炎の中の戦い
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遠征12日目 昼 森
俺たちは森の中にいるが、敵が近いようだ。なぜわかるかって?それは簡単さ。
俺たちの進行方向から、ものすごい量の炊飯と思われる煙を発見したからさ。
敵の一団を目視したわけではないが・・・
遠征12日目 夜 森
「ここからが本番ね!!!」
ふぁぁぁぁ っと煙をはき陛下が言う
「そうねぇ~」
教官が続ける。
「じゃ!!!次の目標はここ!!!だ!け!ど!もしもの時はこっちで!!!」
「(今回は撤退用の経路もあるのね。やはり、今回まで示していないのは今までの経験か・・・さすがですね)」
一同うなずく。
もちろん俺もだ。煙だけじゃ敵が本当にいるのかわからないし。
「(森なら俺たちのほうが有利だろう)」
正直、俺はなめていた。
見張りの間は葉をひたすらすりつぶし、染料をつくり、髪を切る。
切った髪は大切にしまった。
「(こりゃあ、かぶれるなぁ・・・)」
そんなことを考えながら・・・
遠征13日目 朝 森
俺たちは敵の遭遇にそなえつつ、出発する。
俺はすでに全裸だ。
ついでに全身が緑、茶、黒のまだらの迷彩偽装だ。
頭髪には適当に木の枝刺している。
染料を塗るとき股の間のムスコが悲惨な目になったのはいうまでもない。
気合である。
「(罠は逃げる時にしかつかわないか・・・でも俺全裸だしなぁ・・・)」
例のごとく心の中でつぶやく。
森から俺たちの馬の音と荷車の車輪以外の音が消える。
生物の音が消え失せている。
明らかに敵が伏せている。
ついでに大気の魔力のもやは歪みまくっている。
「(どうする?迂回か?)」
部隊はとまる気配がない。
俺は気づいているであろう、味方にきいてみることにした。
「ロビンさん、敵が伏せてますけどこのままいくんですか?」
彼女は800オーバー兵だ。
「ん~?そうよ~、どうしたの~?」
「(はぁ・・・なんで戦術が発達しなかったんだろ・・・)」
「あー、いえ、攻撃受けるのははじめてなので・・・どうしたものかと思いまして・・・」
「あはは~いつもと同じよ~ 見つけたら殺ればいいのよ~」
「わかりました・・・俺は森の中からいきます」
「????よくわからないけどわかったわ~またあとでね~」
そして単独行動を開始することにした。
俺は馬車からリュックを2つ取り出す、一方には集めた情報。
一方には戦いに必要なものをいれて。
そして1つを背負い1つに紐を通しておく。
次に馬車から降り、俺は一人、味方が進む森の開けた道から離れ鬱蒼と茂る森の木の一つに上る。
「(短命種からしたら森の木々ってすべて巨木だよなぁ・・・)」
リュックを1つ背負い俺は心の中でつぶやく。
木のぼりを終え、恐る恐る木の枝の強度をチェックする。
「(うひょー。この太さ以外はアウトっぽいな・・・)」
そして紐を引っ張りあげ、地上からもう一つのリュックを回収。
それを胸の前に背負う?胸負う?
枝から枝へ飛び移る忍者プレイを実行するときが来た。
味方の車列から少し離れてきている、急がねば。
「(俺は忍者にジョブチェンジだ!!いくぞ、とぅ!)」
ガサッ!ミシッ!
「(結構音するな、やっぱマンガや映画みたいに、サッサって言う感じじゃないかwwww)」
あほである。
その後もビビりながらも要領を掴んだ俺はたらたら進む味方車列に並走するように木々を飛び走る。
「きたぞー!!!ぶちやぶれー!!!」
とうとう味方が完全包囲され、敵が一気に攻めてくる。
ガサガサガサ
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」
ガサガサガサ
敵が突っ込んでくる。
「はーっっはっはっはっは!!!」
「ガハハハハハハハ!!」
「ふふふふ~」
バトルジャンキーどもが笑いながら迎撃のため突撃していく。
俺は右手に熱を集中し、手にもつ煙玉に火がつくのを待ちつつ、木々を渡り、例のごとく偉そうなやつを探す。
不安なのは木登りのためナイフは口にくわえた一本だけということだ。
早く敵から奪わねばならない。
「(くっそー森で伏せてたからか、騎兵がいない・・・)」
そんなことを考えて進む。
つぎの瞬間・・・・
シュボオオオオオオオォォ ゴオオオオオオォォォ
森から火炎が飛び出す!!!
「(火炎放射器だと!!!味方ごと焼きころすのか!?マジかよ)」
シュボオオオオオオオォォ シュボオオオオオォォォ ボウウゥゥゥゥゥ
火炎放射器部隊が火を噴く。俺は火炎の先をみる。
俺たちの味方の周りに敵はいなかった。
第1波はすべてミンチになってしまったようだ。
故に火炎放射器部隊がでてきたのだろう。
俺は敵の指揮官が見つからないことと、予想外すぎる敵の兵装に一瞬うろたえながらも、じきに森林火災になるだろうこの現場から離れ背後から火炎放射器部隊を叩くことにした。
シュボオオオオオォォォ パチパチパチ
木々が燃え出す。
俺は煙玉をさっさと投げ捨て、火炎放射器部隊の背後へ
ついでに大きめの木に登り、樹冠手前に情報リュックを括り付ける。
そして鉄でできたタンクを背負う火炎放射器野郎の首を背後から掻っ切る。
「(鉄?のタンクとかあほだろ・・・あついだろ・・・)」
そして死体をサイキックで浮かし、火をつけている敵にどんどんぶつける!
「(パニくれ!!ついでに引火しろ!!)」
火を放つ横から突然味方の死体をぶつけられた敵が火を噴きながら体勢を崩す。
水平に放たれていた炎は斜め上方へやたらめったら放たれる。
俺は無我夢中で死体が原型を保たなくなるまで繰り返す。
とにかく味方への一斉放射だけは防がないといけないと思いながら。
周囲は真っ赤で空は真っ黒だった。
「(だめだ、敵も味方もどこにいるかわからん!!!自分がどこにいるのかもわからん!!)」
俺は炎の中を適当に走る。
俺の周囲にいた火炎放射器部隊は同士討ちの火災に巻き込まれあちらこちらで燻っていた。
移動しているとたまに火だるまになって叫ぶ敵が転がっている。
「(短命種もアホなんだな・・・)」
熱無効の俺はさっさと炎を抜け出すために適当に進む。
ときおり敵の部隊を蹴散らしながら・・・
50人規模の敵なぞ路傍の石に過ぎないのだ。
そうこうするうちに火災地域から抜け出し急ぎ木に登る。
登れるだけ登り自分の現在地の把握に努める。
まったくわからん。
そんな中、血柱を発見する。
俺は慌てて血柱があがっていたほうへ木々を進む。
教官夫妻が戦っていた。
教官はすごいやけどを負っており、立つのがやっとのようだ。
そんな教官を隻腕の夫が奮戦し守っていた。
俺も援護に加わる。
「ダモンさん!!ジェシカさんを連れて撤退してください!!俺は現在地があいまいなのでお二人に続きます!!!」
「あーっはっはっは・・・わかったー。やられちまったな・・・」
そう言うとダモンさんは教官を担ぎものすごい勢いで走り始める。
「(ちょ!!ま!!俺、道わかんねーって!!)」
俺はナイフを除く武器を一気に水平にふっ飛ばし、敵をなぎ倒し、ナイフに囲まれながらダモンさんのあとを急いで追った。
ダモンさんの後を追い走る。
するとわかるエリアに来る。
俺はダモンさんから教官を受け取り、3人で敗戦時の予定ポイントへ向け走る。
移動するにつれ次々と仲間が合流する。
ジェシカさんのように担がれてる人もいる。
「(やっぱこいつらすごいよな・・・なんだかんだいって生き残るからな・・・)」
朝に始まった戦いを終えてボロボロの俺たちが予定ポイントについたのは夕方だった。
夕方には敗戦時のポイントにつく。
マサはこの読みの深さの陛下に感心するよりもむしろいら立ちを覚えるのだった。
13日目 夜 森。
42人しかいない。陛下を含めてほぼ全員裸だ。
焼け落ちたのだろう。
陛下と俺だけが無傷だった。
陛下は仲間の治療をしていた・・・彼女は再生魔法が使えた。
これは、陛下が人体の構造をある程度知っていることを意味していた。
教官は手足の欠損は治療の甲斐あって免れる。
しかし、腕を中心にひどいやけど跡が残っていた。
42人・・・撤退のギリギリのラインだった。
俺たちは物資どころか、馬も、衣服もない、あるのは武器だけだった。
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