第48話.え、王国?
おーっと、ここでいきなりの難関が待ち構えていた!
「ねぇ、門番さん、門を広げてくれない?」
「こら無茶いうでない」
「ギリギリかなぁ、上を擦りそうなんだけど」
『サスペンションを調整して車高を少し下げましょう』
「お、できるんだ」
『実際には石棺を積めば下がる範囲だと思います』
「んじゃ、3㎝ほど下げて貰えるかな」
『分かりました』
「オーケー、んじゃ進むよー」
「脅かしおって、気をつけてな」
パァーン
クラクションで返事
後部座席では「いよいよ出発ですわね」などと話が弾んでいた。
橋は全部で5箇所も在るが、問題無さそうだとランドさんが言っていた。
確かに一つ目の橋はしっかりとした石組の橋だった。
後部座席の女性陣は、揺れの少なさや速さに驚いている。
途中、2日前に発ったという中央向けの商隊を追い越す。
「あれは、一昨日に発ったキアノ商会の馬車ですね。スグルさんの車は速いですね…」
「ティファが居てからこそ、だけどな」
「はぁ、ではティファさんが凄いんですね」
『主の運転のおかげですよ』
「ちがうぞ、ティファとランドさんとミーと俺たちでやってることだからな、一人が欠けても旨くないさ」
ある程度の道幅もあったが、6時間かけて難なく到着。
「本当に着いちゃいましたね」
「えぇ4~5日掛かる道程が6時間………」
「zzz、へ?、はっ!」
-----
エステリア王国 サンラ街道、大門前。
「おうこく?」
「スグルさん、知らなかったんですか?」
「あぁ、王国って初めて聞いた…?、あれ?そういえば建国王の縁のって言ってたっけ」
「そうですよ、縁といっても、建国王のお妃様のお母様なんですから」
「なぜ、サンラに眠ることになったんだ?」
「大病を患われて、長時間の移動に耐えられなかったと伝えられています。ただ、今の治療術でも治せたのかは分からないですけど」
「そのお妃のお母さんについて名前は伝わっているのか?」
「伝わっていると思いますが」
「そうか…」
さぞかし自宅に帰りたかっただろうな。
「おい、そこの怪しい…車?、止まれ!」
詰め寄り所から衛兵が向かってくる。
「はいよー」
「この大きな箱のような物は何だ」
「あー、これは人の乗れる荷車ですよ」
「それにしては、何も積んでないようだが?」
「今回は試験走行なので、なにも積んでないんですよ。近々、サンラからここの聖堂に搬送しますから、その時は宜しくです」
「聖堂に運び入れ?」
「えぇ、長年の約束を果たせると、サンラの冒険者ギルドマスターが言ってましたね」
「サンラ…から聖堂に…?」
「今日は道程の確認で来ただけなんで、正式には後日ってことになりますが」
「すみません、わたしはサンラ領・領主、レギル・ファルモアの娘、レシカ・ファルモアと申します。搬送については、こちらを王城へ届けて貰えませんか?」
衛兵が受け取り、なにやら道具にかざす。
「(サンラ領だと?)封蝋は…確かに、領主ファルモア…のもの(いや、しかし…)だな。おい」
「はっ」
「これを、王城へ」
「はっ、畏まりました」
衛兵から手渡された一兵が王城へ駆けていく。
「お前たちは、いつまでここに居るのだ?」
「あ、邪魔なら離れたところに停めますよ」
「違う違う、滞在はどの位か聞いておるのだ」
「あー、明日には戻るよ、準備もあるし。あ、でも聖堂までこの車で行けるか確認したいんだけど」
「そうか、しかしこの大きさとなると、今日はすぐには無理だな」
「そうですか…当日でも大丈夫かなぁ」
「大丈夫ですよスグルさん、さっきの書簡には次に搬送で訪れたら通行できるように配慮して欲しい書かれたものが入ってますから」
「そっか、じゃあ、あそこに停めて休んで明日は朝から移動してサンラに戻ろうか」
「『はい』」
これより補正の効かない無茶展開に突入します。




