第86話.休憩
サンラを出て2時間ほどして、お昼になる。
小川の近くに、馬車が5台ほど停められるスペースがあり、どうやら休憩場所のようだ。
「よし、ここら辺で昼飯にしよう」
『承知しました』
「今日は、“おにぎり”と味噌汁だよ」
「前に聞いた白飯と関わりありますか?」
「しろいつぶつぶー」
「この茶色いのが飲み物…?」
『シズタミと交易することで食の幅が広がるのですよ』
「交易で食の幅が?」
「あぁ、塩のおかげだな。レシカさんは前の話を覚えていたか、おにぎりは、そう、白飯を目の前にある形にしたものを言うんだ。麦とは違う穀物だが、そのままでも噛めば甘くなる食べ物なんだ。これに塩が加わるだけでも甘味が引き立つんだ」
「いただきます」
「「「いただきます」」」
『食べ比べできるように、こちらが塩の無い方、こちらが塩の味付けがしてある方です』
「(ぱく)…(もぐもぐ)……!、甘くなりました」
「確かに麦とは違う…」
「おいひい(もぐもぐ)…、あ、なにかはいってる!」
「こ、この少し塩味が付いている橙色のは何ですか?、このおにぎりに合いますよ、美味しいです」
「それな、それが魚を塩焼きにしたものだよ」
「これが…、でも、街で売ってるのとは違いませんか?」
「さすがレシカさん、これは一応、生魚から調理したものなんだ」
なるほど…と、レシカさんは頷く。
「塩味の方も、なんでしょうか噛めば噛むほど口のなかが潤ってくる感じが…」
「おねえちゃん、おいしいね」
「本当ね…」
「で、味噌汁だ、飲んでみて」
「なんか、泥水のようなんだけど」
「どろみずなの?」
『(ペチッ)』
「ちょっと痛いじゃない!」
『謝りなさい』
「まぁまぁティファ、初めて見るとさ、自分の知識でしか判断ができないから、その辺で」
『ですが主、食事の場に泥水を出したなんて言われたら…』
「うーん、食事の改善に繋げられれば良いかなと思ったんだけど初見から、これだと難しいかな」
「ご、ごめんなさい…」
「ごめんなさい」
「うん、良いよ。無理に飲まなくても」
「これ、美味しいですよ、スグルさん!、これは広めるべきです!」
「あ、あの、スグル…。食事の改善にってどういうこと?」
「んー、この味噌汁はね、塩を使っているんだ、大豆と糀谷とか使って発酵させて作る味噌を使ってるんだ。そして、必要なのが出汁なんだ」
「だしってなあに?」
「出汁はね、旨味なんだけど、説明が難しいな」
『では、こちらを。最初に、出汁がない味噌汁です』
「う、塩味が強く感じます」
「そうね、そんな感じがするわ」
『そして、出汁をとった味噌汁です』
「こ、これはどういうこと?」
「まろやかになりました」
「あ、こっちのがのみやすいー」
「うん、説明が難しいけど、それが旨味なんだ。で、この旨味は海産物からも摂れるんだよ。そして、味噌汁にはサンラで育てている野菜を入れても良いし、豚や鳥の肉も入れて良いし、魚も入れても美味しいんだ」
「それは凄いです!」
「そして、白飯に合う!。好みの問題だけど、パンにもいける」
『レパートリーが豊富です』
「ちなみに、救急車…、移動型の病院みたいな車で、レシカさんや、ネイラとレイネちゃんは、この白飯と味噌汁を食べていたんだ」
「えっと…、そうなのですか?」
「あ…」
「??」
『重湯ですよ』
「そっか、具の無いスープと思ってた…」
「あ、あれですね!、あれは体力の無いときには助かりました」
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「ごちそうさまでした」
「「「ごちそうさまでした」」」
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