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ヴィルディステの物語  作者: あるかな
【第一章】

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1‐05‐3 セラスのひとりごと

 ここ最近毎日療養棟に通っている。普段は当番の時だけだが、今はナギに“コーマの技”を教える為だ。


 ナギには驚かされる。ちょっと前まで“魔力”が感じ取れない、“コーマの技”って何って、状態だった。それが魔力を感じることができるようになった途端、恐ろしい勢いで身につけていく。少しやり方を示すだけでその先を読んで進み、行き詰れば自分で工夫してその先に進んでいる。わたしといえば側で無理しすぎないように見守っているだけ。


 そんな彼女はもう中級レベルはクリアできていると言ってもいいぐらいだ。それは学舎でわたしが教えている範囲(上限)でもある。

 幼い頃からなんとなくコーマの技を使っていて、初等科でもしっかり学び、学舎で学んだとしても、中級レベルの域にここまで短期間で到達できた子は見たことがない。


 魔力量も多いのだろう。コーマの技は自身の魔力を使う。便利だけれど魔力が切れればそれまで。水は冷たく、物は重い。だが、ナギは、今もそうだが、ひたすら練習している。こんなに続けて使用すればあれぐらいの年齢ならば魔力が枯渇するのではないかと思うのだが、そんなこともなくひたすら練習し続けている。まぁ、一度、やりすぎて気を失ったことがあるので、そこまで膨大ではないとはおもうのだけど......


 例の本も問題なく読めるのだから初等科は出ているのであろう。ただ、それならそれでコーマの技をまったく知らないとか魔力を操れないというのが不思議でしかたがない。

 聖都イスの俗にいう庶民の出であれば、初等科は通っていてもおかしくない年齢だ。それであればコーマについても初等科では簡単なものから教えているはず。


 仮に良家の子女ならば読み書きはもちろんコーマは家庭教師をつけて学んでいる。ナギは良家の子女とも考えられるのだが、そのわりには知らないことが多すぎるし、それらしき尋ね人がいないのも謎である。


 不思議といえば、ナギは最初のころ随分と自分の容姿を気にしていた。

 いつだったか、魔力を感じ取るために試行錯誤して行き詰っていたとき、

『わたしの見た目って変ですか? 髪や瞳の色って、おかしくないですか?』と唐突に聞かれ、驚いたことがある。


 ナギは白い髪色に紅い瞳。どちらも珍しいほうではあるが、街を歩けばどちらも見かける色合いだ。稀な組み合わせではあるが。ただ、珍しい髪色というなら、わたしのピンク色の髪色だ。確か、そんなことをナギに話したら、ひどく驚いた表情をしたかと思うと、急にほっとした表情を浮かべていた。


 何が不安だったのだろう。記憶を失っていると聞いているが、どうもそのこととは別のことに不安を感じているようなのだが。


 なんにせよ、コーマの技の習得。もうわたしが教えるべき範囲のことはすべて身につけたと言ってもよい。あとは考えなくても使えるようになるまで繰り返し練習するだけだ。

 神官長に報告をあげないといけないか。もう少しナギとのこの時間を楽しみたい、というのが本音だけど、流石にね。

 さて、今日か明日、神官長に面会予約を入れなくちゃ。



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