第82話.目覚め
- 『敵、生存者なし。また痕跡もなし』
『ランド、ありがとう』
- 『スグル大丈夫かなぁ』
『わかりません。人を安全に運ぶ仕事をする側から、殺める側になってしまった訳ですから…』
- 『様子見ですな』
- 『でもティファ姉を守れたから…、きっと大丈夫だよ』
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「スグル殿はまだ目を覚まさんか」
『状態は落ち着いているようなんですが』
「そうか。すまんな私がしっかりしないばかりに」
『レギルさんはシズタミに行かれていたではありませんか』
「いや、もともと独立するリスクの考えが足りていなかったのだ」
『それでも、主が選んだ道ですから…』
「おにいちゃん…、だいじょうぶ?」
『今は寝かせてあげましょう』
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「はっ、はぁ、はぁ、はぁ、あ、ここは…」
ティファの救急車の中か…
どれぐらい経ったのかな
ひょこ
「あ、レイネちゃん…」
さっ
あははは、嫌われちゃったかな
「おねえちゃーん、おにいちゃんおきたよーー」
あー呼びに行ってくれたのか
「生きてたの?」
「はははは、一応は、な」
『主!主、あるじ』
「あぁ、ティファ心配かけたな。もう大丈夫だ」
『主に辛い思いをさせてごめんなさい』
「ティファ大丈夫だから、な、泣くな、ほら…」
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「スグル殿が目を覚ましたと聞いて来たのだが、お取り込み中だったかな?」
「レギルさん茶化さないでくださいよ…。俺、どのくらい寝てました?」
「うむ、8日ほどかな」
「えっそんなに?、王国は、王国の動きは?!」
「王国は3日前に、正式にサンラ自治領を独立領として認めてくれたよ。できれば友好関係を築きたいそうだが…」
「まぁ無理でしょうね…、相手は5000人もの兵士を失っているんだから。その他に何か条件を提示されたりしてる?」
「いや、今はまだだが、そのうち使者を寄越すようだ」
「こちらの立場は変わりませんよね」
「あぁ、変わらない」
「そうだ、シズタミの方はどうなりました?」
「そのことなんだが、シズタミは港町として栄えていたよ。海塩の件は覚書が有効とのことで、売って貰えることになった。」
「何か懸念でも?」
「いや、シズタミがな、うちの経済圏に入れて欲しいと言うんだよ」
「経済圏って言っても、ここサンラだけですよね」
「うむ。まぁ簡単な話、サンラEnyにシズタミも参加させて欲しいそうだ」
「貨幣の図柄は当面変えませよ?」
「図柄は羨ましがられたが、どうも貨幣の精巧さと偽造のされにくさを評価したみたいだな」
「どういうことです?」
「シズタミの方も旧王国貨幣と、シズタミと取引のある他国の通貨で運用されているんだが、当然王国貨幣は切り替わってるわけで、また、他国の偽造貨幣が流通しているようなんだ」
「中継拠点が一つ無くなるだけで、流通が途絶えてしまうのですね…。それにしても偽造貨幣か…」
ぐぅ~
「すまん、起きたばかりだものな、私はこれでお暇するよ。また明日顔を出させて貰うよ」
「悪いな、そうして貰えると助かるよ」
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『主、お粥です。』
「あ、ありがとう。ティファ」
「夢を見ていたんだ。初めて、この世界に来ることになった切っ掛け」
『夢…ですか?』
「あぁ、あのときティファが意識を持ち始めたんだろ?」
『恐らくそうだと思います…』
「カーナビを通じて呼び掛けていた、RGOKT…あれの意味がようやく分かった」
『主…』
「RGOKT、あーるじーおーけーてー。あるじおきて」
『!』
「ありがとな。さっき見た夢がその場面だったんだ。それで目を覚ますことができた。いつも見守ってくれてありがとう。そして、これからも宜しく頼む」
『はい、わかりました。これからも宜しくお願いします』




