↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/160

第83話.技術の秘匿

「やぁ、気分はどうだい?」

「あ、レギルさん、ようこそ」


「あぁ、横になってて良いよ」

「ごめん」


「スグル殿、謝らないでください。それと、サンラを守ってくれてありがとう」

「れ、レギルさん、頭を上げてください」


「ロドリルから話は聞いたよ。私が戻ってきていないことと、あと、領内の水に関しても…。そのため、敵が広がる前に討つ必要が有ったことも」

「敵に弱点は見せたくないからね」


「我々は二度も命を救って貰った。本当にありがとう!」

「いや、レギルさん、本当に、頭を上げてください。俺たちも助けられてますから」

『レギルさん、その辺にしておいて貰えますか?』


「う、うむ。すまん…」

「それで、話は昨日の続きだよね」


「あぁ。まずは、あの馬車!、あれは凄いね。嫌な振動も揺れも殆ど感じさせない物だったよ。あれが広まれば運搬中に商品を痛めることも減るとおもうんだが、作り方を広めることは…」

「他国より有利に立ち回らないと行けないから、当面は広めないよ」


「どういうことかな」

「技術の無償提供はやらないということ」


「ふむ?」

「えーと、サンラでは鉱山を持っていないから、他から金属を購入している加工する訳でしょ?」


「そうだな」

「で、サンラで画期的な馬車を作りました」


「ふむ」

「他の国でも作りたいと言ってきます」


「言って来るだろうな」

「はい。ですが、ここで加工技術を教えたらどうなります?」


「うむ。他国でも生産をする…」

「えぇ、サンラは金属を購入する段階で輸送費込みで原価が上がります。他国では自前で用意が出来るので安くできます。そうなると、サンラは今まで他国に販売できていた製品が販売できなくなります。さらに、他国はサンラへ売る金属の値段を上げたり、職人を引き抜きに来る可能性も有るわけです」


「なぜ金属の値段が上がるんだい?」

「需要と供給ですね、サンラに売っていた金属を自国でも使うようになれば品薄になるし、当然、足元を見て値段を上げてくるよね」


「職人の引き抜きは?」

「研究するより、初めから知ってるならお金が掛からないでしょ、それに」


「それに?」

「技術を引き出され、販売が軌道にのったら、引き抜かれた職人は捨てられるんですよ」


「捨てられる…?」

「えぇ、引き抜きの時点で給金は高めに設定されているはずなんです。で、欲しい技術が手に入れば、あとは他の職人と同じ状況じゃないですか」


「そう…だな」

「あとは一緒に新しい物を開発していく訳ですから、給金が高いのは経営者から見れば邪魔ですよね、そして職人から見れば、余所者は邪魔なんですよ」


「商機も人材も逃す所だったと?」

「えぇ。なので貨幣と同じく馬車の座席や車軸辺りには認識阻害を付与するようにしています。然るべき手順を践まずに分解すると、直せなくなる代物です」


「でも、馬車の件は、鍛冶ギルドに委任しているんだろう?」

「俺には加工する(すべ)がないですからね。あとサンラの産業の為にってのも有る。それにギルドへ委任したのは“信用”と“保護”の為だから」


「信用と保護?」

「えぇ、情報が他国に流れたとしたら、鍛冶ギルドの信用は地に落ちるでしょう、というか落とします。そして、保護は引き抜かれない盗まれない環境作りだね」




「馬車は量産されるのかい?」

「んー、受注生産かなぁ。あとは、既存の四輪馬車に限定しますけど、所有している今の馬車を改造するので有れば、新規でオーダーするよりは幾分安くなりますよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。