第72話.陰謀
『主、あの姉妹の状況なんですが』
「検査はどうだった?」
『極度の栄養失調状態でした。恐らくあと2日ほど遅れていたら…』
「だ、大丈夫なのか?」
『今のところ、治癒魔法と点滴で保っている状態ですね』
「あ、両方なんだ」
『長く弱っていたものを急激に回復させるとショックを起こしますので』
「そういうものなんだ…。まぁ、任せるよ」
「そう言えばレギルさん。エステリアの反対側って国はあるの?」
「たしかシズタミという漁村があったはずだが、95年も前となると…」
「んじゃ、レシカさんは何かの取引で、そのシズタミに行ってたんですか?」
「あぁ、塩の取引でな、あの時の帰りに助けて貰ったのだったな」
「それじゃあ、王国には塩が入ってきて居ないのでは?」
「王国では岩塩が生産されていてな、今までは王国から輸入するしか無かったんだが、数ヵ月前に商人の噂でシズタミの塩は純度も高く味がまろやかだと聞いて、しかも岩塩より年間ベースで約7分の1に支出が抑えられるとなると、取引したくなるだろう?」
「因みに金額を聞いても?」
「たしか、年間予算の2割を占めていたかな」
「領で取引を?」
「あぁ、ある程度纏まった単位で取引をしないとな、製塩の計画が建てられないんだそうだ。それに領民1万3千の1年分だよ。領で取引をして、領民には安定して供給をする。これが私や商業ギルドの仕事の一つだったのさ」
・サンラ領の予算の年間2割
・塩の購入先変更
・2ヶ月ほど前の局地的断層地震
・自然(と思ってた)のダム湖ができる
・サンラ領に水害発生
・サンラ領に疫病が発生し滅ぶ
「2割が3分にねぇ………。ふむ、レギルさん、サンラが滅んだのって、これって王国に仕組まれた災害かも知れませんよ?」
「何だって?!いや、でも…、そんなまさか…」
いつもお読み頂きありがとうございます。
ようやく欠片が集まった感じですかね。




