第89話.なにごと!?
「ところでジンサさん、その頭の住まいは此方であってるのか?」
「へっへっへっ、大人しく付いてきな」
「戻ろうか」
「そうですね」
「な、そう簡単には戻れ…あれ、動けねぇ、なんだこれ」
「なぁに、1日もすれば動けるようになるよ」
「ま、待て、おいっ」
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車に戻ってくると、さっきの男のようなのが5人倒れていた。
「おーい、これどうしたんだ?」
『あ、主、おかえりなさい。これは、主が出たあとに車を強奪しようと襲ってきたもの達です』
「こっちもかぁ」
『こっちも、というと主のほうも?』
「あぁ、怪しいところに連れて行かれそうになったから、引き返してきた」
『そうだったんですか』
「これは塩や魚の取引、貨幣の共通化は考え直した方が良いな」
『そのようですね』
「ぅぅっ、ぉ、ぉ前らどこでそれを…」
「あ?、あんたらに、それを言ってどうするんだよ」
「おい、周りで見てる奴ら!、役人でも呼んできたらどうなんだ?、こいつらと同類と見なすぞ?」
動く気は無しか …
「レシカさん、お土産買うこと出来なくなってゴメン」
「いえ、事情が事情ですし…」
「生け簀の水を棄てて、海水を汲んで帰るとするか」
『そうですね』
「そうしましょうか」
「ぁ、ぁの…、今、水って言いました?」
「ん?、それがどうした」
不安そうな表情で問いかけてきた女性いた
「水を分けてもらえませんか?」
「どうして」
「お願いします!」
「「「「お願いします」」」」
「棄てる水だし、理由を話してくれるなら構わないよ」
「理由を言わなければいけませんか?」
「んー、それじゃ、1リットル、1Enyで売ってあげるよ」
「え、でも、棄てるって」
「水を分けるのに、俺は、理由を求めている。理由が話せないのなら、分ける義理は無いね」
「あ、あなた、それでも人間ですか!」
「人間か?、人間だな。王国から攻めてきた兵士5,000人を殺めているけどな」
「な…5,000人……」
「俺は、慈善事業家でもないからな、棄てるものでも欲しいからって、はいどうぞなんて言わないよ。別に意地悪をしようって言うんじゃない。ただな、シズタミの責任者に会わせると嘘を吐かれ、さらに俺の家族に危害を加え車を奪われそうになった」
「それとは別の話では」
「別?、俺はさっき言ったよね、役人を呼んでくれと。呼んできてくれたか?」
「………」
「そして、こうも言った。呼んでくれないなら“こいつらと同類と見なす”ってな。はは、人間か?、人間ですとも。少なくとも拐ったり強奪しようとするお仲間に対して、“水が欲しい理由”を聞いてあげるだけでも譲歩してんだ」
ふと、人垣を進んでくる男が
「おい、これは何の騒ぎだ!って、…おめぇ、昨晩のスグルじゃないか、どうしたんだ?」




