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ヴィルディステの物語  作者: あるかな
【第一章】

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13/298

1‐03‐2 知らない言葉

 


 時間もあることだからと、丁寧に読んでいたら意外に時間がかかる。結局、すべてを読み終えるのに数日かかってしまった。


 本は、学舎に入る子供達に貸与するものだからか、かなり易しい表現で書かれている。

 これはこの本からの知識だが、学舎は基本11歳で入学する。そう考えると、11歳の子供相手というより、小学生低学年相手のような表現が多い。そのためか、物足りなく感じる部分が多かったのだが、かなり読みやすく、この世界のことが少しだけ理解できた。


 主な内容は、元世界でいう小学生向けの社会と道徳。それに、簡単な創世神話が加わったような構成だ。

 この本の知識によると、この国は“ヴィルディステ聖国”というらしい。首都は聖都イスで、大神殿が国の中心。王様はいないが、巫女姫が最高権力者を務めているのだとか。


 王政でないためか、王族や貴族といったものはないようだ。上位者への礼を尽くすことなどは記載されているが、それ以上のことは触れてなかった。他国については、ほとんど記載がない。ただ、王族等がないという記載がわざわざあるぐらいだ。他国ではそういう形態の国があるのだろう。


 だが、貴族という身分はないとあるが、この国での神官の地位は高いようだ。高位神官への対応がこと細かに記されている。貴族はいないと書かれているが、これは身分制みたいなものだろうか......。


 本の後半には学舎で学べること、その先の進路のことのあらましが書かれていた。

 学舎は神官を目指す子供達が学ぶ場所だが、資質によっては学舎を卒業した後に研究者(学者)になることも可能なようだ。まぁ、医療神官、神殿騎士も神官扱いだというのだから、神官と言っても、帰属が神殿であるだけで、かなり職業選択の自由はありそうな気がする。


 学舎で学べることの一つに“魔法”という文字があった。

 この二文字を見つけた時、胸が高鳴るのを感じた。


 元世界で散々魔女扱いをされ、出来もしない魔法を強要されたことが幾度となくあった。それが、この世界では本当に可能になるかもしれないのだ。

 ただ、元世界の知識でなんだが、魔法と言えば魔力である。魔力がなければ、魔法は使えないだろうから、果たして異世界人の己が、すんなり魔法が使えるようになるのか不安に思う。それでも、その可能性を思うだけで、ナギサの心は弾んだ。


 しかし、魔法や魔道具と並んで書かれていた“コーマの技”という言葉には首をひねるばかり。誰もが知っている前提で書かれているが、これだけが全く理解できない。


 “コーマの技”とは、一体......?



国名や巫女姫のことは、クラーヴィアからの名乗りで聞いているのですが、あの時点のナギサは理解が追いついていなかったのです。

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