モズクワ兵との衝突
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遠征出発日
「よーし、全員荷物をもう一回チェックするぞ!荷物出せ!」
がさがさ
エリンと5人の従者たちが荷物を外し、荷物を出す。
「救急セットだせ」
バッ!
「よし!5人はいつも言われて鬱陶しいかもしれないが、いつまで言うぞ!死にそうになった逃げろ!以上!いくぞ!」
荷物装具のチェックを終えて俺たちは集合場所へむかう。
西門前
「よーし!!!いくぞ!!!開門!!!」
女王の大声とともに門が開く。
薄暗い平原が眼下に広がっていた。
遠征33日目 昼 ソイツ王国 タールアッパー跡
ここまでソイツ王国との戦闘はない。
食事は毎日自給自足な為、ギリギリだった。
タールアッパー跡はガレキがからりと乾燥し、20年の時の経過を感じさせた。
遠征40日目 夜 ソイツ王国 某村郊外
前方に村。俺たちは夜襲を行った。
村は避難途中で完全な追撃戦になる。物資をわずかに確保した。
戦闘後
「エリン、はじめての戦いだったけど大丈夫だったか?」
エリンはヒト型の生き物を殺したのが俺が知る限りはじめてだ。
「うん~?やっとご飯がいっぱい食べられるね~!」
そういってエリンは口づけしてくる。
どうやら、俺の心配は杞憂だったようだ。
「そっか!」
その日は夜間戦闘もあったので、装備と体の手入れをして休んだ。
遠征45日目 昼 ソイツ王国とモズクワ王国 森
この森がソイツ、モズクワの境界だ。
遠征49日目 昼 モズクワ王国 森と平原の境界
俺たちは敵を発見した。
だがまだ遠い、加えて雨のため、敵の規模がよくわからなかった。
敵との戦闘は翌朝が予想されていた。
「エリン、お前たち、わかってるかもしれないがもう一度言うぞ。明日はモズクワが敵だ。モズクワは今まで見たこともない武器や陣形をとってくる可能性が高い。いきなり突っ込むなよ。まずは距離をとって相手の行動を理解しろ。安易に正面からいこうとするなよ。突然、飛び道具が来るかもしれないからな。陣形は前回と同じで、エリンとリカで馬の防御、残りで馬車だぞ。危険と判断したら、この位置まで退却だ。退却後の行動はいつも通り、退却して2日たっても俺が来なかったら俺はあきらめて国まで逃げろよ?最後に例の話はいつでもあれと思え。そのときは迎えに行くからな。では質問が無ければ休め」
今回の遠征軍では不満が一つある。
それはエリンと俺は年が近いため一緒に見張りにつけないことだ。
俺が見張りにつくと、俺の次に若いエリンは俺と同じ時間に見張りについていた誰かと交代することになるからだ。
まぁ、見張り中は極めて真面目に勤務につくのだが・・・
遠征50日目 朝 モズクワ王国 森と平原の境界
雫がキラキラと光る平原にズラッとモズクワ兵が並ぶ。
見た感じは2万人だが、奥にも控えているので、4から5万人ってところか。
重装歩兵と軽歩兵、軽騎兵ってところだな。
こちらは55名(従者含む)エリンは後方に下げさせているので49人が進む。
じりじりと近づくと空に大きな球体が現れ、どんどん大きなっていく。
投石機から投げられた岩がこちらに向かってきていた、すごい数だ。
「(ちょっとこの岩を受けるのはキツイな)」
俺は岩と岩の間によけ、間隙にまっすぐに飛んできていた槍をサイキックで止める。
平原に隕石が落ちたかのように岩がめり込んでいる。そして無数に刺さる槍。
俺のように500歳未満はみな、岩をよけ槍を止めているようだ。
年を考えずに岩を無理矢理止める勇者もいたが、果たして彼は魔力がもつのか・・・
1000未満500以上は、岩を受け止めたり避けたりが半分半分だった。
1000以上は避けるのがめんどいのか、何事もないかのように岩を受け止めるだけではなく、投げ返していた。
女王をはじめとした1000越えのバケモノたちは巨大な岩をちょうどいい武器が手に入ったといわんばかりに、周囲に浮かばせ。振り回しながら敵の陣形に突撃はじめた。
若手は槍を周囲に展開する。
俺はなにも展開しない、いつものように地味にいくのだ。
俺はできれば軽騎兵へ攻撃しに行きたいが、中央突破しか考えていないジャンキー達は重装歩兵にむかっていく。
ガッシャーン!!ガッシャーン!!
大楯を構えて踏ん張り、味方に支えてもらっても、投石機で飛ばすような岩が投石機から投げ出されたかのように飛んできては支えることできない。
敵の重装歩兵が、おもちゃの兵隊のように吹き飛ばされていく。
しかし、敵はこちらの岩のカウンターが終わったのを見計らっていたかのように騎兵が突っ込んでくる。
俺は適当に地面にぬかるみを作りつつ、落ちていた槍を投げる。
そして突っ込んでくる騎兵にあわせて正面から飛び蹴りを食らわせていく。
懐かしのラ0ダーキックだ!短命種は騎乗していても2mもいかないので、騎兵はちょうどいいサイズだ。
突然のぬかるみで足を取られ転倒する騎馬、馬が槍に貫かれ転倒する騎馬、正面から蹴りをくらって騎手が吹っ飛ぶ騎馬兵。
敵は重装歩兵が囮となり、長命種の攻撃の合間、合間に軽騎兵や軽歩兵が攻撃を食らわせていく。
「(やはり、モズクワは一味違うな。ソイツはマジでボーナスステージだったんだな)」
おれはそんなことを思い、同時に家族が心配になる。
「(はやく終わらせよう)」
俺は騎兵を中心につぶし、一気に高速移動を発動して、敵の後方をめざす。
魔力が増えた俺は出し惜しみしないで走る!
後方の敵から見ると、草原を小さな点がものすごい勢いで駆けてくるのが見えるに違いない。
高速移動中は騎馬の数倍速い。
一瞬で敵前衛騎馬隊を抜け、後方に展開する敵陣をめざす。
後方も前衛と同じように、両翼に騎兵 軽歩兵 の順で展開、中央に重歩兵。
「(まだ司令部はもっとおくか?)」
俺はいやな感じかしていた。
「(さすがに、第2波を越えてまで高速移動はなぁ。。いけるっちゃいけるが、魔力がかなりもっていかれるしなぁ・・・いや、ここまで来たしいくか!!)」
俺はあれこれ逡巡しつつも第2波に迫る!!
「(よし!前回のアレやろう!重装歩兵を飛び越えていっきにいってやる!このまま加速は維持だ)」
俺は方針を決め、重装歩兵に突撃。
その後、重装歩兵の直前で三段跳びし一気に跳躍。
重装歩兵を踏むたびに、足に魔力を集中し、着地の衝撃を足の裏から地面(重装歩兵)に流すようにイメージ、着地後すぐに下半身のバネをイメージし魔力で補助、再び大跳躍する。
足場にされた重装歩兵は、着地の衝撃を頭に一気に受け、頭が胴体にめり込んだようだった。
背骨が折れたのだろう。もう一回大跳躍をし、重装歩兵隊を突破する。
第二波の重装歩兵の被害は足場にされた2名だけだった。
敵は俺の突破を確認したのか、最奥にいた騎兵隊の一部が逃亡をしはじめる。
「(は???逃げるの???くっそ、さすがにあそこまではもたん・・・ここまでか・・・あーあー・・)」
俺は心の中でゲンナリしながらつぶやいた。
敵の司令部は逃げてしまった。俺は敵陣の中央で完全に孤立してしまった。
後方は敵の第二波の全勢力。前方は輜重部隊を中心とした部隊とその護衛。
「(俺、結構ピンチじゃね?)」
魔力も余裕があるとは言えなかった・・・
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