第73話.推測
「しかし、何でまた、サンラ領を崩壊させようと、いや、崩壊させられたのだ?」
「考えてもみてよ、サンラ領の年間予算の2割の金が王国に入るんだ。しかもサンラ領以外からもね」
「っ、それはかなりの額になるでしょうな」
「だろ?、それで他の領にも質の良くて安価な海塩へ追随されたら…」
「主力生産の岩塩が売れず、資金も確保できない?」
「そういうこと。で、レシカさんが襲われたのはきっと、海塩の契約書か何かを奪おうとしたんじゃないかな」
「そう…考えると辻褄が合いますな」
「気になるのは、領内では塩を幾らで売っていたかだが」
「それは………。拳大で10000Enyです。」
「え?、今、何Enyって?」
「ですから1万…と」
「は?」
日本円で10万円?、拳大で?、不純物混じりの岩塩がか?
「正気?」
「いや、そう言われてもだな…」
「それで領の予算の2割?」
「実のところ、岩塩購入と運搬が1割5分程度で、領内への流通に5分を充てて値段を下げてる状況だったのだ」
「それでも1万…、海塩になれば7分の1か…」
「少なくとも1分4厘(1.4%)に落ち着き、約1割8分が他へ回せる」
しかし、海か…
「魚は入って来てたの?」
「塩漬けまたは干した物ならば、今、街中で売られているのはそういう保存の利く物です」
「んじゃ、生魚ってのは食べた事が無いんだ」
「昔、氷魔法を使った運搬も考えられて、実践した貴族が居たんだが」
「ほうほう」
「氷魔法を使える人材が少なく、集めるのは大変なのと」
「ふむ」
「魔法の持続時間が短く」
「ふむ…ん?」
「シズタミからここまで8日掛かってました」
「あー」
「その、氷魔法を使え魔術師が20人近く居ないとダメだったらしく…」
人件費が嵩むな…。
しかも復路には氷魔法はそれほど需要が無い…と。
いつもお付き合い頂きありがとうございます。
只今、無茶展開を拗らせて迷走中です。




