第85話.出発
「おにいちゃん、おうまさんは?」
レイネちゃんが車の回りを興味津々見ている。
可愛いなぁ、もう
「この車はね、お馬さんに牽いて貰わなくても良い車なんだよ」
「へー、すごいね!!、ね、おねえちゃん!」
「そ、そうね」
姉よ、もう少し愛想よくしたらどうなんだ。
「えーっと、ランドさんは引き続き、王国側の動きを監視してもらえるかな。何かサンラにまずい動きが有れば知らせて欲しい」
- 『承知しました』
「あと、ミーはランドさんのサポートをお願い」
- 『はーい』
今回は交易の下見と、海産物の購入に加えて運搬の走行試験を行う。
運搬は、生け簀を使った場合、冷凍、そして氷詰め(スーパーの鮮魚コーナーで見る冷蔵方)の3パターンだ。
まずは、生け簀。
これは水温と水質を保ってくれる装置がセットとなっている。
H:200㎝・W:150㎝・T:150㎝
容積は4,500kl
7割の水量でも3,150kl、約3.2tだ。
行きは淡水を積み、帰りに海水へ入れ換えて魚を放す計画だ。
次に、冷凍。
これは魔法で急速冷凍したものを冷凍庫に入れるだけのもの。
最後に冷蔵。
過去に20名の魔術師を雇い失敗したという運搬だ。
でも今は冷蔵庫があるんです!
これらの設備をイメージで固め、ティファに車を変えてもらったのだ。
んー、重心が高いかな…
ネイラが質問してくる
「あんた達、何者?」
「人?」
『精霊?』
「なぜ疑問系なのよ」
「まぁまぁ、俺らこの世界の生まれじゃないんだよ」
『そして私は、アテラさんからの能力の過剰投与によって現れました』
「…」
「それを知ってて、アテラさんをあの婆さん呼ばわりしてたんじゃないの?」
『アテラさんからのお咎めが無いのは凄いですね』
「い、今はそんな事はいいわ、それで何時出発するのよ」
「それなんだがな、レシカさんがまだ来てないんだよ」
『いつもなら率先して来るんですけどね…』
∽∽∽∽∽
「じゃ、これがお土産のリストね」
「私からも、これお願いするわ」
「ネフカさんも、ミレーヌも酷いですー」
「良いじゃない、私たちは今回呼ばれてないのだから」
「「ねー」」
「“ねー”、じゃありませんよ、“ねー”、じゃ。私は前回の商談した時との変化を確認するために行くんですよ?」
「ま、まぁでも快適な視察になるのは間違いないわよね」
「そうね、なのでお土産「よ・ろ・し・く」」
「ぅぅぅ、分かりましたよ…。それじゃ行ってきます…」
「「いってらっしゃーい」」
∽∽∽∽∽
「遅くなってすみません」
「まぁ、あの二人にでも捕まってたんだろ?、しようがないさ。よし、じゃぁ乗って。レシカさんと、レイネちゃん、ネイラちゃんは後ろの席に座ってね」
「さ、乗りますよー」
「はーい」
「ちゃん付けしなくて良いから!」
『シートベルトは締めてくださいね』
「シートベルトは、こうやって、こうすんですよ」
「へー、しっかりとしてるのね」
「えへへへ、すわりやすいね」
レイネちゃんはチャイルドシートです。
「目的地はシズタミの漁港っと」
ピッっと
ポーン
〔目的地までのルート案内を開始します〕
「喋った?!」
「しゃべったー」
初めて見るものな
〔所要時間は約6時間です〕
「え?、6時間…、6日ではなく?!」
「?」
〔道なりに進んでください〕
うん、いつも通りだ。
「ちょ、ちょっと、ねぇ、6時間ってどういうことよ」
「ん?、馬車じゃないからだよ」
「でも5日は掛かる距離の筈よ?!」
「たしか400㎞くらいだったか、時速80㎞でも単純に5時間の計算だから目安だ。まぁ、嘘かどうかは自分の目で確かめてくれ」
「んじゃ、出発」
「しゅっぱーつ」
ブルルル、ブルロロロロロロ…
「うごいたー、おうまさんいないのに、うごいたよ!、おねえちゃん!」
「そ、そうね。でも馬車と同じか、遅く感じるわ」
街中は徐行しないと危ないじゃないか、なんせ6t近い塊だ。
急に止まれる物じゃないから馬車よりも遅くなるだろう。
街中を行き交う人々が初めて見るトラックに驚きの表情を浮かべる。
「門は難なく通れるようになったな、さすがアテラさん。さてと、街道に出たし障害物が無いので、スピードを上げますよ」
ブロロロロ、ブロロロオオオオオオオ…
「やっぱ、運転してるのが落ち着くなぁ」
『これから定期的に遠出ができるようになるのですね』
「良いですねぇ、私も同行したいですー」
「ぅゎぁー、はやいよ、おねえちゃん!、ねぇ、おねえちゃん」
「本当に速い…」
投稿完了前に寝落ち…。
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