タールアッパーの攻防1
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遠征36日目 夕暮れ ソイツ国タールアッパー郊外
俺は外壁にある無数の穴の正体をしっている。
例の固定###だ。
仕組みは極めて単純。
攻城兵器をもたない俺たちが身体能力で外壁をこえてくるところに針。
いや槍を一気に飛び出させて串刺しにする。
ただそれだけ。
だが、外壁は20mくらいある。
それは跳躍では無理な距離である。
一応捕虜のストックは4つあるので作動状況は確認できるとおもう。
技術的に感応型での発動はないとおもうが、念のためだ。
女王たちも知ってるかもしれないないが、一応会議で俺の知りうる情報をだすことにした。
会議の結果は、女王たちもここまでは300年ぶりで以前はあんなものなかったとのこと。
さすがに女王たちも石の城壁に突撃してどうにかなるとは思ってないようで、とにかく明日は様子を見るために無理せず攻撃することになった。
<がんがんいこうぜ!>から<いのちをたいせつに>になったのだった。
遠征37日目 朝 タールアッパー攻略1日目
非戦闘員とその護衛を残す。
攻撃にいくのは女王を筆頭に32名。俺もここにいる。
俺たちがやつらの攻撃圏内にはいったのか、一気に槍が山なりと真っ直ぐの同時で飛んでくる。
短命種はしっかり学習しているようだった。
だが、女王を先頭に9名の1000歳オーバーが前に一歩踏み出すとその目の前で槍がまるで時間停止したように空中で止まり、バラバラと落ちる。
そして1000歳未満500歳以上が落ちた槍を浮かせ、槍が飛んできた方向に同じように飛ばし返す。
なお、これらは全く打ち合わせはされておらず、勝手がわからない500歳未満が遅れたのはいうまでもない。
カウンターの槍の1射目が外壁に向かうとかなり離れているのにも関わらず敵の悲鳴が聞こえた。
だが遅れた500歳未満のカウンター槍2射目の効果は薄かったようだった。
このようにして俺たちは少しずつ前進する。
俺は頃合いをみて持ってきた1人の捕虜を外壁の穴に投げる。
「や、やめてくれ!!いやだ、いやだぁぁぁぁ ぁぁぁ・・・」
どちゃっ
外壁の装置は発動しなかった。
俺はすぐさま高速移動を発動し、一気に外壁を駆けのぼる。
一回の跳躍で約3分の1くらいのぼる、無数に空いた直径15㎝ほどの穴に手と足をかけて引き続き登ろうとする、穴が大気を吸い込む気配を感じ、俺は一気に外壁を蹴飛ばし後ろに飛び後方宙返りりをするとその直後。
シュアアアアン!!!
一気に針、いや槍が飛び出す!!!しかも鉄だ!!!
「(よし、ヒントゲット!)」
俺は着地の時に見た。
槍の飛び出す壁の範囲と俺を外壁の上で槍の発動を指示もしくは俺の接近を報告した敵を。
なぜならそいつらは、味方のカウンターで頭をふっ飛ばれされていたからだ。
また外壁でうずくまっていた俺の捕虜は外壁の槍に貫かれ穴だらけになっていた。
「(すげぇ威力だな・・・)」
俺はいそぎ女王に撤退の具申をする。
「陛下!引きましょう!!次の攻撃で壁の槍の範囲とタイミングをつかめます!!お願いします!!撤退しましょう!!」
「わかった!!!」
女王は顔を外壁に向けたまま叫んだ。
無駄なのに敵は槍を飛ばしてくる、今はデカい斧も飛んできている。
「おい!!!きこえたか???いったん戻るぞ!!!油断せずさがれ!!!」
俺たちは前進したときと同じ要領で後退する。
たが外壁のほうを向きながらなのでその速度は遅かった。
遠征37日目 昼 タールアッパー攻略1日目
俺たちは非戦闘員のうち高齢の者に見張りを頼み作戦会議をする。
この時に俺は今朝つかんだ外壁の特性を伝える。
槍の飛び出す面の範囲と槍発動の予兆。
槍は外壁上の人間によって接近が知らされ発動されることなど・・・
また、本日は非戦闘員を中心に見張りをたて、戦闘員は休み、夜襲をかけることになった。
外壁上の人間が見にくいかららしい。
俺はすぐに全裸になり泥と炭を塗り夜間偽装をして、ぐっすりねた。
学校に行く前にランドセルに教科書をしまい、体操服を置いておくのは基本だ!
遠征37日目 夜 タールアッパー攻略1日目
ドカッ!「ゴホッ!」
俺の水月に絶妙な蹴りが入る。
「おえ・・・教官おはようございます!起こしていただきありがとうございます!!」
「いいわよぉ~、明日には門をこじ開けて暴れたいわねぇ~」
「無理ですよ・・・あと二日はかかりますよ・・・なんかアテはあるんですか?」
「ないわねぇ~でもこういうのまどろっこしいじゃないぃ~?」
「だなー」
いつの間にか夫の隻腕ダモンがいた。
「(こいつらも結婚生活1300年くらいじゃねーか?ラブラブだよな・・・子供何人いるんだろ・・・)」
俺はそんなことを心の中でつぶやきながら、再度、炭を手に付け体を黒くする。
こんな小さなことで勝率があがるならやるべきだよね!!
「(さて、第二ラウンドといきます)」
俺は味方が暴れてるうちに高速移動し、こっそり後退するつもりだった。
迂回気味に外壁へ高速移動をかけて外壁を登ってやろうと考えていた。
うまくいけば今夜で終わる。
「(いちおう俺の考えをいっておくか・・)」
出撃前、俺は計画を話す。
だが俺が高速移動できることは言わない、バレてるかもしれないが。
門が空けば一気に武器を門内にぶち込むので気をつけろとのことだった。
俺たちは前進を開始する。
外壁の上にはたいまつが灯っているが、人影は見えない。
俺たちの狙撃を警戒しているのか、はたまた隠れているのか。
おそらく後者だろう。
だが、意外なことに女王たちは敵の攻撃を受けることなく門までたどりついていまった・・
俺は戦いの混乱で抜け出すつもりだったのだが、戦いが起ってないので抜け出すに抜け出せずに一緒に門まできてしまった・・・
「(なにこれ・・・・予想外すぎる・・・)」
俺たちは仕方ないので大量に回収した槍と大斧でガンガンと鉄の門をぶったたく。すごいうるさい。
俺はイチかバチか、味方がギャンギャン武器をぶっ壊しながら門をぶったたくのを囮に外壁を登ってみることにした。
「(バレませんよーに・・・せっかく偽装したんだから・・・)」
俺はどこかで見てるであろう俺の守護神<声>に祈りつつ外壁の穴に手をかける。
「(どっかでみてる、どっかでみてる、どっかでみてる・・・)」
夜の空気が壁に吸い込まれる気がした。
俺は叫びながら外壁を蹴飛ばし後方へ。
「壁から槍がでます!!!気を付けて!!門の前に!!!」
ギャンギャンすげーうるさいが聞こえててほしい。
シュアアアン!!
槍が一気に飛び出す。
俺は躊躇することなく槍が飛び出る外壁に再び飛びつく。
槍がスルスルと戻っていく。
俺は自身の体の前面が槍の表面で切られていくことを無視し壁を登る。
なぜなら完全に範囲を掴んだからだ。
外壁の壁は外壁の高さが18mから20mだとすると槍は約6m×6mの正方形のパネルのようになっている。
俺は跳躍で下部エリアを越え、戻りつつある槍の先を指先に魔力を集中しクライミングのように馬上槍のようになっている槍の先端をつまみ登る。
丁寧に掴めばダメージはない、それでも登るときに体の正面が切れるのが難点だ。
そして俺のランスも例外なく表面がうっすらと切れる。
今日ほどズル剥けであることを悔しく思う日はない。
中部のエリアを越えた。
「(やばい!!!まだあと上部が!!!間に合え!!!)」
俺が必死になっていると、右下の門の前でギャンギャンやってる味方の音とは別に背後から悲鳴と集団が駆ける音が聞こえる。
俺は外壁を登るので後ろを見る余裕がなかった。
「(くっそ今度はなんだよ!!!)」
俺はこころの中でつぶやき、決死の外壁チキンレースに挑むのだった。
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