第77話.価値
「あっさり引き上げて行きましたな」
「あぁ、てっきり記念に上げた貨幣1セットを使って入領すると思ってたけどね」
そう、1セットは11111サンラEnyが額に入っているのだった。
それは即ち11人、若しくは10人と馬が8頭、馬車3台までが入れた。
また、遣いの者達は見た目王国関係のものを示していないため、18人は王国関係以外としても入れたのであるが、彼らは気付かずに去っていった。
「戦争…仕掛けて来ますかな」
「こっちの火力を見せて無いからな、来るかもよ?、それに、サンラまでの道のは大人数の移動には適さないからね。時間は掛かると思うよ」
「そうですか、しかし、貨幣セットを渡して良かったのですか?」
「あれ?、大丈夫でしょ。大気中の魔力を使っての認識阻害に形状維持、破損防止を重ねて付与しているんだけど、どんな複写をするにしても実行するときにデザインがわからなくなるんだ。普通に使う分には問題無いよ」
「そうなのですか?」
「あぁ、それに真偽を見分けるときも、その魔法の重ね掛けで判断できるよ」
「それでは、シズタミへの交渉の準備に入りますか」
「そうだな」
∽∽∽∽∽
一方、帰路についた使者ご一行はというと
「なぁ俺らどうなるんだろうな」
「戦争に駆り出されるのは間違いないな」
「しかし、良くできた貨幣だよな…」
「あぁ、しかも見分けが付けやすい」
「俺ら、王命とは言え、取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれないな」
「帰りたくないなぁ」
∽∽∽∽∽
「そう言えば、サンラの特産って何なんです?」
「特産と言うほどの物では無いが、麦に金物製品かな。鉱山を占めれば何とかなりそうだが」
「シズタミには何かしら売りに出します?」
「向こうが欲しがるもの、ということだな、それはレシカが交渉に…、といっても95年前だと流石に変わっているか」
いつもお読み頂きありがとうございます。




