖子ちゃんのアルバムが流れている。


「私も聖子ちゃん、好きなのよ」

赤いスイートピーが流れている。


「聞いたことある。」


♪付き合って半年過ぎたのに、あなたは手も握らない。ちょっと気が弱いけど素敵なあなたについていきたい(筆者解釈)


「奈央ちゃん、ぼくは小学校5年生から知ってるのに、手も握ってないね。」

「奈央ちゃん?」


奈央子

「フフフ、ハハハハハ」


「何がおかしいの?ほんとのことじゃん。」



野球で見せる顔。

アキラといるときの顔。

リハビリで見せる顔。


しかし、今この瞬間のユージの顔は、私しか知らない。


「美浜ビーチランドに行こうよ。」


「あら、いいわね。水族館とイルカショー見れるわね。」


着いた。日差しが強い。

奈央子はつばの広いリゾートハットを被り、日傘を差した。


「あっ、練習用の帽子持ってきちゃった」


「あらあら」奈央子大笑い。


「被ってみて」


「うん」

似合わない


「爆笑」


「もー」


「私の貸してあげるわ。」


「うん」

もっと似合わない


「大爆笑、やめてユーちゃん、腹筋がツルわ。笑」

「日傘に2人で入りましょう。」


仲良く2人で日傘に入り、水族館エリアに行く事にした。


水族館は、伊勢湾の生態を再現したりで、なかなか見応えがある。


夏休みも終盤で、そこそこ混んでいる。

休みを惜しむようにカップルが多い。


腕を組んだり、手をつないだり。


さっきから2人の手の甲が何度か当たる。

近いから。


ユージ

「僕たち、8年の付き合いだよね。」


奈央子

「小学と中学はノーカンでしょ?」


ユージ

「じゃあ、3年だね。」


奈央子は無意識に、

ユージの人差し指を、親指と人差し指でつまんでしまった。


ユージは、一瞬びっくりしたようだったが、知らないふりをした。


しばらく、2人で水槽を見て歩いたが、

奈央子が言った。


「ユーちゃん、手、繋ごっか?」


この章はここまで。




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